「塩をもっと入れた方がうまい」
これは、昨日の母の言葉です。
昨日は父が晩ご飯をつくってくれたんですが、
その味付けが お上品な感じの薄味なんですよ
豚肉とセリを入れた醤油味のナベでね～
ああまたこの親父は繊細な料理をつくったなぁ…とか内心ほほえましく笑いながら、美味しくいただいたんですが
(父は凝り性だからなのか、料理の味付けが家庭向きじゃないのですよ。なぜか料亭とか、あっち向きの繊細な味にしようとしたがる)
かずちゃんは、まあこういう味付けもいいか…くらいの感じで食べていたんですよ、
父がつくった料理は、おいしいっちゃあ美味しかったし
かずちゃんもけっこう薄味好きでね
味の引き算っていうの？
余計なものを入れない料理のおいしさは分かってるつもりなのです。
ところがですよ、
ナベも終盤になってきて「ごちそうさま」が見えてきた頃
のほほんとした空気をブレイクする壊し屋が本性をあらわした訳ですよ！
「塩をもっと入れた方がうまい」
母でっっす
父の表情が一瞬にして曇りつきました
それまでは、
俺のつくった鍋はうまいだろう♪ 家族が料理をおいしく食べてくれて幸せだなぁ…と思っているかのように
顔を緩ませていた父の表情が、
生のゴーヤのスライスをてんこ盛り、口の中に押し込まれたような表情になり申した
それからの夫婦の会話は、だいたい皆様のご想像通りでございます…
こだわって作った料理を否定されたような気持ちになった父が母に抗議し、
母は「でも塩をもっと入れた方がうまい」の一点張りで譲らず、
最終的に困った父が、私にアイコンタクトを求めてくるという…
ちょっ…！ こっちを巻き込むんじゃないよぉー！ 
まあ、母も母で疲れていたんだと思うんです～。
だいたい母も疲れている時は、相手のことを思いやる余裕がなくなるのです。
でも言い方って、あるよね(笑)
ここでいう言い方っていうのは、正しい言い方とか、間違った言い方とか
そーいうんじゃないよ。
相手に気持ちが伝わりやすい言い方か、伝わりにくい言い方か
ということです。
相手に気持ちがちゃんと伝わるなら、昨日の我が家みたいな騒動になることも減るよね
人と人との争いって、気持ちがちゃんと伝わらないという、カンチガイから始まっていることがほとんどです。
昨日の母のセリフを例に出していうなら、
「塩をもっと入れたほうがうまい」
ではなく
「私は、塩をもっと入れた方が美味しく感じる」
と言えたらよかったかな、と思う。
これ、二つのセリフはどっちも同じことを言っているようで
相手に対する伝わり方は、まるきり違います。
「塩をもっと入れた方がうまい」
の方は、
私のやり方（感じ方）が正しい、と宣言しているニュアンスになります。
これだと、
「私のやり方が正しい」と言われた方は
あなたのやり方は正しくないと 言われているかのような気持ちになります。
そして否定されたような気持ちになるから、なにお！ って
反抗したくなっちゃったりするんだよね。
一方
「私は、塩をもっと入れた方が美味しく感じる」
の方は、
自分の思いを相手に伝えている形になります。
自分が感じたことを、
思ったことを、
ただそのまま伝えるだけ。
この伝え方には、正しいだの、間違っているだのの概念が入っていません。
相手を自分の意のままに動かしてやろう…という意図も入っていません。
私がこう思っている…ということを、そのまま相手に伝えているだけなので
誰の心も傷つけようがないのです。
また、自分が言葉を発することで相手をコントロールしてやろう…という気持ちもないので
相手は警戒をせずに、素直に耳を傾けてくれるんです。
コツは
「私は、～～と感じる」
「私は、～～と思っている」
というように、誰が感じているのか、誰が思っているのかを明確にして
語尾に〝感じる〟〝思う〟をつけて言うことです。
パートナーとの関係に悩んでいる方、人付き合いで悩んでいる方は
この、自分の気持ちをちゃんと伝えるということを意識すると
相手との関係が良くなるかも知れません
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