ルノワール誕生日(2月25日)黒は色彩の女王 | 西洋美術の楽しみ方_ルーブルの魔女からの伝言

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2月25日は、

フランスの画家・ルノワールの誕生日。

 

 

仮に存命なら 180回目のバースデーです。

 

 

 

 

Pierre-Auguste Renoir

ピエール=オーギュスト・ルノワール

 

1841/2/25 〜 1919/12/3

 

 

 

 

 

「黒は色彩の女王」

 

 

 

 

1841年、フランス中部の都市リモージュに生まれ、

 

幼い頃(3歳)に一家でパリに移ります。

 

 

 

 

13歳で、陶磁器の絵付け職人の

 

見習いになりました。

 

 

 

 

早くから才能を見せ

 

「ルーベンスのようだ!」

 

と賞賛されたと言います。

 

 

 

 

 

陶器のほか、扇子や、ロココ調の家具の装飾など

 

職人の仕事に、誇りをもって取り組みます。

 

 

 

 

 

しかし、ルノワールが独り立ちできるように

 

なった頃には、機械化が進んだことで、

 

 

絵付け職人としての仕事は断念し、

 

本格的に絵画の道に進みます。

 

 

 

 

 

 

 

当時において、革新的だった

 

「筆触分割」という印象主義を支えた

 

技法を使いながらも、

 

 

 

 

ルノワールの人物像には、

 

どことなく古風で、伝統的ともいえる

 

落ち着いた要素が感じられるのは

 

 

 

 

絵付け見習い時代に培われた

 

気質が関わっているという指摘があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「劇場にて〜桟敷席」1874年 

 

所蔵:コートルドギャラリー(ロンドン)

 

 

 

 

 

 

この作品「桟敷席にて」は、

 

「第一回印象派展」に出品された作品の一つです。

 

 

 

 

 

女性の服に見られる、

 

はっきりとした黒のラインが目を引き、

 

 

 

彼女の肌の白さと、赤い唇、胸元の花を

 

相対的に引き立てます。

 

 

 

 

 

 

 

 

印象派の画家たちは、実は、

 

基本的に「黒」を使いません。

 

 

 

これは、「筆触分割」の考え方と

 

つながるのですが...

 

 

 

 

 

 

本来とても長い話ですが

 

ごく簡単に、1行で言うなら...

 

 

 

光を分解した色に黒は含まれないから

 

というのが理由です。

 

 

 

 

 

 

けれども、ルノワールは、

 

「黒は色彩の女王だ」と語り、

 

本作に限らず、黒を多用しました。

 

 

 

 

 

色は、光を表現するためだけの

 

手段ではなく、

 

 

 

 

色そのものが豊かな主張を

 

持っているという

 

ルノワールの思想の現れです。

 

 

 

 

 

 

 

 

印象派展に参加した画家を

 

「印象主義」と称しますが、

 

 

 

個人の画業を細かく見ていくと、

 

考え方は全員違います。

 

 

 

 

 

 

 

 

つねに人物を描きたかった

 

ルノワールにとって、

 

 

 

印象主義の技法(描き方)は

 

本質的に相入れない部分も大きく、

 

 

 

画業は時に、苦難を伴いました。

 

 

 

 

 

 

 

そのためルノワールの作風は、

 

苦悩の結果、何度か変わるのですが、

 

 

 

 

苦難の途中にあっても常に、

 

 

 

自分自身の理想を忘れることなく、

 

 

 

世界への愛と尊敬のともに

 

豊潤な世界観を作り上げています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、それ故だろうと感じるのですが、

 

ルノワールの作品は

 

今も、ものすごく愛されてます。

 

 

 

 

 

ルノワールお誕生日おめでとうございます!!

 

 

 

 

 

 

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西洋美術史講師:内田ユミ

 

 

 

 

 

 

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