これまでスルーパスやワンツーパスなどの突破法を紹介してきましたが、これらがぽんぽんうまくいくなら1試合に20点も30点も取れるはずです。しかし、サッカーの試合は実力が拮抗した相手なら、1点か2点くらいしか取ることはできません。
要するにスルーパスやワンツーパスは、バイタルエリアを突破する手段として最高に効果的なものではあるのですが、極めて難しくめったに成功はしないものだということです。
そこで比較的難度が低く崩しのきっかけをつかみやすい手段として、ポストプレーというものが多用されることになるのです。
MFの選手が前向きのFWに縦パスを送るシーンを試合中よく見かけると思います。あれをクサビのパスといいます。クサビがFWにおさまることで敵の注意がそのボールに集まり、クサビをおさめたFWがフリーになった周りの味方にパスを出して崩していく、というのが基本です。この一連の流れをポストプレーというのです。
もちろん、クサビをおさめたFWがパスではなく、体を反転させてドリブル突破やシュートを狙ってもいいのです。ただしいうまでもなく難度はぐんと高くなり、成功するシーンはめったにお目にかけられません。