花組公演『エンジェリックライ』『jubilee』を観てきました。
今回、劇場で観るのはこの2回だけなので、ちょっと予習していこうかな、と思っていたのですが、結局何もできず、公式HP の作品紹介くらいの知識で観たのです。
初見は、1階の上手で、花道近くの席でした。花道の近くも楽しいものですが、今回真ん中と上手端がかなり見えにくく(そして下手は遠い)
、ちょっと悲しかったです。
上手花道など、見えるところで楽しみましたが、集中しきれなかった気がしました。
2回目は、1階下手の端の方でしたが、初見のときより、ちょっとだけ後ろで、ちょっとだけ壁から離れた感じ
それだけで、ずいぶん観やすくて(前の方の大きさにもよるのでしょうが)、当然2回目の方がずっと楽しめました。
以下公演の内容に触れますので、知りたくない方はご注意下さい。
『エンジェリックライ』について
作・演出は、谷貴矢先生
ストーリーはそれほど難しくなくて、見えにくかった初見のときでも、よくわかりました。
舞台上にはたくさん人がいることが多いので、初見では、誰がどこ?とちょっとまごまご
(特に天使さんたち)
花組生みんな、かっこよくて、きれい![]()
ただ、物語に絡んでくる役が少ないように感じました。
出演者のみなさんは、台詞がなくても、それぞれ工夫を凝らし、個性を出そうと、がんばっていたと思います。
アザゼル(永久輝せあさん)
今までのひとこちゃん(永久輝せあさん)のイメージとちょっと違う、やんちゃな天使さん
可愛かったです。
特に酒場のシーンのアザゼルが可愛くて、ほっこり![]()
プログラムを読むと、谷先生は、ずっと「天使ものをやるならこの人」と妄想してらっしゃったとか
ちょっと意外でした。
ひとこちゃんは、美しくて、お芝居も歌も安定してお上手、そして上品な方なので、アザゼルももちろんよかったのですが、自分としては、もっと人間味のあふれた役の方がお似合いのような気がして(もっとも、『エンジェリックライ』の天使さんたちは、みんな人間味ありますけど)
だからなのか、「夜の海辺」のシーンで、「天界から見るよりずっと綺麗だ」という場面が印象に残っています。
ひとこアザゼルは、たびたび下界を観ていて、それは、「観察」という冷たいものではなく、憧れに近いものだったのではないかと思いました。
“天界一の大ホラ吹きだったが、ウソがつけなくなってしまう”という設定ですが、大ホラを吹いているところが描かれていないので(もしあったらごめんなさい)、ちょっと、この設定が生かされていないような気がして
ひとこちゃんなら、“天界一のロマンチスト”にした方が、エレナ(星空美咲さん)をすぐ好きになる(でしたよね?)のにもつながるのでは、などと勝手なことを思ったりしました。
アザゼルって、ちょっと言いにくいし、変わった名前だなあ、と思っていたのですが、実在する天使のようです。(おかしな言い方ですね、オリジナル名ではなく、古来の書物に名前がある天使という意味です。)
ウィキで見てみたら、なかなか面白そうな天使(堕天使)さまでした。
ちなみに、有名なラファエルをはじめとして、サリエルもアズラエルも有名天使のようですが、『エンジェリックライ』のストーリーとは直接関係はない感じでした。
エレナ(星空美咲さん)
エンジェルシーフと名乗るトレジャーハンター(シーフって泥棒って意味であってますか)
アニメとかポップな映画から出てきたような感じ
「しまった!」という台詞がよく合うヒロイン(この台詞、実際に耳にするのは意外と少ないと思う
)
観劇した2回とも「しまった、しまった、島倉千代子」と浮かんでしまった自分にちょっと反省
いろいろなお衣装もよく似合っていて、みさきちゃん(星空美咲さん)って、スタイルいいなあとあらためて思いました。
サバサバとした感じだけれど、親子の情みたいなものもちゃんと感じられたように思います。
フェデリコ(凪七瑠海さん)
この作品で退団されるカチャさん(凪七瑠海さん)
フェデリコは「一代で財を成した大宝石商」ということですが、宝塚作品で「リゾート」とか出てくると、すぐ「悪者!」と思っちゃうのは、小池先生のせいかも(ごめんなさい
)
かっこよかったですし、立派だけれど裏の顔を持っていそうな感じとか、若いときの情熱、妻や娘に見せる愛情など、見せ場はいろいろあったと思います。
ラスト近くの、ヴィータの様子を聞いたときの笑顔には、思わずホロリとしました。
ラウロ/フラウロス(聖乃あすかさん)
ラウロはフェデリコの秘書ですが、実は悪魔フラウロス
観客に素性を伏せている感は全然なくて、登場から悪魔的雰囲気が漂ってます。
ほのかちゃん(聖乃あすかさん)は悪魔的メイクもよく似合っていました。品のある方ですが、ちゃんと悪魔のいやらしさ(本来そういうものだと思う)も出ていて感心しました。
かっこよさも、かっこ悪さも、見せられる役でよかったように思います。
観劇前、ほのかちゃんの喉の調子についてちらほら目にしていて、心配していたのですが、わたしが観た回ではそれほど声枯れしている様子はなかったです。ただ、ところどころ、やはり本調子ではないのかな、と思うときがありました。公演中は声を出さざるをえませんが、なるべく無理をしないでほしいです。
ラファエル(綺城ひか理さん)
あかさん(綺城ひか理さん)も、この作品でご卒業
天使ラファエル、かっこよかったです。
『GRAND MIRAGE!』のカンツォーネの場面でも思ったのですが、束ねた髪とマントが長身に映えて、「フェルゼンさま~
」と言いたくなる感じ
堅物だけど、あたたかい人柄(天使だけれど)を感じさせて、好演だったと思います。
サリエル(希波らいとさん)
天使の中でも、中間管理職っぽい
最初に観たときは、らいとくんみたいだけれど、らいとくんじゃないみたい
となりました。
銀髪オールバックに銀縁メガネで、知的な雰囲気
らいとくんの舞台が楽しみなのですが、ますます目が離せない気がします。
ルーナ(美羽愛さん)
悪魔チームの一員で、すごく目立つお役
あわちゃん(美羽愛さん)とても可愛くて、魅力的
『元禄バロックロック』のカエデも大好きでしたが、あわちゃんは谷貴矢先生の作品によく合うと思います。
ダンテ(泉まいらさん)
まいらくんも、この作品で退団されます。淋しい![]()
ダンテは普通の人間で、あまり本筋に絡まないのは残念ですが、台詞もあったし、歌やダンス場面ではセンター付近で、目立っていたと思います。
黒のタキシード姿もすてきでした。
マリオ警部(一之瀬航季さん)
かっこいいけれど、どこかおとぼけ感がある警部さん
はなこちゃん(一之瀬航季さん)、いい味出していました。
ジュリオ(侑輝大弥さん)
フェデリコのボディーガード
だいやくん(侑輝大弥さん)、スーツが似合って、本当にかっこよかった![]()
ファビオ(天城れいんさん)
フェデリコのボディーガードで、ジュリオの弟分っぽい
二人ともすごくかっこいいんだけど、弱っちいので、装飾用かも![]()
ルカ(愛乃一真さん)
初見で、メインキャラ以外は誰が誰やら状態のとき、まず目に飛び込んできた、まのっち(愛乃一真さん)
やっぱりお芝居がしっかりしていて、存在感があるのだと思います。
酒場のカウンターにもたれているところなんかも、すてき。
2回目観劇のときは、天使のまのっちも観ることができました。
ミケーレ神父(紅羽真希さん)
もとマフィアの神父様
乱闘場面では、強くって、惚れ惚れしました~![]()
まいこつ(紅羽真希さん)はどんどんいい男(役)になっていってる気がします。
ウタエル(詩希すみれさん・美空真瑠さん)とオドレル(夏希真斗さん・七彩はづきさん)
天使で、あちこちに出没
歌専科とダンス専科というわけではないらしい
見つけると、ついオペラで観てしまう。みんな可愛い![]()
ファルファッラ(初音夢さん・花海凛さん)
ファルファッラは、イタリア語で蝶だとか。そういえば、大きな扇を動かしていました。
たぶん悪魔の使い魔だと思うのですが、この方たちも目立っていたように思います。
思いつくままに書いていて、まだまだ印象的な方はいるのですが、あまりに長くなりそうなので、この辺りにします。
このように、わたしは、けっこう楽しんで観たのですが、中核のストーリーにちょっと弱さを感じたのと、場合によっては置いてきぼりになる観客がいるのでは、と思いました。
たとえば、ラストのトップコンビがハケるところ(見えない席がある)や、ちょっと説明不足に感じるところ、など
もちろん、全ての観客が満足するのは、とてもむずかしいことだと思いますし、いらぬ心配なのかもしれませんが![]()
今回観た2回の観劇がかなり壁寄りの席(上手と下手だったので助かりました)だったので、配信で真ん中から(きっとそうですよね)の映像を観られるのは、とても楽しみです。
そうしたら、また違う感想を持つかもしれません。
レヴュー グロリア『Jubilee 』について
作・演出は、稲葉太地先生
Jubilee(ジュビリー)とは、記念祭のことだそうです。
プログラムによると、稲葉先生は、ひとこちゃんのトップ就任と、宝塚歌劇百十周年の区切りとして、このタイトルを冠されたそうです。
そのタイトルにふさわしい、とても素敵なレヴューだと思いました。
あっという間に時間が過ぎたように思います。
場面毎に書いていきたいのですが、また長くなってしまいそうなので、特に印象に残ったことを少しずつ![]()
S0 Introduction(ファンファーレ)
レヴューの幕開けを告げるのは、らいとくんが吹く形の角笛。すてきな始まりでした。
S1 Prologue(新たな花園)
S0から続く、ピンクと白の、とてもロマンチックな場面
S2 Girl Hunt(あの子を探して)
ガールハンターのほのかちゃん・はなこちゃん・だいやくんも素敵だけれど、だんだん妖しくなっていく花娘たちが魅力的。
S3 Secret Garden(秘密の花園)
今回一番好きだった場面。赤いお衣装の花男たちの中、ひとこちゃんだけが黒の衣装。花男たち、美しすぎました。
S4A Aperitif(旅人)
旅人はカチャさん、極楽鳥にあわちゃん。二人ともすてきでした。
S4B Hot Rhythm(リズムの洪水)
客席降りの場面があり、とても華やかでした。初見の回は客席降りもあまり見えなかったのですが、花道をじっくり見せていただきました。
2回目は、隣をジェンヌさんが通ったりハイタッチしたりという席ではなかったのですが、客席降りの様子は観ることができて、特に、まいらくんが立ち止まる近くだったので、うれしかったです。
まいらくんは、すごくニコニコして、時にはお辞儀をしたりして、とてもうれしそうでした。その様子を眺めているだけで、幸せな気持ちになりました。
S5 Party is over(終わらないパーティー)
若手中心の場面。エネルギッシュに踊る姿で『DANCE OLYMPIA』とか『Fashionable Empire』を思い出しました。
S6 Liberation(花は枯れた)
カチャさんのヴァンガードと影の男たちの場面。レビューにはめずらしく暗い雰囲気ですが、この後には希望があるのだろうなと思う演出に感じました。
S7 Glory Day(戴冠式)
ひとこちゃん、本当に美しく立派。ただ、倒れている方々の演出は、あまり良くないように思ったのですが・・・(ごめんなさい)
S8A Glory Day rep.(新たな時)
希望の紳士として、あかさんが歌うのですが、胸いっぱいなご様子に見えたときがあって・・・こちらもウルウル
S8B Glory Rockets(輝き)
ラインダンス。お衣装もおしゃれで、チャーミングでした。
S9 Finale A(熱情)
カチャさんと真っ赤なドレスの娘役さんたちの場面。とても美しかったです。カチャさんは、このレヴューでもいろいろロマンチックなお衣装を着てらっしゃいますが、普段お家でもこういう格好をしていらっしゃるのでは、と思いたくなるような感じで、ぴったり似合っていました。
S10 Finale B(威風堂々)
黒燕尾の男役群舞。ひとこちゃんは飾り燕尾だったと思います。
とてもすてきでしたが、ショー、特に黒燕尾を観ると、いろいろ思い出してまだ胸が痛いことがあるのです。(ごめんなさい)
S11 Finale C(愛)
ひとこちゃんとみさきちゃんのデュエットダンス。しっとりした雰囲気で、とても良かったです。
S12 Grand Parade
エトワールは、よっちゃん(湖華詩さん)。伸びやかに歌ってみえたと思います。
いつもながら、パレードには宝塚の魅力が詰まっている感じがします。
最後になりましたが、
あらためまして、ひとこちゃんトップ就任、みさきちゃんトップ娘役就任、大劇場お披露目おめでとうございます。
宝塚ホテルのお二人の写真
わたしは約7ヶ月ぶりの宝塚大劇場でした。他にもいろいろ書きたいことがあるのですが、次回にいたします。




