その日オレは好調だった


以前から目を付けていたステージ癖の良い台が、ワープと命釘を開けられて


期待値で4万円を超える優良台になっていた


すかさず朝イチで台を抑えて打ち出すと、100回も回さないウチに確変の初当たりを引いて、いきなり7連


早い時間に持ち玉になる日は気分的にラク


その後も出入りはあるものの、順調に当たりを重ね



午後8時にはハコで18ハコ、浮きは10万を超えていた




期待値の2倍以上を叩き出しているとなれば



これはもう閉店時間までひたすら打って、1回転でも多く回しておかねば



と、いう展開なのだ



こういう時のプロは、ハコを積んでいるにも係わらず

内心は大して嬉しくもない



もはや義務感だけでハンドルに手を添えて
半ば無意識に、ストロークを調整したり、保留止めやステージ止めを繰り返している


もとより液晶画面なんて見ちゃいないのだ



考えているのは、早く終わって酒飲みたいな~とか


口説いてる最中のキャバ嬢のコトとか



ま その辺りは、会社勤めの人達が、午後4時くらいにオフィスで考えているコトと変わらない



その日、オレが考えていたのは



明後日の競馬のコトだった



(この章続く)


プロとしてパチンコ打ってると


夜の8時前後が一番キツい時間帯だ



出てなきゃ残り時間を考えて焦りもするし


ハコ積んでりゃ、それはそれで、打ち続けるのが面倒くさくて仕方ない



だが、パチンコというゲームでトータル収支をプラスにするためには


持ち玉を打ち込むコトは必須条件なので、時間の許す限りせっせと打たなきゃならない



時計を見た時


あと2時間しかない、
と 焦ったり

あと2時間も打たなきゃいけないのか

と ウンザリするのが、午後8時くらいというワケだ


(この章続く)


ギャンブルで食っている



と、聞けば



無為徒食


ノーテンキで、気ままな暮らしぶりを想像するだろうけど



現実は、意外に?忙しく規則正しい



特にパチンコでシノいでいると、リーマン並みの時間管理が必要になる



少しでも時給の高い台を確保するためには

ホールの開店前に並ぶ必要があるし


時給計算で3,000円が見込める台でも、1日に10時間以上は打たなきゃ
月間収支の収束は覚束ない



と、なると


朝は8時に家を出て、夜は10時頃まで打っているコトになる


それを、土日祝日以外 毎日だ



家に帰っても、ネットでイベント情報を検索したり


オレの場合は

さらに、週末の競馬も気にしてなきゃならない



結果、遊び人なのに遊ぶ暇が無い

という


パラドックス?に陥るワケだ



その上、勝負事の常で
フツーに負けるし

保証はナシ

保険もナシ


もちろん、退職金や失業保険もナシ



ナイナイ尽くしの上、病気やケガ

アゴ足自分持ちとくれば



何を好き好んで…と


自分のM気質を疑いたくなってくる



だったら、どうしてやってるのか?



……………






成り行きだな



(この章オワリ 次から新展開)