全国ツアー公演『フィレンツェに燃える』『Fashionable Empire』千秋楽の映像を見たとき、ご挨拶するキョンさん(航琉ひびきさん)の後ろで、りりこさん(華雅りりかさん)がすごく愛しそうに、周りの方たちを見ているように思いました。
その数日後、りりこさんは宝塚卒業を発表されました。
わたしは、りりこさんは将来副組長や組長になっていただけるのでは、と期待していたので、ショックでした。
りりこさんは、2008年3月に『ME AND MY GIRL』で初舞台をふんだ94期生で、れいちゃん(柚香光さん)の1学年上。
組配属は星組でしたが、2012年4月に花組に組替えされて以降は、れいちゃんの出演作で印象深い役を演じていらっしゃったイメージがあります。
れいちゃんが初めて新人公演主役を演じた『ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-』では、ヒロイン(相手役)のキャサリン・ムーア/ミナ・デービスでした。
れいちゃんの初めてのバウ主演公演『ノクターン-遠い夏の日の記憶-』では、シャルロッタ、
初の東上公演主演となった2017年『はいからさんが通る』では、ラリサ、
2度目の東上公演主演となった『花より男子』では藤堂静と、
印象的でれいちゃんと関わりの深い役を演じられてきました。
それ以外でも、大劇場公演ではもちろん、別箱公演でもご一緒することが多かったように思います。
れいちゃんのトップスターお披露目公演となった2020年『はいからさんが通る』では、3年前と同じくラリサを演じられました。
金髪に青いマント姿がとても美しかった記憶があります。『宝塚おとめ』の“好きだった役”にもあげていらっしゃいました。
わたしが劇場で拝見した中で印象的だったのは、『元禄バロックロック』のリク。
こちらも“好きだった役”にあげていらっしゃいますが、とても面白く客席にも受けていたように思います。それでいて品位も失わず魅力的でした。
ショーでは、『The Fascination !』での「ラ・ラ・フローラ」のシーン、『Fashionable Empire』のファッションショーのモデルなどが印象に残っています。
他のお芝居でもショーでも、いつもお綺麗でした。どちらかというと上流階級の役が多かったような気がしますし、お似合いだったと思います。
退団公演となった『うたかたの恋』では、エリザベート役。
『Memories of 華雅りりか』で、最後がこの役で本当にうれしかったとおっしゃっていました。
落ち着きのある美しさと皇后としての品位があり、ルドルフへの心情もよく伝わってきました
宝塚生活最後を飾るにふさわしい好演で、本当によかったと思いました。
『ENCHANTEMENT-華麗なる香水-』の、りりこさんは、終始愛に溢れた笑顔を見せていらっしゃったように思います。
プロローグで、ほのかちゃん(聖乃あすかさん)とうららちゃん(春妃うららさん)と3人で銀橋を渡るときも、
アロマティックの場面で、ヴァンセンヌの森の貴婦人として、恋人といるときも、
グルマンの場面で、卒業される4人で、れいちゃんと一緒に踊るときも、
とてもいい笑顔を見せて下さっていました。
宝塚大劇場千秋楽での退団ご挨拶も、『Memories of 華雅りりか』も、心に残る内容でしたし、話される言葉がとても明晰だと思いました。
これまでもスカイステージの番組などで、りりこさんを拝見して、しっかりして頭の良い方だなあと感じていたのですが、さらにその思いを強くしましたし、ご卒業をますます残念に感じたところです。
りりこさん、今まで本当にありがとうございました。
これからの人生も、美しく、実り多いものでありますように。