ギリシア神話には、いわゆる「聖典」はありませんが、
文字としてまとめた人物がいます。
詩人「ホメロス」です。
紀元前8世紀頃、ホメロスは、
それまで各地で長い期間にわたって形成され
口伝えに広まっていた伝承をもとに、
自らの才能による、詩的・文学的要素を加味して再構築し、
叙事詩の形で伝えました。
さらに、ホメロスに続いて、「ヘシオドス」が、
神々の系譜(誰々の子が誰で〜などの関係)を体系化します。
「ギリシア神話に 教祖はいない」と 前回の記事 で書きましたが、
事実上は、この二人の詩人が、
教祖のような立場としてとらえられています。
長期間、広範囲で、あいまいに受け継がれてきた伝承を
ホメロスとヘシオドスという詩人が、
文字として残したことにより、
ギリシア神話は、後々の世まで
その輪郭を明確に残すことができました。
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ホメロスとヘシオドスは、ギリシア人にとって、
宗教に関する権威とされていた。
いや彼らは、ほとんど宗教の創始者といってよく、
少なくとも神々の世界の整理者、解釈者であった
神話学者:カール・ケレーニイ「神話と古代宗教」
ー引用:ギリシア神話[神々の世界]ー
「へシオドスとミューズ」
ギュスターヴ・モロー作(オルセー美術館所蔵)
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