ごきげんよう。栗毛馬です。
上野に行ったついでに、桃林堂で桜もちを買い求めました。
都美術館から音楽堂へ向かう道の途中、遠くから望む門が好きです。
桃林堂は、藝大美術館の前を通り過ぎて少し進んだところにあります。
実に風情ある店構えです。
それとわからぬくらい、うっすらと上品に色づけられた、関西風の桜もち。
春の柔らかな日差しを取り込んでほのかに透き通り、綺麗です。
桜の葉の香りは控えめ。
たっぷりのあんこはこしあん。みずっぽすぎず、もそもそせず、絶妙の練り加減です。
穏やかな春の味。
ただ…。
「なんだか、もちがかたいわねぇ…。この程度だったっけ?」
老婦人がぼやいた通り、ちょっと固い…というか、若干ポロポロ感がありました。
そうね、昔食べたときはもっとずっとおいしかったような気もする。
呆然とするほどに…。
自分が和菓子を好きになるきっかけになったのが、この桃林堂の桜もちでした。
ま、味の記憶って都合がいいように美化改変されがちですから。
もちが、米に戻っている感じ。道明寺粉の戻しと加熱が甘かったか、作ってから時間が経っているか…。
午前中に買い、すぐに帰って食べたので、食べるタイミングに落ち度はなかったと思います。
おいしいけど、こんなもんじゃないよね、本当は?ちょっと残念さが残ったのは否めません。
それでも、道明寺特有のえぐさがないこと、あんを包むもちの驚くほどの薄さ、繊細さはさすがでした。
今回はこのような結果でしたが、手作りですからそういう日もあるかと。
桃林堂といえば、何と言っても生水羊羹(抹茶)。
夏季限定のこの品は、天上の…と表現して過言ではないおいしさです。