○゜. 深海の宝石 .゜○

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行き先を失った物語
きっとエンドロールまで連れてくわ

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瞼の裏に光が差す



首が苦しい・・・

ねっとり巻きつくのは自分の髪の毛



そろそろ起きようか。

時間を確認するときっと気が滅入ってしまうから
いつまでも寝返りを繰り返していた


でも、

遠くで蝉の鳴き声が聞こえた気がして、・・・






「お。やっと起きたか」




寝室を飛び出したわたしを見て
あなたは薄く笑みを浮かべる


テーブルには不揃いのグラスにアイスティー


わたしとは正反対の恰好のあなた。





「もう10時だぞ」





なぁんだ。


まだ10時。




なら、これから準備してどこへだっていけちゃう。


1時間もかからないから
少しそこでアイスティーを飲みながら待っててよ



服だってすぐ決める


お化粧だって20分でできるよ






あの日、

あなたと約束をした海に行こうよ。




わたし、ずっと楽しみにしてたんだよ。





家中のカレンダーにしるしをつけるくらい




その日を楽しみにしていたのに。









慌てて寝室を飛び出した。




あの日のように










でも、あなたはいなくて





あの約束もあの日のまま



まだ果たされないまま、季節を一周して戻ってきた




あなたが好きなアイスティーをグラスに注ぐ


でも今日は1つだけ。




やっぱり聞こえる蝉の声は
夢なんかでなくて

はっきりと夏が来たことをわたしに知らせた





ついでにあの約束も連れて来て









ほら。



まだ10時





どこへだって行けて


何だってできちゃう時間