キャスト別感想(1)の続きです。
以下、公演の内容に触れますので、知りたくない方はご注意下さい。
また、あくまでもわたしの感じたことですし、記憶違い等あるかもしれませんがご容赦ください。
人物相関図はこちらから
ペペ(一樹千尋さん)
「アルカンシェル・ド・パリ」のコメディアン
少年イヴ(湖春ひめ花さん)の父で、イヴ・ゴーシェ(聖乃あすかさん)の曾祖父
シャンソンの名曲「フルフル」を歌っていて、 古き良きフランスの薫りを伝える存在です。
ジャズの場面では、 ノリノリで踊る姿も
心ならずもナチスドイツにおもねるような態度をとっていたぺぺがこらえきれずにハーケンクロイツ旗を踏みつけるところ、ドイツ軍に連行されるときの銀橋での表情、慰問先でイヴやマルセルたちに再開したときの様子、 など、重要な場面で印象的な演技をしています。
慰問先では、ひめ花イヴとフルフルを歌うところが感動的
パリ解放の場面では、市民が破った(と思うのですが)ハーケンクロイツ旗を振り回し、喜びを爆発させていました。
少年イヴ(湖春ひめ花さん)
ぺぺの息子でイヴ・ゴーシェの祖父。アコーディオン弾き
少年っぽさがとても自然で、台詞の声もよく通り、適役好演だと思います。
慰問先でぺぺと再会し、一緒に歌うところなど 、けなげで、ウルっときます。
可愛らしさだけではなく、不安感などもよく伝わってきました。
最近、ぺぺが連行されるところでの悲痛な叫び声や、ドイツ兵に小突かれるところが加わり、より感情が出ているように思います。
ジョルジュ(綺城ひか理さん)
「アルカンシェル・ド・パリ」のスター歌手
フランス人でありながらナチス・ドイツに入党するという、なかなか複雑な役どころ
重要な役だと思うのですが、 印象に残るのが、やたらとキレる人だということ
昔、職場で話題になった「キレやすい人=カルシウム不足」説(実際は関係ないそうですが)を思い出してしまい、ジョルジュがキレるたび、「もっとカルシウムを・・・」とか、心の中で呟いていました。(ごめんなさい)
すぐにキレて、「どけ!」といって飛び出していくパターンの繰り返しなので、あかさん(綺城ひか理さん)も気の毒な気がして・・・
すべてを脚本・演出のせいにするつもりはありませんが、新人公演ではジョルジュが自分の気持ちを漏らす台詞や行動が加えられ、少し共感しやすくなっていたと思います。
ジョルジュがコンラートを撃ってしまう場面も印象的ですが、自分としては、ドイツ兵が投降し、歩いて行くところが心に残っています。
かつての仲間たちの前を通るときのジョルジュは、顔を歪め苦しそうで、痛ましかったです。
歌声はよく伸びて、スター歌手にふさわしく、「魅惑のパリ」の、白燕尾でカトリーヌ(星風まどかさん)をエスコートする姿はすてきでした。
ロベール(帆純まひろさん)
「アルカンシェル・ド・パリ」のダンサー
レジスタンスの一員
ホッティー(帆純まひろさん)は、この作品で退団されるということで、小池先生もいろいろ考えてくれたように思います。
台詞も他の方より多いように思いますし、得意の側転や前転を見せたりしています。
なんといっても、地下水道の場面で、ドイツ兵に腕を撃たれ、マルセル(柚香光さん)に手当されるところ
「すまない」というホッティー・ロベールに、れいちゃんマルセルが「何言ってるんだ、ずっと同じ舞台を踏んできた仲間じゃないか」と、ウルッとくる言葉をかけて
「ありがとう」とホッティー・ロベールも笑顔で応えていたように思います。
何度も書いていますが、パリ爆破計画を阻止したあとで、レジスタンス5人(マルセル・ロベール・ポール・ピエール・ダニエル)で肩を組むところは、大好きな場面。
ホッティー・ロベールはれいちゃんマルセルの横で、泣き笑いのような、いい表情を見せています。
レジスタンス5人組は、それぞれの個性が出ていて、みんな魅力的。
ロベールは、人が良く、フレンドリーな感じがしました。
もちろんダンサーとしても大活躍で、お芝居の中でも、フィナーレでも、目立つところで踊っています。
ホッティーはとても美しい男役さんですが、「魅惑のパリ」でのシルクハットがよく似合い、あらためてやっぱり美形だと思いました。
ポール(一之瀬航季さん)
「アルカンシェル・ド・パリ」の稽古ピアニスト兼アレンジャー
ダンスシーンでもバリバリ踊っていますが、わたしは、レジスタンスとしての姿の方が印象が強いです。
レジスタンス5人組の中でも、実働的というか、頼りになる感じ
パリ爆破操作所でも、ナチス・ドイツとしっかり渡り合っていたように思いました。
地下水道の場面では、銃を持った5人が、それぞれ銀橋でポーズをとるところがあったように思います。たいていれいちゃんを観てしまって、他の方がよくわからない(ごめんなさい)のですが、一度、前方席で、はなこちゃん(一之瀬航季さん)ポールの真ん前だったことがありました。
その時の、かっこよさと迫力には、本当に衝撃を受けました。
レジスタンス5人組で肩を組むところでは、はなこちゃんも時々涙を流していたように思います。とてもいい表情でした。
ピエール(侑輝大弥さん)
「アルカンシェル・ド・パリ」のダンサー
人物相関図では、マルセルの振付助手となっていて、踊る場面も多いです。
だいやくん(侑輝大弥さん)はもともと色気がある人ですが、ピエールでも、本当に魅力的だったと思います。
そして、情のある感じで、少年イヴに寄り添ったり、ダニエル(希波らいとさん)の面倒を見たりするところも、すてき。
レジスタンス5人組で肩を組むところでは、よく涙を流していて、それも、ピエールには似合っていて美しいと感じました。
だいやくんは、「魅惑のパリ」では、セット・シャルマントとして、女役で出ています。
最近、このシーンのだいやくんがよく見える席に座ったのですが、大人の色気という感じで、すごく魅力的でした
ダニエル(希波らいとさん)
「アルカンシェル・ド・パリ」のダンサー
「モンマルトルのピエロ」では中尉役を演じます。
らいとくん、この作品ですごく目立っていると思います。
「ぽっぷあっぷTime」で、小池先生からボケてほしいと言われて苦労したみたいに言っていたと思うのですが、
ダニエルは地でやっているのではないのかと思うほどです
見て覚えろといわれた地図を、口に出したりメモろうとして注意されたりしていますが、後でピエールに手伝ってもらいながら、一生懸命覚えようとしている姿が浮かんできたりして
「おーい、マルセル、これ食ってみろよ」とか言いながら、食べ物を持って、銀橋を走ってくるところは、毎回楽しみです。
れいちゃんが、「いや、大丈夫」とか「おっきな声出すなよ」とか塩対応で、それにシュンとするところも可愛い
レジスタンスとしては、しっかり戦っていて、5人組で肩を組むところは、らいとダニエルもいい表情でした。
フィナーレの男役群舞もすごくかっこよかったです。
フィリップ / 支配人(愛乃一真さん)
「アルカンシェル・ド・パリ」の歌手
レジスタンスの一員
台詞はほとんどない役なのだけれど、まのっち(愛乃一真さん)のフィリップはとても印象に残っています。
ブログでも前に書いたことがあるのですが、宝塚大劇場で上手の席だったとき、レジスタンスの場面で、まのっちが袖から滑り込んできたとき、すごくかっこよくて
もともと、まのっちは好きな男役さんだったこともあり、気がつくと目で追うようになりました。
まのっちは、動きがキレッキレで、視線が強く、レジスタンスらしさがすごく出ているように思いました。
宝塚大劇場で初見の頃は、『アルカンシェル』のレジスタンス活動が緊迫感がないように感じて(諸々の台詞の影響もあるかと)、「なんだかサークル活動みたい・・・」と思ってしまったことも(ごめんなさい)
今はずいぶん緊迫感が出てきたと思いますが、まのっちフィリップには、最初から、張りつめた雰囲気があったように思います。
第12場の、パリが解放された場面では、投降したドイツ軍にロレーヌ十字の腕章をかざしています。
宝塚大劇場では、たつきくん(龍季澪さん)だけだったように思うのですが、東京では、何人かのレジスタンスがかざすように
ここも力強くていいのですが、わたしが感動したのは、その前の、市民が破ったハーケンクロイツ旗をぺぺに手渡すところ
いつも観られるわけではないのですが、たしか、エドモン(翼杏寿さん)と一緒に渡していたと思います。
その時の笑顔、エドモンと抱き合う様子には、胸が熱くなりました。
劇団では、フィリップは男女ペアのコーラスの一員として歌を担当していることが多いですが、ダンスでも魅力的でした。「ココナッツ・パラディ」ではマラカスを振っていると思います。
まのっちは、ホテル・ポンパドゥールの支配人役もやっていて、こちらは台詞あり。最初はまのっちとわからなかったのですが、お髭がよく似合ってすてきでした。
わたしは、はっきり観ていないのですが「慰問」の場面では、ドイツ国防軍の兵士となっています(プログラムに記載)。国防軍有志の隠し芸大会で、おぶちゃん(海叶あさひさん)の横でフラフープを回しているのでは?という話を見かけたので、オペラで注目してみたのですが、残念ながら、はっきりわからず
でも、いろいろな場面や役での活躍が観られてうれしかったです
また、長くなってしまいました。続きます。