3.朝の光
中央線に射し込む光の色は、赤だ。
私の目のフィルターを通し体感できる色。もちろん、赤色が具象として視界を覆うことではない。あくまでも体感としての色。
それが、私に対してとても優しいと思う。
包み込むような、それでいて、突き放されるような。人間が少ない、朝の通勤ラッシュを一先ず乗り越えた中央線の安息の嘆息のようで、私もつい心を許してしまう。
暖かい陽射しも相まって、私はだんだんと微睡みに纏われていく。
いつも、こうやって安らかで居られたら。多分誰も傷付けない。誰のこころも乱さない。私はさしずめ孤島の水溜まりになる、風すらも吹かず、水面は静寂を保って。
たまに雨がふり、少しずつ嵩を増す。
そうしていつか目の前に広がる海の一部になって、少しでも陸地に地を這わせた葦は蒸発して消えるのだ。
傷付く分には構わない。それで誰かが傷付かなければ。
ハッと目を覚ますのは人間の声だった。
私は水溜まりでなく人間である事実を突きつけられる。声が強迫する。空っぽの頭の響いては、言葉が脳を侵食する。う、と顔を歪めてしまった。
光の赤に混じり込む雑音の色は暗い。あっという間に、光は冬の寒空の色に変わってしまった。
晴れている分、良いのだけど。
多分雨より晴れが好きな人が多いでしょうから。
仮令私が蒸発してしまおうとも、晴れを願うことはいとわない。
そんなの、私が、晴れが好きだからね。
傷つけるより傷つくほうが良くっても、自分が喜びを感じることは形振り構わず、というのが、人間くさくて水溜まりなんてやってられないのだけど。私はどうやっても人間なのだ。
そうやって現実に引き戻す、横浜線の光は黄色くて、私に少し冷たい。
中央線に射し込む光の色は、赤だ。
私の目のフィルターを通し体感できる色。もちろん、赤色が具象として視界を覆うことではない。あくまでも体感としての色。
それが、私に対してとても優しいと思う。
包み込むような、それでいて、突き放されるような。人間が少ない、朝の通勤ラッシュを一先ず乗り越えた中央線の安息の嘆息のようで、私もつい心を許してしまう。
暖かい陽射しも相まって、私はだんだんと微睡みに纏われていく。
いつも、こうやって安らかで居られたら。多分誰も傷付けない。誰のこころも乱さない。私はさしずめ孤島の水溜まりになる、風すらも吹かず、水面は静寂を保って。
たまに雨がふり、少しずつ嵩を増す。
そうしていつか目の前に広がる海の一部になって、少しでも陸地に地を這わせた葦は蒸発して消えるのだ。
傷付く分には構わない。それで誰かが傷付かなければ。
ハッと目を覚ますのは人間の声だった。
私は水溜まりでなく人間である事実を突きつけられる。声が強迫する。空っぽの頭の響いては、言葉が脳を侵食する。う、と顔を歪めてしまった。
光の赤に混じり込む雑音の色は暗い。あっという間に、光は冬の寒空の色に変わってしまった。
晴れている分、良いのだけど。
多分雨より晴れが好きな人が多いでしょうから。
仮令私が蒸発してしまおうとも、晴れを願うことはいとわない。
そんなの、私が、晴れが好きだからね。
傷つけるより傷つくほうが良くっても、自分が喜びを感じることは形振り構わず、というのが、人間くさくて水溜まりなんてやってられないのだけど。私はどうやっても人間なのだ。
そうやって現実に引き戻す、横浜線の光は黄色くて、私に少し冷たい。