ごきげんよう。栗毛馬です。

 

本が好きなので書店も好きです。

以前書いた銀座の教文館はとても好きな書店のひとつですが、日本橋の丸善も好きです。

 

あそこって、いるだけで賢くなったような気分になれませんか?

 

とりわけ好きなのが、1階の「話題の本&店舗推し本(←たぶん)」コーナー。

ビジネス書を中心に、見ごたえのある書籍がずらり。

 

小難し気な顔などをしてうろついていると、あたかも知的な民の一員となったかのようでときめきます。

 

そういう素敵な感じの書店に、うちの老婦人と出かけた時のことです。

 

「ちょっとちょっとちょっと見て!素敵なお帽子!」

 

興奮気味の小声で、肘でぐいぐいとわき腹をえぐって来るので視線の先に目を遣ると、いらしたのは、小柄な老婦人。うつむいて、熱心に本を探していらっしゃる。

 

 

あら、本当だ。

素敵な麦わら帽子。

おや、リボンにロゴが…。どこのだろう?

 

「クリスチャンディオールだよ!素敵に決まってるじゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

おおお〜、なんというおしゃれさんでしょう。

 

トップスは、凝ったデザインの白のブラウス。

首元にしているのは…

「!!」

見たことのある、花のモチーフ。

 

あれは、エルメス好きの皆様が大好きな、ヴァンクリーフアーペルとかいうやつではなかろうか?

 

 

 

しかも、花がいっぱいついてるやつ。

これはすごい。

 

 

 

 

 

私は老婦人にささやきました。

 

「猛烈にお金持ちの方だよ!あのネックレス、ものすごく高いやつだよたぶん!」

「えっ、そうなの?いくら?」

「知らないよ、無縁すぎて興味ないもん。最低50万、下手したら100万とかじゃない?」

「えっ そんなに?凄いのね!」

「滅多なことでは見られないよ…眼福、眼福。 南~無~」

「そんなことより、お腹が空いたわ。早く何か食べに行きましょう」

 相変わらず、装身具に興味が薄い老婦人です。

 

書店を出て歩きながら、ふと思いました。

そういえば、バッグは何をお持ちだったろう?

 

「バッグはなんだった?首ばっかり見てたから覚えてない。エルメス?」

老婦人に聞くと、

「多分グッチよ。竹だったもの」

とのことでした。

 

個人的には…ケリーピクニックがお似合いになりそう!

 

 

 

 

 

ちなみに…。

ヴァンクリーフアーペルに関する知識が皆無なので確かなことはわかりませんが、あとで公式サイトを見たら、100万どころではなく、250万か、ひょっとすると1000万近いものだった可能性もあると知りました(素材や花の数によって大幅に変わるようです)。

 

もっとよく見てくればよかった!