今日(6月8日)は
ジョン・エヴァレット・ミレイの誕生日。
John Everett Millais(1829〜1896)
19世紀半ば、イギリスの美術運動「ラファエル前派」の
中心人物の一人。
イングランド南部、ササンプトンで生まれました。
もし生きていたら、189回目のバースデーです。
今日の一枚は、シェイクスピアの歌劇「ハムレット」の
一場面を描いた「オフィーリア」です。
オフィーリアを題材にした作品は、
他の画家の作品でも
西洋美術史上に たくさんあるのですが、
現代では、「オフィーリア」といえば、
なんといっても ミレイのこの作品ですし、
ミレイといえば、「オフィーリアを描いた人」という
認識になっていると言ってよいでしょう...。
作者名と一致せずとも、この絵を知っているという人、
この絵が好き♡という人は、
多くいらっしゃるように思います。
一目見て感じる、不自然さ。
美しいのに、不吉な感じ。
胸騒ぎ。
何かしらの、異常事態であることを感じさせます。
ハムレットに父を殺害されたオフィーリアは、
精神の均衡を崩し、川に落ち、
今まさに、亡くなっていくところ。
魂の抜けたような彼女の表情や仕草と、
生き生きと生い茂る草木は、
生死という境目で、対を成しています。
摘み取られた花で編まれた冠や、
少しつづ、しかし確実に流れていく川の水は、
絶えゆく彼女の命と重なります。
「ラファエル前派」は、
イギリスの美術史全体を代表するくらいの
位置にありますが、
活動していた期間は、あまりにも短い。
(パリにおける印象派より短いです)
創設から解体までの経緯に、
ミレイは深くかかわっています。
若くして散ったオフィーリアのごとく、
華やかなイメージを 後の世まで鮮烈に残し、
ラファエル前派は、
画壇を駆け抜けていきました。
ミレイ、お誕生日おめでとうございます!!
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内田ユミ
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