ごきげんよう。少し前、急にケリーが欲しくなった栗毛馬です。

 

 

 

 

先日、二次流通店に、ケリーを見に行きました。

 

目的は、次のとおり。

 

  • サイズ感の確認
  • 内縫いと外縫いの比較
  • 似合うかどうか(「全然似合わない!」となることを期待)
  • 重量の確認(「こんなに重たいの持てるか!」という反応を期待)
  • 使い勝手の確認(「こんなに面倒くさいの、絶対無理!」との感想を期待)

 

最初の2つは、ケリーへの好奇心を満たすため。

後の3つは、「ケリーを持つのは、自分には無理である」とはっきりわからせるため。

 

ケリー欲しい病を根本から絶とうという魂胆です。効果は絶大なはずです。

重いバッグは、物理的に本当に無理なので。

 

数日前に美容院でカットしたばかりの整った頭で、いちばんいい服を着て、滅多に付けないマスカラを塗り付けたりもした上で二次流通店にお邪魔しました。

 

驚くなかれ。これまではいつだって空いていた店舗に、先客が4組も!

しかも全員、外国の方です。

店内を飛び交う早口の英語。

ここは日本なのに、アウェー感が半端ない。

 

巨大な袋を持って立ち去るのを見送り、やっと手の空いた店員さんをつかまえて、ケリーを見せていただくことは可能ですかとおうかがいしました。

 

絶対に買えない、ものすごい金額が表示されていたので、断られるかもしれないと危惧しましたが、嫌な顔ひとつせず、ショーケースから出してくださいました。ありがたや。

 

見せていただいたのは、次の2点です。

  • 28cm内縫い トゴ ベーシックカラー
  • 25cm外縫い エプソン ベーシックカラー

まずは、28cm内縫い。

 

ものすごく神々しくて気位が高く、強烈な特別感と威圧感を放つバッグを想像していましたが…、いい意味で、裏切られました。

 

凛とした気品。それとともに感じたのはあたたかさと包容力。意外なほど、地味で穏やかな気配でした。

正直、拍子抜け。ケリーって、もっと怖いものなど思っていました。

 

初めて触れるケリー(手袋越しですが)!

 

感激と畏れ多さで手が震えたりするのかと思いましたが、そんなこともなかったです。割と普通の精神状態をキープしたまま、あっさりと持たせていただきました。

 

 

図々しいとか勘違いとか身の程知らずとか現実が見えてないとか言われることを百も承知で書いてしまいますが、どういうわけか、自分にとてもしっくりなじむようでした。

内縫い先生は、優しい。

 

あら…。私、ケリー持ってもおかしくないや。

こんなこと夢にも思わなかったけど、違和感なく、持ちこなせてるじゃない?

 

心配していた重量も、さほどではなく、頑張れば持ててしまう程度の重さではないですか。

 

ふたの開閉も、なんだ、結構大丈夫そうじゃない?

大きさも、ちょうどいい。素敵だな…。

 

困ります。予定では、

「全然似合わない!これじゃケリーがかわいそう」

「重すぎる!これじゃ私がかわいそう」

「面倒くさすぎる!これじゃ使わなくなって、バッグも買った自分もかわいそう」

となって、潔くすっぱりと諦めるはずだったのに。

 

「カジュアルからフォーマルまで幅広いシチュエーションで活用でき、使い手を選ばない懐の深さと包容力を併せ持つ、超素敵なバッグ」

と、身を以て知ってしまった。

これでは、欲しい気持ちに拍車がかかる一方ではありませんか。

 

高飛車でもよそよそしくもなく、意外と親しみやすい貌を持つケリー。

その分、威圧的な気配はなくて、だからウン百万円の品物とはとても思えない。

 

直営店で、定価なら、出しますよ?ケリーには、それだけの価値があるもの。

でも、それの3倍とかになると、ねぇ…。

さすがにそこまでの価値はないと思うのよ。

出せるものなら出したいけれど。

しかも、真贋も不明だし。

もしかして、本物じゃないから自分にも似合うんじゃない?

 

それでも、何秒かは考えてしまいましたよ。

買ってしまおうか、と。

ケリーのある生活を夢想しました。そして、空っぽの預金通帳も。

 

ケリー欲しい病の治癒目的で来たのに、さらに重症化させてどうする。

計算違いも甚だしいですが、仕方ない。

 

買えもしないくせに見るだけ見て、店員さんには本当に申し訳なかったのですが、お礼を言って帰ってきました。

 

試し持ち用の手袋(薄手のゴム製)を取ったら、手汗がひどくてびっくりしました。

 

私の掌は季節を問わず乾燥がひどいです。

スーパーではビニール袋めくりに苦労します。

イライラして頭からは湯気が出ているのに指先はカラカラで、やってもやってもめくれやしない。牛乳などの汗をかいているものに触って湿り気を得て、やっと袋の口を開くことができます。

 

そんな手なのに、手汗!

冷静なつもりでいたけど、実はすごく緊張して興奮もしていたのだなと気づかされました。

 

ちなみに、25cm外縫いは、とても素敵でしたけれども私には小さすぎて似合いませんでした。かわいらしすぎてしまうのです。

内縫いだともっと小さく感じるそうなので、25cmは検討対象から外すことにしました。

 

というわけで、買うならば 28cm内縫い一択 と決定しました(買えないくせに)。

 

買えないけれど、ケリーを持ち、我が身に合わせるなんて、夢のような時間でした。

二次流通店様に感謝です。

 

今回は完全なるひやかしでしたが、何度か高ーい金額でお買い物してますから、許してください。