金曜日、WOWOWで映画『翔んで埼玉』を見ました。

 

原作は魔夜峰央さん。

 

わたしも昔『パタリロ』シリーズを持っていましたが、魔夜峰央さんが宝塚ファンとは知らなかった~(そういえば、パタリロにもベルばらとか出てきたような気がする)

 

この映画でGACKT様が演じる麻実麗は、元宝塚雪組トップスターの麻実れい様がモデルなんですね。

 

魔夜峰央さん、昔、麻実れい様と対談までしていたとは~

 

 

氷室冴子さんのいくつかの小説でもモデルとなっていらっしゃいました。

 

とにかく憧れの的だった麻実れい様。

 

“究極の男役スター” “男役の権化” “殿” 等々、賛美の声は数知れず・・・

 

 

残念ながら、わたしが最初に宝塚にはまった頃はすでに退団されていて、映像でもあまり拝見したことがないのです。

 

 

『はばたけ黄金の翼よ』は一路真輝さんがヒロインなのに興味をひかれて過去映像を見ましたが、当時のわたしには、麻実さんの魅力がわからなかった。

 

 

麻実さんは、歌とかダンスがあまりお得意ではなかったとか書かれたものを目にした覚えがありますが、少なくとも技術的には傑出されてはいなかったと思います。

 

加えて、当時のわたしには、台詞回しがとっても不思議に聞こえました。

 

だから、それほど心惹かれなかったのですが、何かのイベントの映像で見たとき、同時代の他のタカラジェンヌから一際抜きんでたスタイルの良さだと思いました。(今の時代では目立たないかもしれませんが)

 

 

燕尾服が最高に似合い、そのスタイルとオーラで、あれほどの人気を誇ったとか。(賛辞です)

 

 

もちろん、それだけの方ではなかったと思います。

 

退団後の舞台でのご活躍はすばらしいものですし、読売演劇大賞最優秀女優賞をはじめ数々の演技賞も受賞されています。

 

ミュージカルにはほとんど出演されていないそうですが、その点もご自分の特質をよく考えられたのかなと思われます。

 

 

わたしには、昔のトップスターさんで組が充実されていた方は、歌とかダンスとかは得意な方に任せて、自分はドーンと(あるいは麗しく)真ん中に立っている、というイメージがありました。

 

高汐巴さんとかもそんな感じで、花組男役王国の礎を築いたといわれています。(当時大浦みずきさんが二番手で、安寿ミラさん・真矢みきさんが若手でいた。)

 

 

何にもしないで真ん中にいるって、勇気がいることだと思います。

 

トップスターに自信と余裕があって、初めてできることではないかと思いますが、そうすることで、組子ものびのびと自分の得意分野で輝けることがあるのではないかと思います。

 

 

“立ってるだけでトップスター”が今の時代に成立するかどうかわかりませんが、うまく作用すれば、組全体の魅力が増すのではないかと思います。

 

 

十数年前、宝塚歌劇団は、いまだに麻実れい様を求めているようでした。

 

下級生の頃“第二の麻実れい”と呼ばれた方が、何人かいらっしゃるかと思います。(天海祐希さんもその一人)

 

 

わたしは、その頃は、男役の立ち姿の美しさなどより、お芝居や歌やダンスのうまさの方を大事にすべきだと思っていました。(というか、そうでなくてはならないという思い込みがあったような)

 

 

ところが、宝塚に復帰して思うのは、宝塚における美しさの大事さです。

 

そこに存在してくれるだけでいいと思わせる美しさ。

 

そして、宝塚でしか見ることのできない美しさ。

 

 

わたしが柚香光さんを知ったのは、偶然、ネットで “ビジュアル・モンスター”という言葉を見かけて興味を持ったからです。(書いて下さった方ありがとうございます。)

 

 

それから、スカイステージで公演の映像を見るようになり、気がつけば、柚香光さんを探しているようになり・・・いつのまにか虜に

 

 

あるとき、れいちゃん(柚香光さん)が “宝塚に似ている人がいない”と言われているのを見て、ふと、麻実れい様を思い浮かべました。

 

麻実れい様のファンには怒られるかもしれないし、お顔が似ているかと言えばそれほど似ていないような・・・

 

 

ただ、その抜群のスタイル(背はそれほど高くありませんが)、印象的な目、そして、その華やかな存在感などが、麻実れい様を思わせたのではないかと思います。

 

念のため言うと、れいちゃんに “第二の麻実れい” になってほしいわけではありません。

 

れいちゃんには、どんなときでも “柚香光” であってほしい。

 

 

れいちゃんは魅力的なダンサーですし、繊細なお芝居もお上手だと思います。

 

ただ、れいちゃんの持っている、立っているだけで絵になる美しさも、さらに磨いていってほしいと思います。

 

“男役の美”を具現できる方だと思っていますから。