ごきげんよう。栗毛馬です。
昨日の記事の続きです。
別にもったいつけることもない、ろくでもない話なのに引っ張ってすみません。
文章を書き終え、画像を挿入しようとして、私は「アレ?」と思いました。
「ハー…ダンガー刺繍?」
ちょっと待て。
私、ずっと「ハーガンダー」って言ってきたし、ブログにもそう書いちゃったぞ。
それはもちろん老婦人が「ハーガンダー」と言っていたから。
それがまさかの『ハーダンガー』だったなんて!恥!
ろ、ろ、老婦人め~!!
いや、待てよ。
私は呼吸を整えました。
老婦人は正しく「ハーダンガー」と言ったけど、自分が勝手に覚え間違えたのかもしれないではないか。
まずは確認だ!
チクチクしている老婦人の元に突撃し、
「ねえ!今やってるその刺繍…、何て名前だっけ?」
さも何気ないような体を装って聞くと、老婦人、「は?」という顔をして老眼鏡をずり下げ、
「ハーガンダー刺繍だけど?」
ブッブーーーー!
× ハーガンダー刺繍
◎ ハーダンガー刺繍
ほら、やっぱり!
教えられた名称がそもそも違うんだもん、どうしようもないではないですか…。
だって、名称のファクトチェックなんて、する?
「……!」
私は下を向いて笑いをこらえながら表紙を老婦人に突きつけましたが、
「?」
老婦人、怪訝な顔をするばかり。
そりゃ、気づかないよねぇ。
さらににじり寄って、
「ハー…ダンガー」
ぼそっとつぶやくと、やっと理解したらしい老婦人、
「え、私、何て言った?ハーガンダー?え?ハーダンガー?嘘!」
ゲラゲラ笑い始めました。
私は訴えました。
「ちょっと、どうしてくれるのよ!ブログに書いちゃったんだよ、『これはノルウェー発祥のハーガンダー刺繍です』って偉そうに!」
老婦人、お腹を抱えてヒーヒー言っています。
私はさらに言い募りました。
「そういえばおかしいと思ったんだよ…本の紹介を貼り付けようと思って検索しても、全然ヒットしないんだもん。一字違いで大違いだよ!」
二つに折れ曲がって細かく震えていた老婦人、体を起こして、
「どうしよう、AさんやBさんに『ハーガンダー刺繍やってます』って言っちゃった!
でもAさんはキットを買って、自分で始めてるよ!だからどっちでもいいんだよ!」
適当なことを言い始めました。
ぺっ!
どっちでもいいわけないでしょ!
意味が全くわかりません。
ちなみにAさんとは、やはりご近所の、賢くて落ち着いた方です。
想像するに、調べる過程で老婦人のインチキ情報に気づき、正しい名称で検索して無事キットの発見に至ったものの、聡明で控えめな方なので、間違いの指摘はしなかったのでしょう(言いにくいだろうけど指摘してくれた方が親切!)。
私はため息をつきました。
「きっとあれだよね、『ハーゲンダッツ』に引っ張られて『ハーガンダー』って覚えちゃったんじゃない?ハーゲンダッ、ハーゲンダー、ハーガンダ…似てるもんね!
まったく、なんて食いしん坊なんだろう。本当に困る!
まあ、思い込んじゃったもんは仕方ないよね。ブログは訂正しておくよ…アホ記事で一件書けて助かるよ」
ぼやくと、老婦人め、
「話題提供代!」
と言ってドヤ顔で手を突き出してきたから、
「シュッ!」
威嚇して断りました。