ベートーヴェンのハンマークラヴィーアソナタ

 

いくらベートーヴェン通のわたくしでも、

ハンマークラヴィーアソナタは、

最初聞いたときは、全く頭に入らなかった。

わからなかった。

聞いていてこんな難しい曲はなかったショボーン

 

 

交響曲は全部、頭に入っていたのにキラキラ音符

 

しかし、どうしても理解したかった。

頭に入れたくて、かなり何回も何回も聞いていた。

 

そして、大学生のころだったと思う。

風邪を引いて、熱が出て寝込んでいるときに、

枕元にカセットデッキを置いて、

ラジオ録音したハンマークラヴィーアソナタを流していた。

多分、バレンボイムの演奏だったと思う。

 

熱があったけれど、

寝込んで、することもなかったので、

曲に集中できたせいか、

全部ではないけれど、

すーっと頭の中に曲が入った瞬間を感じた。

ああ。こういう曲なんだ!!

とそのとき、

初めて頭がクリアになった。

 

それ以後、

楽譜を見ながら何度も何度も聞いたり、

前にも書いたように、歩きながらヘッドホンで聞いた。

ピアノ曲はヘッドホンでは小さくて聞きにくいので、

裏道を通ったり閑かな場所を見つけたりして。

こうなると、ものすごい執念ですね。

 

ものすごい深遠なる音楽。

聖なるかな聖なるかな。

星が全部、いっぺんに落ちてくるような。

対峙するものは神のみ。

そして、壊れることのない構成力。

 

何度も何度も楽譜を見ながら

ひたすら聞いて温める。

 

いつか弾こうと思っていたわけではない。

 

むしろ、弾くことはないと思っていたけれど、

ベートーヴェンの主な曲を弾き終わったところで、

やっと自分の中に出来上がって、

約10年前に、初めて弾くことにした。

 

なので、難しいから弾きたいとか、

そういうことではない。

音楽に対しては常に敬意。

 

 

 

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