売却が難しい田舎の土地 | 千葉の外房で田舎暮らし!明正不動産BLOG

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毎年4月になると土地・建物の所有者に固定資産税

納付書が届きますが、固定資産税納付書が届く時期に

なると増えるのは土地売却希望の問合せです。

 

固定資産税納付書を見た土地所有者は、何も利用して

いない土地の固定資産税を払い続けるのはバカバカしい

から処分してしまおう!と思って売却希望の問合せを

するのでしょう。

 

しかし、土地売却の問合せがあった土地を実際に見て
みると多くの土地は売却が困難な事が多いのです。

 

いすみ市周辺では、土地価格が毎年下落(もしくは横ばい)
で、土地を購入して家を建てる人よりも中古住宅の購入
希望者が圧倒的に多い状況です。

 

そして坪単価も坪1万円以下から高くても8万円前後。
10万円以上で取引される土地は滅多にありません。
坪5~6万円も出せば、条件の良い土地が買えます。

そうなると、条件の悪い土地は全く売れないという
田舎特有の現象が起こります。

 

例えば、近隣に坪単価2万円で50坪の土地があったとして、
前面道路に側溝が無く(排水の放流先が無い)竹や雑木が
生い茂っていた場合、土地価格よりも雑木の伐採や側溝の
整備等で土地価格以上の費用がかかってしまい住宅地と
して価格が出ません。

 

さらに未測量で境界不明だったら言うまでもありません。

 

過去に売却希望の問合せを受けた土地

(境界不明+土砂災害警戒危険区域)

 

買主さんの立場で考えれば、家を新築した後、何十年も
住む場所ですから、数百万円の差額なら条件の良い土地
を選ぶのは当然の話です。

 

条件の悪い土地を所有している売主さんは、売却しても
赤字が出る可能性があり、不動産会社も手数料にならず
扱っても赤字になるので扱う事すら出来ないのです。

 

結果として土地の所有者は、不動産業者を転々とするけど

売却依頼を断られ続け、「あの時売っておけば良かった」

と後悔する事になります。

 

(実際は、バブル時のように土地が高い時期なら売れた

はずが、親が売らなかったために、相続人の子が困って

いるケースが多い)

 

もっと条件の良い人が現れるはず・・と思っている内に

婚期を逃してしまい「あの時結婚しておけば良かった」

「誘いを断らなければ良かった」と後悔する独身女性と

似ていますね。

 

これは、都心のような坪単価が高い地域では有り得ない
現象です。もちろん田舎でも土地が高い頃はこんな現象は

起こりませんでした。

 

この辺りの事情は、過去の記事にも書きましたが、
毎年、土地の売却依頼を受ける度に、依頼を受ける事が
出来なくて申し訳なく思います。