私が個人的にサッカーで最もスリリングに感じる場面は、ロングカウンターの場面です。
ショートカウンターのほうが得点チャンスが高いのでスリル感は上かもしれませんが、ショートカウンターは成功しても失敗しても短時間であっという間に終わってしまいます。しかしロングカウンターはたとえ失敗に終わったとしても、『得点がきまるのか?きまらないのか?』といったハラハラドキドキを比較的長時間堪能できるのです。
そんなロングカウンターにもいろいろな種類があります。私が独断で4段階に分けてみたので、ロングカウンターを楽しむ際の参考にしてみてください。
普通のロングカウンター━━3人以上でフィニッシュまで持っていくパターン。
すごいロングカウンター━━ふたりでフィニッシュまで持っていくパターン。ロングカウンターは3人以上で狙うのが基本なので、ふたりでやるとなるとなんらかのスーパープレイが必要になるからです。
超すごいロングカウンター━━1本の縦パスを受けたひとりの選手が、個人能力だけでフィニッシュまで持っていくパターン。よって元イタリア代表のヴィエリは1998年、2002年とW杯2大会連続で超すごいロングカウンターをきめたことになります。
しかし、なんとこの超すごいロングカウンターをも上回るロングカウンターが存在するのです。名づけて【奇跡のロングカウンター】です。
奇跡のロングカウンター━━良質な縦パスなど必要なく、ミドルゾーンから単独でフィニッシュまで持っていくパターン。
そんな奇跡のロングカウンターで私が最も印象に残っているのが、2005年のクラシコで当時バルセロナのロナウジーニョがきめたものです。
マルケスがクリアしたボールを、デコがハーフウェーライン左に位置するロナウジーニョにショートパス。そこから奇跡のロングカウンターがはじまりました。
ロナウジーニョはドリブルでラモスとサルガドをかわし、ロベカルのスライディングもむなしく空を切り、最後はカシージャスをクールに料理してフィニッシュ。相手がレアルで、さらにアウェーのサンチャゴ・ベルナベウだったという点も大きいです。
以上、これが私の考えるロングカウンターのランクです。