いよいよ大晦日

 

今年最後の投稿となります。

今年最後に何を記録しようか

大真面目でこれにしました。

 

 

日本国憲法

この尊きもの。

 

 

日本国憲法を思うと、

私は、ベートーヴェンを思い起こします。

 

日本国憲法が欧米でできた人権思想に基づいて

GHQによって日本に植え付けられたことは

否定はしません。

よその国からきたもので、その成立過程について、

いろいろな意見があることでしょう。

 

 

しかし、

やはり、

その根底に流れる個人の尊厳。。

 

 

領主に跪いて仕事を賜らなければならなかった

ベートーヴェンの時代。

 

 

フランス革命に

若きベートーヴェンも夢と希望を抱きましたが、

やがてフランス革命の行き過ぎと、

ナポレオンの進出とナポレオンの追放

 

ナポレオンの敗北は、

つまり、フランス革命の精神の抹殺。

 

市民の自由は全く無くなり、

喫茶店に行ってもうかつに話しができない。

私服の秘密警察が偵察している。

 

ベートーヴェンの会話帳にも

残っています。

 

「ベートーヴェン先生。そんなに大きな声で

話しをしないでください。秘密警察が潜んでいます」

 

ベートーヴェンは政府批判をしていましたから。

 

ベートーヴェンはこの頃は、耳が大変に悪く、

自分は、耳の悪い人にありがちな大きな声で話しをしますが、

相手の言葉は聞き取れないので会話帳に書いてもらっていました。

 

 

先日も書いたように、

私と知人は、ケーキを食べながら

好き勝手に

政治家批判、政府の体たらくを展開しておりましたが、

あの時代だったら、即刻、逮捕されていたことでしょう。

 

 

ベートーヴェンは、

当時のハプスブルク家オーストリア政府のブラックリストに載っていました。

反動化した帝政政府にとって危険人物です。

しかし、逮捕はされませんでした。

 

逮捕されなかった理由は、

パトロンに、

皇帝の弟(マリア・テレジアの孫。マリー・アントワネットの甥ですね。)

がいたことがあるだろうと

言われていますが、

それだけではないでしょう。

 

あれだけの著名なスーパースターが、

逮捕されたとあれば、

国際問題になりかねません。

 

 

特に、既に自由の国を確立しているイギリス。

 

 

ベートーヴェンはイギリスに行きたかったのですが、

オーストリア政府から許可が出なかった。

イギリスなんぞに行かれて、

オーストリアの圧政をべらべらしゃべられては困るのでしょう。

 

 

渡航の自由はなかったのです。

 

 

やがて、

もう一度、市民が立ち上がり、

王政は倒れてゆきますが、

それはベートーヴェンの時代には実現しておりません。

 

ハプスブルク家の帝政が崩壊するのは、

実に、第一次世界大戦終焉の1918年。

オーストリア=ハンガリー帝国が敗戦したときです。

 

 

日本国憲法97条には、こう書かれています。

 

この憲法が保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、犯すことのできない永久の権利として信託されたものである。

 

 

なんと崇高な理念であることか。

 

 

日本人にはピンときませんよね。

 

過去幾多の試練に堪えてきたというのは、

そうした厳しい時代に闘って

多くの血を流した上でやっと獲得された

ものだということ。

 

 

もちろん、

日本には日本の風習がある。

自分たちの憲法を作ろう。

という意見もありましょう。

その方の意見は意見として尊重します。

 

が、

個人の尊厳

 

という理念は最高原理として、

なにものよりも尊いものであると

思いたいものです。

 

国家でも、

組織でもなく

個人。

 

もちろん、

国家や組織なくして個人はあり得ないともいえますし、

個人の尊重、自由といっても、無制限ではない。

 

しかし、

個人が一番大切という基本原理。

 

言うまでもなく、

憲法は、国民が守るものではなく、

国家権力側が守るものです。

 

 

 

ベートーヴェンを聞く。

ベートーヴェンを演奏する。

 

この崇高な理念がよく似合う。

 

 

ベートーヴェンの音楽って

そういうものなんですよね。

自由と人間に対する愛

 

 

今年最後の締めくくりは、

こんな真面目なお話で。

来年が良き年であることを願って。

 

 

今度から、また、

軽い話しも書きます。

 

来年の目標はひっそりと立てております。

 

 沖縄の鍾乳洞にある喫茶店

 

 

ではまた

今年1年、ありがとう

来年、またお会いしましょう音符 音符