全日本以来、めちゃくちゃ叩かれてる伊藤美誠選手。

 

負けた後のインタビューで、シングルスに出れないんならオリンピックどうしようかなって言ったら、「何様?」ってディスられた。

 

今回ベンチの様子も、生意気だってSNSで言われたみたい。

 

僕はすごーい活躍したと思いますよ。

 

日本と中国のベンチは全く対照的。

 

中国は、昔からそうだけどタイムアウトでしゃべるのは馬琳監督だけ。選手達は黙って見てる。

 

日本は、監督をさしおいて選手、特に伊藤選手がしきりにアドバイスをしてた。応援の一体感もすごい。

 

これは過去の団体戦でも見られた光景。

 

村上恭和監督時代も、試合中の伊藤選手らへの助言をかなりの部分先輩の平野早矢香選手らにゆだねて、監督本人は横でそれを見てたような記憶がある。監督仕事しろよとは思わなかった。名将だなと思った。

 

誤解を恐れずいうと、伊藤選手はジュニア時代から、指導されるのではなく自分で自分の技を磨いてきたと思う。

 

トップクラスの才能があると認められた卓球ジュニアは、都内に転校してきてエリートアカデミーで育成される。

 

そんな憧れの地位を敢えて断って、関西卓球アカデミーの松崎太佑コーチと二人三脚で技を磨いてきた。

 

試合中も、松崎コーチがアドバイスをするというより、伊藤選手がずっとしゃべっている。

 

松崎コーチの話ももちろん聞くんだけど、自分がどういう状況にあってこれからどうするかを伊藤選手は自分で決めていて、松崎コーチにそれを聞いてもらってるといった印象がある。

 

だから伊藤選手は卓球戦術の極意を、与えられるのではなく自分の頭で考え抜いてきたという自負があるんだと思う。

 

日本の絶対的エースだった福原選手も石川選手も、中国語堪能で中国卓球を知り尽くしていたに違いないのに、いざ中国選手に向かうとなかなか歯が立たなかった。

 

伊藤選手は丁寧をはじめ、劉詩雯、朱雨玲、孫穎莎、王曼昱などに二回以上勝利している。

 

負けてもまた工夫して向かっていく。そうして勝ってきた実績があるから、団体戦のベンチから見える光景で、次に何をすべきかの知恵が泉のように湧いてくるんじゃないのかな。

 

だから僕は、伊藤選手はとてつもない戦略構築面の才覚を発揮することで、ひょっとしたら次の日本卓球の黄金時代を指導者として迎えるんじゃなかろうか、と思っているのです。