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不登校でお悩みのママに向けての情報をシェアします!
著者:本田秀夫先生
◎信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授・同附属病院子どものこころ診療部部長
特定非営利活動法人ネスト・ジャパン代表理事
◎精神科医師。医学博士。1988年、東京大学医学部医学科を卒業。東京大学医学部付属病院、国立精神・神経センター武蔵病院を経て、横浜市総合リハビリテーションセンターで20年にわたり発達障害の臨床と研究に従事。
発達障害に関する学術論文多数。
◎日本自閉症スペクトラム学会会長、日本児童精神科医学会理事、日本自閉症協会理事。
子どもが登校をしぶることを「その子が悩み始めた段階」だと思っている人が多いのですが、その理解は間違っています!
P245~
子どもに「学校にいきたくない」といわれたら
親御さんと学校の先生が協力しながら、子どものために環境を整えていけば、
基本的には学校は居心地の良い場所になっていきます。
しかし、その変化は少しずつ起こっていくものです。
いろいろな対応をしている最中に、お子さんがストレスを抱えて、
学校に生きづらくなってしまうこともあると思います。
例えば、親も先生もいろいろと工夫しているにもかかわらず、
朝、子どもが「学校にいきたくない」と言い出すことがあります。
大人としては、子どもの勉強や忘れ物などの課題をサポートしているつもりでも、
子どもが登校をしぶることはあるのです。
「行きたくない」とはっきり言う子もいれば、
「おなかが痛い」と言ってぐずぐずして支度がはかどらず、
登校時刻に間に合わなくなる子もいます。
そのような状態になったら、みなさんはどう対応しますか?
親御さんなら「どうしたの?」と心配しつつ、「先生もよく見てくれているから
大丈夫だよ、行ってみよう」と言って、お子さんを励ますでしょうか。
学校の先生と連絡を取り合っている状況であれば、
「今朝は登校をしぶりましたが、なんとか行かせました、よろしくお願いします」
と伝えることもできます。
励ますのがよいか、もしくは思い切って休ませるか。
どちらがよいでしょう。
先生はどうでしょうか。
親御さんから「子どもが登校をしぶるようになった」
という連絡をもらったら、どう対応しますか?
「ひとまず登校できていれば大丈夫」と考えるでしょうか。
登校しぶりの段階か、実際に休んでからか。
欠席が何日も続いたら検討するか。
みなさんはどう思いますか。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231204/10/merusuzumina/a2/a1/j/o0640038915372714141.jpg?caw=800)
「登校しぶり」はどの程度のSOSなのか
日頃、様々な相談を受けていると、子どもが登校をしぶることを
「その子が悩み始めた段階」だと思っている人が多いのですが、
その理解は間違っています。
登校しぶりというのは、子どもが悩み抜いて疲れ果て、自分でできることはすべてやり尽くしたという、最終段階のSOSです。
親御さんも学校の先生も、すぐに対応しなければいけません。
私はそういうお子さんに「どうしたの?」と聞きます。
学校に行くか行かないかということを考える前に、まず子どもの話を聞くのです。
聞いてみると、答えはさまざまです。
勉強がしんどいという場合もあれば、友達や先生とのやりとりで
何かつらい体験をしたいという場合もあります。
低学年くらいのお子さんだと、まだ考えをうまく言えなくて
駄々をこねるだけということもありますが、
その場合もお子さんの様子をよく観察します。
そして、おこさんが「つらい」と感じている部分にどう対処できるかを考えます。
そこに対処できなければ、学校に行かせても、お子さんにつらい思いをさせるだけだからです。
お子さんの様子を見て、今は学校を休まざるを得ないと考えることもあります。
お子さんのメンタルヘルスを守るのが私の仕事なので、お子さんや親御さんに
「いまは休んでもいいんじゃないですか」とお話しすることもあります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20231204/10/merusuzumina/7b/4d/j/o0640036015372714142.jpg?caw=800)
親ができること
休ませて「どうしたの?」と聞く
家庭でも、同じように対応してよいと思います。
朝、お子さんが登校をしぶっているのなら、その日はひとまず休ませることにして、
ゆっくり時間をとって「どうしたの?」と聞いてみることをおすすめします。
私は基本的に、登校をしぶる子には休息が必要だと考えています。
親御さんにも毎日の予定があり、すぐに時間をとって対応するのが難しいこともあるでしょう。
ただ、その場合にも例えば翌日にはお子さんの話を聞くような形で、
何かしら対応してほしいと思います。
学校をしんどいと感じているお子さんは、親に励まされれば
少し元気が出て、登校できることもあります。
しかし、そうやって「一見大丈夫」という感じで通っている子は、
ある日パタッと登校できなくなってしまうことがあります。
大丈夫なように見えて、ただ無理を重ねているだけということもあるのです。
そうなる前に休息をとらせて、
お子さんの話しを聞くようにしてください。
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今回紹介した内容のまとめ
●登校しぶりがある子の心の状態
✖悩み始めた段階である
〇最終段階のSOSである
ということ
すぐに対応する必要がある!
●子どもの話をよく聞く、よく観察する
✖なんとか行かせようと促す
〇「つらい」と感じている部分への対処法を考える
【親ができること】
●可能であればひとまず休ませて
「どうしたの?」と聞いてみる
*大丈夫そうに見えても、無理を重ねているだけという場合もある!
*突然パタッと動けなくなる前に休息をとらせるようにする!
*子どもの行動より心の状態を優先させるほうが解決への近道!
次回は引き続き、【先生ができること】、【協力してできること】についての
シェアをしたいと思います
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次回12月20(水)PM13時からとなります☕