ごきげんよう。栗毛馬です。
2024年の干支は、辰。
それにちなんで、今日はエルメスの龍の話を。
随分前のこと。私はエルメス店舗でカレを見せてもらっていました。
応対してくださったのは、若い男の店員さん。
本来はカレの担当ではないけれど、応援要請に応えていらしたのだそう。
当然不慣れで、どこに何があるか把握していらっしゃらない様子。
あっちの引き出しをピッ、こっちの引き出しをピッ。
手当たり次第に開けては閉め、一生懸命対応してくださいました。
すみません、出てないのをお願いしてしまって…。
なんだか申し訳ないなあと若干所在ない思いでおりましたが、せわしなく動き回る店員さんのネクタイにふと目に留まりました。
あら、刺繍がしてある。
ブルーの地に、同系色の糸。手仕事に違いないバックステッチで描かれているのは…ドラゴン?
思わず、話しかけました。
「ネクタイ、刺繍がしてあるのですね。素敵ですね!」
すると店員さん、顔をほころばせ、おっしゃいました。
「そうなんです!ありがとうございます」
たしなむ程度ですが、私も刺繍を楽しんだ経験がありますので、バックステッチの奥深さはそれなりに知っているつもりです。
シンプルですが、几帳面さと細やかさ、糸と布への配慮が必要で、うまい下手がはっきり表れるステッチ。
単純に目を細かくすればいいというものでもなく、生き生きとした表現には絵心とセンスが求められる…。
よく見えるように持ち上げてくださったネクタイは、さすがの出来栄え。
「ドラゴンですか、珍しいですね」
「はい、数年前にエルメスでドラゴンがテーマだったことがありまして…。そのときのものです」
今のものではないのですが…と、はにかみながらおっしゃる様子が印象的でした。
昨日のシェーヌダンク龍やファランドー龍よりもさらに辰らしいアイテムがありました。
↓デスト龍ィエ・シェーヌダンク龍