キャスト別感想(3)の続きです。

 

以下、公演の内容に触れますので、知りたくない方はご注意下さい。

 

また、あくまでもわたしの感じたことですし、記憶違い等あるかもしれませんがご容赦ください。

 

 

 

人物相関図はこちらから

 

 

前回も書きましたが、アルカンシェル』は、いろいろな方が複数の役で出ていて、それを見つけるのも楽しみのひとつです。

 

 

 

オットー・フォン・シュレンドルフ(羽立光来さん)

 

ナチス・ドイツのパリ占領軍総司令官。ドイツ国防軍。

 

ほのかイヴ(聖乃あすかさん)が「緑の軍服はドイツ国防軍、グレーと黒の軍服はヒトラーの親衛隊SSの証」と説明してくれています。

 

びっくさん(羽立光来さん)の体の大きさもあって、軍人らしさ抜群。歌もすばらしく、いつも聞き惚れています。

 

マルセルたちが、コンラートの部屋からカトリーヌを救出する場面では、酔っ払って部屋に入ってくるところが楽しい。

 

紅いほっぺですっかりいいご機嫌。シルヴィー(美羽愛さん)に声をかけ、投げキッスをもらい、うれしそうに胸を押さえるところとか、退出するときに「消灯ラッパを吹け!パンパパンパパーン」とか

 

ちなみに、びっくさんオットーをひとこちゃんフリードリッヒ(永久輝せあさん)が肩を貸して支えているのですが、ここのひとこちゃんも好きです。

 

 

 

マックス(紅羽真希さん)

 

コンラート(輝月ゆうまさん)の部下で、ヒトラーの親衛隊SS

 

まず印象的なのは、れいちゃんマルセル(柚香光さん)を取り調べるとき、髪の毛を引っ張ってイジメる(取り調べです)ところ。ついオペラでガン見してしまいます。

 

パリ爆破操作所で、まいこつ(紅羽真希さん)は、れいちゃんにピストルを突きつけるのですが、ここも、わたしは、しっかり観ていて照れ

 

最初は少し離れているのですが、マルセルが「狂ってる・・・」とつぶやいた後、ピストルがその美しいお顔に・・・マルセルとマックスも近づきます。

 

ファンとして、れいちゃんがらみのところを注目してしまうのですが、他にもコンラートと共にいろいろな場面に出ていて、重要な役だと思います。

 

ヒトラーの親衛隊といえば悪名高いのですが、マックスには少し人間味を感じます。この作品でのナチス・ドイツや親衛隊の描き方はちょっとゆるく感じますが、そのことの是非は別にして、まいこつは良い演技をしていると思います。

 

 

 

エミール / デートリッヒ・フォン・コルティッツ(峰果とわさん)

 

エミールは、コンラート(輝月ゆうまさん)の部下で、ヒトラーの親衛隊SS

 

デートリッヒ・フォン・コルティッツは、ナチス・ドイツのパリ占領軍の後期総司令官(ドイツ国防軍)

 

ゆかさん(峰果とわさん)は、宝塚大劇場公演全日程を休演され、代役をまいらくん(泉まいらさん)が務めました。

 

東京公演でも部分休演されていますが、ほとんどの場面で出演されていて、さすがの存在感を見せています。

 

エミールでは、まいこつマックスと一緒にれいちゃんを取り調べるところが、すごい迫力で、毎回観るのが楽しみ

 

デートリッヒ・フォン・コルティッツは、実在の人物で、パリを救った男といわれている一方、ちょっと複雑な人物評価もされているようです。

 

短い登場場面ですが、ゆかちゃんのコルティッツからは、冷静でしたたかな人物という感じを受けました。

 

台詞も短く、表情もあまり変わらず、容易に本心を見せない・・・でも、眼の動き、指で机をたたく仕草など、腹に何かある・・・と感じ取れるようでした。

 

ドイツ軍投降の場面で、先頭を歩くゆかちゃんコルティッツは無表情といっていいくらいで、それが逆に強く印象に残りました。

 

フィナーレの男役群舞をお休みされているのは残念ですが、「魅惑のパリ」とフィナーレのパレードでは、いい笑顔を見せてくれていて、うれしいです。

 

 

 

グスタフ(泉まいらさん)

 

ドイツ国防軍の兵士

 

東京公演では、本役のグスタフに戻っていますが、宝塚大劇場では、峰果とわさんの休演で、エミールとコルティッツを演じていました。

 

急な代役で大変だっただろうと思うのですが、まいらくんのエミールとコルティッツも良かったと思います。

 

これまでのまいらくんとは違ったイメージの役だったと思いますが、特に、コルティッツは、印象に残っています。ヒトラーからの命令への戸惑いも感じられたように思いました。ドイツ軍投降の場面では、堂々として、自分のしたことに後悔はない印象を受けました。

 

東京では、本役のグスタフで、いろいろな場面で活躍。普段はあたたかくて優しそうなまいらくんですが、ドイツ軍兵士として、小突いたり、高圧的だったりしています。パリ爆破操作所では、不安な心情が伝わってきました。

 

パレードでは、いつものまいらくんの笑顔が観られて、よかったです。

 

 

 

カール(高峰潤さん)

 

ドイツ国防軍の兵士

 

「アルカンシェル・ド・パリ」の劇団員としても、細やかなお芝居が目を引きますが、やはりカールが印象的

 

ナチス・ドイツがパリに到着したときや、夜の街でパリジェンヌに声をかけるところ、慰問会場など、いろいろな場面で、兵士らしさと普通の人間らしさを表現していたと思います。

 

パリ爆破操作所では、台詞の言い回しに複雑な心情が感じられ、レジスタンスに銃を突きつけられたときの恐怖感などもすごく伝わってきました。

 

フリードリッヒの「パリ爆破の中止と全軍投降の命令が下りた」という言葉のとき、コンラートを見上げて必死に頷く様子、そして、その後の絶望感

 

じゅんじゅん(高峰潤さん)の演技が、パリ爆破操作所での緊迫感を高めたと思います。

 

 

 

ブルーノ(海叶あさひさん)

 

ドイツ国防軍の兵士

 

ブルーノは『アルカンシェル』の中でも目立つ役だと思いますし、演じているおぶちゃん(海叶あさひさん)もすごくいいです。

 

夜の街で、ドイツ軍の一員として踊っている姿は格好いいし、その後パリジェンヌにかまっている様子やエマ(鈴美梛なつ紀さん)と店の外に消えていくところなどは、ちょっと色悪な感じもします。

 

夜の道で、アネットに絡むところでは、崩れた感じが出ていて(初見のころからどんどん服装が乱れてきている)、ヤバさが増しています。

 

このシーンで、「禁止令ギリギリだ、保護しよう」というとき、ブルーノは腕時計を見るのですが、シェ・エドモンで「もう閉めたんだ」と入店を断られた時も、さっと腕時計を見て表情を変えます(この時の眉をひそめた顔も性格が出ているようでいい)。

 

エドモン(翼杏寿さん)に食ってかかりそうだったのですが、なつきエマちゃんに「それよりウチまで送ってよラブラブ」と言われると

「それじゃ、君の家で飲み直そうかラブラブ」とデレて・・・(この後も、なつきちゃんの色っぽい「もう~」とか「送るだけよ~」とか聞こえてくる)

 

パリ爆破操作所では、宝塚大劇場と東京では台詞が変わったのですが、どちらも、ブルーノの直情的な感じが出ていたように思います。

 

ブルーノは確かに素行は悪いかもしれないし、アネットに対する態度はまったく良くないですけれど、彼なりの一途さというか、ドイツ軍を信じて一生懸命戦ってきたんだろうと感じました。

 

慰問の場面では、国防軍有志による隠し芸大会で、フラフープの首回しを披露しています。意外といいやつかもしれません照れ

 

 

おぶちゃんは、『ココナツ・パラディ』では、ラテンダンサー男として出ているのですが、しっかり劇団員としての演技もしていて、ここでも目立っているように思います。

 

『魅惑のパリ』では、セット・シャルマントの一人(カラーは藍色)で、なかなか色っぽく、魅力的でした。

 

 

 

クラウス(天城れいんさん)

 

ドイツ国防軍の兵士

 

夜の街のシーンでは、すっきりしていて、笑顔が可愛い

 

ブルーノとつるんで、アネットに絡むところでは、ちょっとすさんだ感じが上手かったです。

 

パリ爆破操作所でも、屈折した感じが出ていました。

 

れいんくんは、セット・シャルマンとの一人でもあり(カラーはオレンジ)、『ココナツ・パラディ』のラテンダンサーでも出ています。

 

 

 

ドイツ国防軍兵士(青騎司さん)

 

東京での国防軍兵士もよく合っていますが、宝塚大劇場では、ゆかちゃん休演で、まいらくんが代役を務めたのに伴い、グスタフ役を演じていました。

 

リリーくん(青騎司さん)のグスタフも、とても良かったと思います。

 

銀橋で、れいちゃんマルセルを小突くところなど、憎々しげな感じが良く出ていました。

 

パリ爆破操作所では、台詞の調子も良かったし、軍服がよく似合ってかっこよかったです。

 

 

 

ドイツ国防軍兵士(珀斗星来さん)

 

はくとくん(珀斗星来さん)は、『鴛鴦歌合戦』のとき、代役でおとみちゃんの取り巻きの一人になっていて、そのときから気になる人でした。

 

ドイツ軍がパリに到着したときの場面で、はくとくんを見つけて、思わず注目

 

この場面のドイツ軍は、一見無表情に立っていたり動いていたりするだけのようなのですが、パリに心奪われているようなところも描かれています。

 

特に、はくとくんは、兵士らしさ抜群で、ほとんど表情を動かさないのですが、ちらっと表情が緩むときがあって、それを観るのが楽しみ照れ

 

夜の街の場面でも、お金を手にしてるときの、ちょっとうれしそうな表情とかが、さりげないのだけれど印象に残ります。(なんとなく、家族に送金していそうな感じ)

 

ホテル・ポンパドゥールの夜間警備兵でも、顔の筋一つ動かしていない感じで任務遂行中

 

ドイツの真面目な青年が徴兵されて、任務を忠実にやっているが、ふとした瞬間に素顔がのぞく、みたいな照れ

 

ちょっとわたしの想像が多めですが、はくとくんはやっぱり気になる存在です。

 

ロケットに出ているのを見つけられた時は、うれしかったです。

 

 

 

他にも印象に残っている方々がいるのですが、この辺りで終わりたいと思います。

 

れいちゃん(柚香光さん)と出会わなかったら、一つの作品をたくさんの回数観ることはなかったでしょうし、舞台で演じられている様々な人々に気づかなかったかもしれません。

 

れいちゃんには、感謝しなければならないことがたくさんありますが、舞台でいろいろな花組生に出会わせて下さったことも、その一つです。