2016年の本です。

 

作者は東京国税局で大口の不正案件を担当した佐藤弘幸さん。

 

 

男が不動産取引で10億円もうける。

 

10億円分の法人税が約3億円と聞いて仰天、国税OBの税理士に相談する。

 

男と税理士は綿密な計画を練って、10億円分の経費を捏造、

 

課税所得をゼロにして脱税を謀る。

 

その現金を国内で隠すのは難しい。

 

7億円を手分けしてスーツケースに入れ香港に運び、現地の銀行を経由して投資会社に運用を委託する。

 

脱税したお金を海外に逃避させた男と、なんとか不正を暴こうとする国税職員の戦いの話。

 

すごくリアル。

 

映画にもなりそうな練られた構成。

 

(なんで映画になってないのか不思議)

 

リアルなだけにすっとは読めない。

 

あれこれネットで背景の事実を検索してメモをとったり、ページをさかのぼったり。

 

それも楽しい。

 

すばらしい読書体験だった。