11人対11人━━サッカーは同じ人数でおこなうスポーツなため、実力が拮抗したチーム同士の試合になると、単純にパス回しだけではチャンスはつくれません。
そこで重要になってくるのがドリブルなどの個人技による突破です。マラドーナやロナウジーニョのプレイは、サッカーに興味がない人でもどこかで1度は見たことがあると思います。あのようなプレイで敵をひとり、ふたりと抜き去ることで、数的優位な状況を生み出すことができるのです。
しかし、そんなことは相手だって百も承知。そこで『ここは突破させないぞ』と1対1(マッチアップ)が起きるのです。
このマッチアップ、もちろん抜き去る側のドリブラーのプレイを楽しみにするのもいいのですが、抜かせない側のディフェンダーの守備を見るのもおもしろいものです。
特に私が1番印象に残っているのが、数年前のUEFAチャンピオンズリーグ準決勝、マンチェスター・ユナイテッドvsバルセロナ戦で、マンチェスター・ユナイテッドの左ウイング・クリロナvsバルセロナの右サイドバック・ザンブロッタの対決。
試合のほうは1対0でマンチェスター・ユナイテッドが勝ったのですが、クリロナとザンブロッタの対決はザンブロッタに軍配が上がりました。
世界最高のドリブラーであるクリロナのドリブルを、いぶし銀のサイドバック・ザンブロッタが止め続ける姿に、ディフェンダーの渋いカッコよさを感じずにいられません。