博多座「あかねさす紫の花」  | 絵描き文書き・中川貴美子ブログ

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中川貴美子(きみこむ)です。
文章を書いたり絵を描いたり。
猫とミュージカルと英国が大好き。
2026年も絵画の展示、イベントに参加中。

10日ほど前、5月4日から26日まで

博多座で上演されている

宝塚花組「あかねさす紫の花」を観てきました。

 

今回はキャストがAとBにわかれているそうで

私が見たのはBパターン。

 

中大兄皇子 明日海 りおさん

大海人皇子 柚香 光さん

天比古   鳳月 杏さん

 

この3人が役替わりなんですね。

 

娘役トップの役は

額田女王 仙名彩世さん

 

博多座で宝塚公演を見るのは2年ぶり、

あまりタカラジェンヌさんのことは知らないのですが

トップ2人体制の時に作られた作品だそうで

その経緯から役変わりも可能なのでしょうか。

 

大化の改新後、兄弟である

中大兄皇子と大海人皇子の

額田女王をめぐる人間模様を

描いた作品です。

 

恋愛ものに三角関係はつきものだけど

これ、結構ひどくない?という理不尽な話で

明日海りおさん演じる中大兄皇子は

冷酷で自分勝手な悪役に見えんこともない。

 

額田が少女の頃は姉と恋仲だったのに

大人になって自分の弟の妻になったら、その美しさに

惚れ込んでとりあげてしまうなんて

おいおいって感じ。

 

額田と大海人皇子は夫婦仲もよさそうですから

物語の中盤からは、みんな苦悩の連続。

 

歴史的には

誰かを殺したりするわけにもいかないし

どこで終わらせるんだろうと思ったら

酒に酔った大海人がお祝いの席に遅参してきて

槍を振り回す修羅場の最中で幕、という展開でした。

 

へーここで終わるんだー☆

 

初演から数十年たって、再演も何度かされている

そうですが、それぞれ人間としての魅力を

どう出していくかがポイントなんだろうなあ。

 

明日海りおさんの中大兄皇子は、鋭い剣そのもの。

繊細でシャープで、どこか孤独な色がある人物でした。

あまり共感はしないけど、政争のさなか

目いっぱい愛されて育った額田女王を求める

気持ちには嘘はないのかな。

 

個人的には大海人皇子があたたかみが

感じられてよかったです。

柚香さんは初めて拝見する方でしたが

あごの骨格がややしっかりして、

男性としてのリアル感があるというか

もちろん美形だけど、

普通の雰囲気も魅力だなと思いました。

 

穏やかな性格で妻と子供を愛し

為政者ではあるけれど本質は素朴な人。

頭が切れすぎる兄を持つ苦悩も

わかるーって感じです。

ラストはもっと大暴れしてもいいと思ったけどね。

 

三角関係といえば

オペラ座ファンにとっては

ファントム、ラウル、クリスティーヌが浮かぶのですが

実はこういう設定最大のポイントは

間に挟まる女性の魅力だと思うのです。

 

そういう意味で

仙名さんの額田女王はとても魅力的で

よかった☆

 

少女時代の明るさ、かわいらしさ。

大人になってからの落ち着き、成熟した美しさ。

二人の男性の間で揺れながらも

夫(大海人皇子)を愛する気持ちなど

凛とした女性像が

納得できる印象でした。

 

神事を任され、舞を納めるという

ミステリアスな部分も描かれていたし

中大兄皇子がある意味

わがままをいうだけの子供なんだと悟って

受け入れる器も感じさせたんじゃないかな。

 

 

舞台の後半は

レビュー「Sante」。

乾杯、という意味だそうです。

パリを中心に、ワインのエピソードを

からめた歌とダンスのショーでした。

 

どれも明るくて楽しかったけど、

最近はこういう男役さんの演出が結構多いのかな。

冒頭で5人で歌うところ、長い足もしっかり見える

セクシードレスなのに、なぜかすぐ「女装」だとわかる(笑)

 

途中でジゴロ風の男性群舞の振付が

すごくカッコいいとか、黒燕尾服があると

やっぱり引き締まるなあとかいろいろ思ったのですが

とにかく顔と名前が一致しないので

あっという間に過ぎていった感じです。

 

ラストは明日海さんがさすがのトップオーラで

きれいに華やかにしめてくださいました。

 

カーテンコールの最後で明日海さんからご挨拶。

「宝塚大劇場にもどうぞおいで下さい」と言うつもりが

「東京・・」と言い始めてしまい

言い直して、全部話し終わってから

「うぇ?」って謎のフレーズが入ったり

なんだかフリーダムな可愛いトップさんでした。

 

宝塚公演、なぜか行くたびに

悲しい終わり方の作品が多いので

安心して見られるハッピーエンドも

一度は見てみたいなあ。