キャスト別感想(2)の続きです。

 

以下、公演の内容に触れますので、知りたくない方はご注意下さい。

 

また、あくまでもわたしの感じたことですし、記憶違い等あるかもしれませんがご容赦ください。

 

 

人物相関図はこちらから

 

 

 

人物相関図やキャスト表には載っていないことも多いのですが、『アルカンシェル』は、いろいろな方が複数の役で出ていて、それを見つけるのも楽しみのひとつです。

 

 

 

マダム・フランソワーズ・ニコル(美風舞良さん)

 

「アルカンシェル・ド・パリ」の劇場主

 

1幕第3場での「パリにナチスがやって来る」という歌い出しが、とても力強く、さすが、あおいさん(美風舞良さん)という感じ

 

今回コーラスがとても良いと思うのですが、あおいさんのリードの力も大きいのではないかと思います。

 

台詞もお芝居もいいと思うのですが、わたし、このマダム・ニコルという方が、ちょっと謎で・・・(脚本上のことです)

 

ドイツ軍兵士の気持ちを思いやること自体はすばらしいと思うのですが、ドイツ軍に理解ありすぎに見えてしまって・・・

 

占領下のパリで、劇場を続けていくためには、ある程度ドイツ軍に協力しなければならないでしょうけど、心ならずも、という感じとか、複雑な思いとかがあまり描かれていないように思います。

 

「わたしにとって一番大切なのは、お客様が喜んでくださるってこと」と言い、ジャズの上演も進めますが、この状況でジャズを上演したらどうなるか、一番考えなくてはいけない立場の方ではないかと・・・あせる(フリッツもアルカンシェル団員たちもあまり考えていませんが照れ

 

1幕ラスト場面での、「興行主は誰だ?」というコンラートの威圧的な問いかけに、「わたしです」と進み出るところは、キリッとして素敵でした。

 

ダンスシーンで踊っているときもあり、あおいさん可愛いかったです。

 

 

 

コーエン / ギヨーム・ブラン(紫門ゆりやさん)

 

コーエンは「アルカンシェル・ド・パリ」のプロデューサー兼演出家

 

ユダヤ系フランス人で、ナチス・ ドイツ のパリ占領が明らかになり、アメリカへ亡命します。

 

マルセル( 柚香光さん)のダンスをストップさせたときに言う「いいか、俺たちはユダヤ人だ、できるなら・・・」という台詞があります。彼がそう言うと、ガヤついていた劇団員はシーンとして、マルセルもハッとした様子を見せ、印象的でした。

 

 

ギヨーム・ブランは、パリ9区劇場街レジスタンスのリーダー

 

おヒゲがよく似合い、闘志と情熱を感じさせて、かっこいいです。

 

パリが解放され、投降したドイツ兵が歩いてくる場面では、昂ぶりを抑えきれない様子が、苦しかった年月を感じさせたように思います。

 

 

前回の公演のショーで、ゆりさん(紫門ゆりやさん)がすごくうれしそうに踊られているのを観ていたので、フィナーレの男役群舞でも注目していましたが、今回もいい笑顔が観れました。

 

一桁代で、ゆりさんがよく見える席だったとき、双眼鏡を覗いていたら、ウインクに被弾してしまいました。そのまましばらく追いかけて観ていたら、投げチュー、指さしと連続攻撃がラブラブ

 

わたしにじゃないかもしれませんが、わたしにだったような気持ちにさせてもらえて、はあぁ~となりましたラブ

 

 

 

ジェラール(舞月なぎささん)

 

「アルカンシェル・ド・パリ」のスターダンサー兼振付家

 

ユダヤ系フランス人で、コーエンと一緒にアメリカに亡命

 

ふじもんさん(舞月なぎささん)も、この公演で退団されるので、いろいろ見せ場があります。

 

「魅惑のパリ」の場面では、あかさん(綺城ひか理さん)と共に白燕尾で踊り、すてきでした。

 

亡命前のアルカンシェル稽古場では、マルセルに注意したりカトリーヌを諫めたりする台詞があり、劇団をまとめる人である印象

 

ナチス・ドイツがパリにやってくることを聞かされた時の絶望的な表情や、アメリカ亡命を決意する様子もしっかり演じられていたように思います。

 

最大の見せ場は、解放されたパリに、アメリカ兵になったジェラールがやって来たところ

 

初見では、思わぬ再登場にびっくりしました。(まどかちゃんカトリーヌの「誰かしら」という台詞もいい味出していると思います)

 

ふじもんさんの引っ込みでは、宝塚大劇場初日からずっと拍手があり、うれしいです。

 

 

ふじもんさんは、ジェラール以外の役で、いろいろな場面に登場しています。

 

1幕第7場と2幕第9場・10場 レジスタンス男

1幕第11場A ホテルの客男

2幕第8場 ナチス・ドイツのSS

 

この中ではナチス・ドイツのSSが冷たい美しさで印象に残りました。

 

フィナーレでも、いい位置で、格好いいダンスを見せてくれています。

 

 

 

シルヴィー(美羽愛さん)

 

「アルカンシェル・ド・パリ」のダンサーで、「モンマルトルのピエロ」のコゼット役

 

ダンサーとしていろいろな場面に出ていますが、目立つのは、やはりコゼット役をしているとき

 

お衣装も髪型もよく似合って、ものすごく可愛い乙女のトキメキ

 

「オールボワール・ムッシュ」しか台詞がないけれど、生き生きしています。

 

「モンマルトルのピエロ」では、得意のバレエを生かして踊り、ポアント(トゥシューズでのつま先立ち)も見せています。

 

 

 

アンヌ(凛乃しづかさん)

 

「アルカンシェル・ド・パリ」のダンサーで、マルセルの振付助手

 

娘役に役の少ない『アルカンシェル』にあって、アンヌは、台詞もあるし、しっかりした通し役だと思います。

 

稽古場ではきびきびと働くお姉さんという感じ。振付の件でマルセルにしたいことを伝えるなど、きちんとした考えのある人のようでした。

 

りんちゃん(凛乃しづかさん)ですからダンサー役はぴったり。いろいろなダンスシーンで、踊るりんちゃんを観れてうれしい照れ

 

ホテル・ポンパドゥールでのパーティーで、コンラートがマルセルの名前を忘れた(ふりをする)とき、ムカついた顔をしたのを観たことがあって、「ありがとう、アンヌ」となりました。

 

 

 

マリー(糸月雪羽さん)

 

「アルカンシェル・ド・パリ」の歌手。男女ペアのコーラスの一員として歌を担当していることが多いです。

 

マリーといえば、稽古場に視察に来たコンラートに怒られるところと、パリ解放の場面が印象的で、以前ブログでも書きました。

 

怒られるところは、マルセルにすがったり、ジョルジュ(綺城ひか理さん)に列に入れてもらったりしていた、宝塚大劇場のときの方が好きでしたが、東京でも表情豊かです。

 

東京では、稽古場でのジョルジュとの関係性は薄くなったけれど、パリが解放され、投降したドイツ軍が歩いていくときの、ジョルジュをみるマリーの視線は変わらず

 

本当に、いつ観ても、涙ぐんで、通り過ぎるジョルジュを目で追っているように思います。

 

切ないです。

 

 

 

花売り娘(愛蘭みこさん)

 

花売り娘は、「モンマルトルのピエロ」の中の役で、全体としての役は「アルカンシェル・ド・パリ」のダンサーということになると思います。

 

『アルカンシェル』は娘役さんの大きな役が少ないのですが、みこちゃんは今作で退団ですから、もう少し見せ場がほしいと、初見の頃は思っていました。(お名前もつけてほしかったあせる

 

でも、観劇を重ねると、いろいろな場面でみこちゃんを見つけることができて、立ち位置なども考慮されているように思いました。

 

「モンマルトルのピエロ」での花売り娘は、本当にかわいらしく、そのまま飾っておきたいほど。ちなみに「ÇA C’EST JAZZ」では、この格好で踊っています。

 

アルカンシェルの稽古場では、ちょっとコケティッシュなパリジェンヌらしさがあり、あんまり魅力的なので、ドイツ軍が視察に来たときは、連れて行かれるんじゃないかと心配したほど

 

第14場で、フリードリッヒ(永久輝せあさん)がアネット(星空美咲さん)を訪ねてきたとき、みさこちゃんとゆゆちゃんとわちゃわちゃするところは台詞もあり、3人ともめちゃくちゃ可愛いラブラブ

 

ウィンナ・ワルツ、ジャズ、ラテンと、ダンスシーンでも魅力を振りまいています。

 

今作で退団なので、できれば、フィナーレで、れいちゃんと絡むようにしてあげてほしかったな、と照れ

 

配信視聴した新人公演では、マダム・ニコルでしたが、歌も演技もとても良かったと思います。

 

 

 

ダンサー(美里玲菜さん)

 

「アルカンシェル・ド・パリ」のダンサー

 

人物相関図やキャスト表にお名前がなかったですが、舞台で観るみさこちゃん(美里玲菜さん)は輝いていました。

 

『モンマルトルのピエロ』ではパリジェンヌ役でしたが、薄紫のクラシックなお衣装がよく似合い、本当に綺麗。

 

稽古場では、公演途中からちょっとへたっぴな感じで踊っていて、アンヌに注意されたりしています。みこちゃんとは並んで練習していて、いろんな表情が、すごく可愛い

 

みさこちゃんも今作で退団なので、ダンスシーンでは、目立つところにいるように思います。練習場と違い、かっこよく踊っていて素敵。ウィンナ・ワルツのドレス姿は本当に麗しい

 

みこちゃんと同じく、フィナーレでれいちゃんと絡むところが欲しかったです。(みさこちゃんは七彩はづきさんのピンチヒッターで3日ほどありましたが)

 

新人公演のポーラは、格好良くて目を奪われました。

 

 

 

ダンサー(二葉ゆゆさん)

 

「アルカンシェル・ド・パリ」のダンサー

 

ゆゆちゃんも人物相関図やキャスト表にお名前がなかったですが、舞台では目立つ位置にいたと思います。

 

稽古場では、ロベール(帆純まひろさん)が台詞を言うときに引っ張り出されたり、みこちゃん、みさこちゃんと並んでわちゃわちゃするところでは台詞があったり

 

ダンスシーンでは、実力と魅力を発揮。ジャズの場面でのジャンプが高くて、びっくりしたことがありました。

 

第9場Aの、ホテル・ポンパドゥールの客女も、すごく美しかったです。

 

 

 

エドモン(翼杏寿さん)

 

バー「シェ・エドモン」のオーナーで、レジスタンスの一員

 

若者が多いレジスタンスの中で、大人として良い味を出していると思います。

 

パリが解放され、投降したドイツ兵が歩いてくる場面では、ドイツ兵も、見ているパリ市民も、いろいろな表情を見せていて、心に残っています。

 

以前ブログにも書いたことがあるのですが、宝塚大劇場で、この場面のあんじゅくん(翼杏寿さん)のエドモンに胸を打たれました。

 

手を組み天を仰ぐようにしているのですが、神に感謝を捧げているようです。これまでの苦労と今の喜びを思わせる表情には、重みがありました。

 

あんじゅくんは、「ココナツ・パラディ」の場面で、ラテンダンサー男として出ています。

 

申し訳ないことに、最近の観劇で気がつきました。

 

「誰だ!この濃ゆい人は!」と思って、よく見たら、あんじゅくん。

 

一人、濃さも温度も特別で、ラテンの雰囲気がたっぷり。感動しました。

 

 

 

警官(夏希真斗さん)

 

宝塚大劇場で、へなちょこぶり(褒めてます)が気にかかり、誰だろうと思って、プログラムを観たら、あっしーくん(夏希真斗さん)

 

(もう一人の警官は、かがみん(鏡星珠さん)で、こちらもいろいろな場面で活躍)

 

あっしーくんは、警官の他に、ダンサー男、ラテンダンサー男、捕虜、街の男、といろいろな場面に出ています。

 

「魅惑のパリ」の7人のセット・シャルマントの一人(カラーは紫)でも魅力的ですが、一番印象的だったのは、フィナーレのロケット

 

「ハーイラブラブ」といって出てくるところから圧強めで、「お・ま・た・せ」みたいな雰囲気もあり、なんというか、目が離せない照れ

 

ちょっと、じゅりぴょん(樹里咲穂さん)に似ている気もしました。

 

新人公演では、難役コンラートを演じて存在感ありました。

 

 

 

またまた長くなってしまいました。続きます。