サッカーは攻撃手段を知れば楽しく観ることができる【ザックジャパンvsオーストラリア(2011)】 | ギタリスター誕生~ギター500年の歴史がここから変わる~
ヤフー知恵袋に寄せられた質問
 33歳にしてサッカーを見てておもしろくなりました。ただ、いまだによく見方がわかりません。
 玄人というか好きな人はどういう所を中心に見ますか?ボールを追いかけてても点が入る入らないだけなんでもっと楽しみたいのです。ご教授ください。

 
質問
 サッカーの魅力って何ですか?ずっと野球をやってきて野球の魅力はわかります。でも、W杯で盛り上がっているけどサッカーの魅力がちっともわからないんで楽しめません…。
 
質問
 今テレビでサッカーやってますが、サッカーの良さが解りません。野球のほうが見てて楽しいんですが、家族の者がサッカー見てるので仕方なく見ています。なかなか点が入らないサッカーはどう思いますか?
 
質問
 サッカーを好きになる方法を教えてほしいです。野球は昔から好きで、テレビでも見ますし、携帯で経過確認もしますし、ゲームでも育成します。ソーシャルゲームもします。サッカーは、ゴール付近にボールが行くと、すごく面白いんですが、90分フルで観ることは、ありません。
 
質問
 僕は野球ファンで、普段は野球ばかり気にしていますが、時々ワールドカップや、国際試合でサッカーを見ることがあります。でもそのたびにサッカーってそんなに面白いのかなあ?と思ってしまいます。
 野球は、毎試合先発投手が変わって、毎試合違う展開を楽しめます。でもサッカーは時々しか出場選手が変わらず、違うチームと試合してるだけでつまらないです。

 
 
 
弥勒の回答
 
 サッカー選手たちは適当にパスをして、適当にドリブルをして、適当にシュートを蹴っているわけではありません。ひとつひとつの動きに深い意図があるのです。それらをだいたいでもいいので把握しないと、永遠にサッカーの試合を楽しむことはできません。
 
 
 たとえば『野球のおもろしさはわかるけど、サッカーのおもしろさがわからない』という方をよく見かけます。しかし、野球とサッカーも似た部分はあるのです。
 
 
 野球はド真ん中にストレートばかり投げても打ち取れませんよね?あらゆる球種をあらゆるコースに投げ分けないとバッターを打ち取ることはできません。サッカーもそれと同じなのです。
 
 
 ただ適当にロングシュートばかりを打っても点は入りません。点がきまりやすい攻撃手段を、選手たちはそのときそのときの状況に応じて90分間おこない続けているのです。
 
 
 それでは、サッカーにはどのような攻撃手段が存在するのか?アジアカップ2011決勝、日本vsオーストラリア戦のハイライト動画を参考にいくつか紹介したいと思います。
 
 

 
 
 前半50秒 オーストラリアが右サイドからミドルシュートを打ちました。
 
 前半1分20秒 オーストラリアが細かい横パスをつなぎ、最後はダイレクトでシュートを打ちました。     
 
 前半3分30秒 日本がロングボールをペナルティエリアに放り込むという攻撃手段をおこないました。
 
 前半8分20秒 日本が左サイドからロングシュートを打ちました。
 
 前半15分20秒 オーストラリアが右サイドを突破して、グラウンダークロスを送るという攻撃手段をおこないました。
 
 前半16分50秒 日本がフリーキックからミドルシュートで直接ゴールを狙いました。
 
 前半18分40秒 オーストラリアがコーナーキックからハイクロスを放り込むという攻撃手段をおこないました。
 
 前半21分30秒 オーストラリアが右サイドからハイクロスを放り込むという攻撃手段をおこないました。
 
 前半27分30秒 オーストラリアが右サイドからハイクロスを放り込むという攻撃手段をおこないました。
 
 前半29分20秒 日本が左サイドを突破し、ペナルティエリアに侵入してシュートを放ちました。シュートはゴールに近ければ近いほどきまる確率が高いので、ペナルティエリアに侵入してからのシュートはすぐれた攻めです。
 
 前半30分 オーストラリアがミドルシュートを打ちました。
 
 前半31分20秒 オーストラリアがロングフィードを前線に送り、それを中央の選手がワンタッチで右側の選手にラストパス。それをダイレクトでシュートしました。高度なコンビネーション攻撃です。
 
 前半35分30秒 日本がポストプレーからワンタッチでラストパス。それをダイレクトでシュートしました。

 後半2分 オーストラリアが右サイドからクロスを放り込むという攻撃手段をおこないました。
 
 後半7分30秒 オーストラリアが左サイドからクロスを放り込むという攻撃手段をおこないました。
 
 後半15分30秒 日本が右サイドからライナークロスを放り込むという攻撃手段をおこないました。
 
 後半16分 日本がフリーキックからミドルシュートで直接ゴールを狙いました。
 
 後半16分20秒 オーストラリアが右サイドからクロスを放り込むという攻撃手段をおこないました。
 
 後半17分 日本が左サイドから中央にカットインし、ポストプレーからチャンスをつくろうとしました。
 
 後半20分30秒 日本が左サイドからクロスを放り込むという攻撃手段をおこないました。
 
 後半26分 オーストラリアが前線にロングフィードを送り、それがとおって相手キーパーと1対1の状況になりました。いうまでもなく、サッカーにおいて最も得点をきめやすいシチュエーションです。
 
 後半32分 オーストラリアが右サイド深くからプルバックを送るという攻撃手段をおこないました。
 
 後半38分40秒 日本がコーナーキックからニアへクロスを放り込むという攻撃手段をおこないました。
 
 後半41分 日本のスルーパスがとおってバイタルエリアを突破しますが、パスを受けた選手は敵に囲まれてダイレクトシュートできませんでした。 
 
 後半41分10秒 オーストラリアが前線にロングフィードを送り、それがとおって相手キーパーと1対1の状況になりました。いうまでもなく、サッカーにおいて最も得点をきめやすいシチュエーションです。
 
 後半43分20秒 オーストラリアが左サイドからクロスを上げ、それをワンタッチで落としてからシュートを打ちました。

 延長前半11分40秒 オーストラリアがバイタルエリア中央にスルーパスをとおし、それをワンタッチでラストパス。最後はダイレクトでシュートを打ちました。 
 
 延長前半13分10秒 オーストラリアが右サイドからファーへクロスを上げるという攻撃手段をおこないました。 
 
 延長前半13分30秒 日本が左サイドを突破してから中央へラストパス。それをダイレクトでシュートしました。
 
 延長前半14分40秒 オーストラリアがコーナーキックからハイクロスを放り込むという攻撃手段をおこないました。

 延長後半3分40秒 日本が左サイドからクロスを上げ、ダイレクトボレーシュートでゴールをきめました。
 
 延長後半7分10秒 日本がフリーキックからミドルシュートで直接ゴールを狙いました。
 
 延長後半9分50秒 オーストラリアがコーナーキックからハイクロスを放り込むという攻撃手段をおこないました。 
 
 延長後半13分40秒 オーストラリアが日本のペナルティエリアに侵入しましたが、マークが厳しいのでいったんバックパスをします。それをダイレクトでシュートしました。
 
 延長後半16分50秒 オーストラリアがフリーキックからミドルシュートで直接ゴールを狙いました。
 
 
 
 この試合、延長戦まで戦ってたった1点しか入りませんでしたが、これだけ多くの攻撃手段が延々とおこなわれ続けているのです。
 
 
 サッカーの試合のおもしろさがいまいちわからない方々、どうでしょうか?選手たちのおこなう行動ひとつひとつに深い意図があり、90分間止まることなくなんらかの攻撃手段がおこなわれ続けているのです。そのためたとえ1点しか入らなかったとしても、【ありとあらゆる攻撃手段を堪能させてもらった】という感じでサッカーファンは充分満足できるのです。
 
 
 ちなみにこの試合でおこなわれた攻撃手段の数々は、存在するサッカーの攻撃手段のうちのほんの一部にすぎません。サッカーとは無限の可能性を秘めたスポーツであることをわかってもらえたと思います。

 
 
 
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