皆さんこんにちは。マーサーの渡邉格史(わたなべまさし)です。
ブログをご覧いただきありがとうございます。本ブログでは、私が日本代表を務める、マーサーのインフォメーション・ソリューションという部門で扱っている、報酬、福利厚生、駐在員等の人事関連データを使った考察や、日々のプロジェクトから感じる事、兼務している、アジア・アフリカ・中東・トルコ地域のリージョンリーダーとしてのリーダーシップ日記を中心に情報発信をしていければと思っています。
さて、今回は『アベノミクスと給料』というお題でお話をしてみたいと思います。
アベノミクスのすべりだしが好調のように見えます。円安で、企業業績好転の報道がちらほらと聞かれるようになり、株高もあってか、低迷していた百貨店売上が、3ヶ月連続で前年同月比プラスとなり、特に、貴金属、宝飾などの高額商材の販売が好調だとの事です。円安は一時的、株高は米国の株高に引っ張られているだけ、という冷めた見方もありますが、国民の景気回復への期待は、日に日に高まってきているのも事実でしょう。
テレビの街頭インタビューで景気について聞いた時に必ず出てくる答えが、『我々庶民の給料はあがっていない』という返事です。現状ではそれが実態でしょう。それでは我々庶民の給料は、アベノミクスによって、『いつ?』、『どの位?』あがるのでしょうか?
給料が上がるタイミングはいくつかありますが、世の中の景気が一番反映されるのが、定時昇給ではないでしょうか。その他にも、昇格昇給やボーナスなど、給料の上がるタイミングはありますが、これは景気というよりは、個人や会社の業績に負うところが多いものになりますので、やはり、報酬の側面で、広く庶民も含めて景気が反映されるのは、定時昇給という事になろうかと思います。だとすると、『いつ?』という問いの一つの答えは次の定時昇給、という事になります。日本の場合は、4月昇給の企業が圧倒的に多いので、多くの皆さんにとって、来年の4月というのが『いつ?』の答えでしょう。
では、『どの位?』という問いへの答えはどうでしょうか?
答えに入る前に、定時昇給がどのように決まるかを簡単にお話したいと思います。人事の皆さんは良く知っている事ですが、昇給率決定の3要素というものがあります。それは、『消費者物価指数(CPI)』、『GDP成長率(GDP)』、『失業率』の3要素です。
CPIについては言わずもがな、インフレーションにより通貨価値が下がれば、インフレーション分は給与を上げないと実質給与が下がっている事になってしまいます。ですので、昇給率を決定する上で、CPIは最も重要な指標になります。
GDPについては、まさに国の景気を表す指標です。簡単に言うと、国内での生産活動が前年比でどれだけ伸びたか、という指標です。生産と消費は表裏一体ですので、この成長率が大きければ大きい程、ものが売れている、景気が良くなってきている、という事になります。景気が良くなっている、という事は企業業績も良くなっているはずですので、給料を上げる余地も出てきている、という事になります。例えば自社の業績がGDPと比べて良くなかったとしても、一定程度、世の中の景気状況を考慮した昇給をしないと、人材獲得競争に遅れを取る、という可能性が出てきます。
失業率は、労働力の需給バランスを表す指標です。簡単に言えば、人材が余っているのか、足りないのかを表しています。ケインズではないですが、人材が余っていれば給与は下がり、足りなければ給与は上がる、という事です。例えば、中国の人材マーケットなどは、英語がしゃべれる人材については、需要に対して供給が追いつかない状況で、CPIやGDPを遥かに越える昇給をしないと人材が維持出来なくなっています。ですので、人材の需給バランスを考慮する、という事も、昇給率決定には重要な要素となります。
では、アベノミクスによって、昇給率決定の3要素はどう影響を受けるのでしょう?
ご承知のように、アベノミクスの要諦は、3本の矢で例えられる、『金融政策』、『財政政策』、『産業政策』の3つの政策です。アベノミクスの金融政策の要は、日銀によるインフレターゲットの設定でしょう。この部分は直球でCPIに影響します。財政政策の要は、国土強靭化計画に代表される、機動的な財政出動です。財政出動は公共事業を生み、この部分はGDPに影響を与えます。そして最後の産業政策の要は、民間投資を喚起する成長戦略です。規制緩和などにより、民間企業が投資を増やし、より多くの人を雇用するようになれば、失業率への影響は大きいはずです。
こう整理すると、アベノミクスは見事に昇給決定の3要素を網羅した、正に給料を上げる為の政策である、という事が言えるのではないでしょうか?
そろそろ紙面の限界が来てしまいました。この続きは又、次回にさせていただきます。次回は、我々が持っているデータを使いながら、昇給率について、『どの位?』という問いに対しての考察をしていきたいと思います。
ブログを最後までお読みいただきありがとうございました。
又、次回もお読みいただければ幸いです。
渡邉拝
ブログをご覧いただきありがとうございます。本ブログでは、私が日本代表を務める、マーサーのインフォメーション・ソリューションという部門で扱っている、報酬、福利厚生、駐在員等の人事関連データを使った考察や、日々のプロジェクトから感じる事、兼務している、アジア・アフリカ・中東・トルコ地域のリージョンリーダーとしてのリーダーシップ日記を中心に情報発信をしていければと思っています。
さて、今回は『アベノミクスと給料』というお題でお話をしてみたいと思います。
アベノミクスのすべりだしが好調のように見えます。円安で、企業業績好転の報道がちらほらと聞かれるようになり、株高もあってか、低迷していた百貨店売上が、3ヶ月連続で前年同月比プラスとなり、特に、貴金属、宝飾などの高額商材の販売が好調だとの事です。円安は一時的、株高は米国の株高に引っ張られているだけ、という冷めた見方もありますが、国民の景気回復への期待は、日に日に高まってきているのも事実でしょう。
テレビの街頭インタビューで景気について聞いた時に必ず出てくる答えが、『我々庶民の給料はあがっていない』という返事です。現状ではそれが実態でしょう。それでは我々庶民の給料は、アベノミクスによって、『いつ?』、『どの位?』あがるのでしょうか?
給料が上がるタイミングはいくつかありますが、世の中の景気が一番反映されるのが、定時昇給ではないでしょうか。その他にも、昇格昇給やボーナスなど、給料の上がるタイミングはありますが、これは景気というよりは、個人や会社の業績に負うところが多いものになりますので、やはり、報酬の側面で、広く庶民も含めて景気が反映されるのは、定時昇給という事になろうかと思います。だとすると、『いつ?』という問いの一つの答えは次の定時昇給、という事になります。日本の場合は、4月昇給の企業が圧倒的に多いので、多くの皆さんにとって、来年の4月というのが『いつ?』の答えでしょう。
では、『どの位?』という問いへの答えはどうでしょうか?
答えに入る前に、定時昇給がどのように決まるかを簡単にお話したいと思います。人事の皆さんは良く知っている事ですが、昇給率決定の3要素というものがあります。それは、『消費者物価指数(CPI)』、『GDP成長率(GDP)』、『失業率』の3要素です。
CPIについては言わずもがな、インフレーションにより通貨価値が下がれば、インフレーション分は給与を上げないと実質給与が下がっている事になってしまいます。ですので、昇給率を決定する上で、CPIは最も重要な指標になります。
GDPについては、まさに国の景気を表す指標です。簡単に言うと、国内での生産活動が前年比でどれだけ伸びたか、という指標です。生産と消費は表裏一体ですので、この成長率が大きければ大きい程、ものが売れている、景気が良くなってきている、という事になります。景気が良くなっている、という事は企業業績も良くなっているはずですので、給料を上げる余地も出てきている、という事になります。例えば自社の業績がGDPと比べて良くなかったとしても、一定程度、世の中の景気状況を考慮した昇給をしないと、人材獲得競争に遅れを取る、という可能性が出てきます。
失業率は、労働力の需給バランスを表す指標です。簡単に言えば、人材が余っているのか、足りないのかを表しています。ケインズではないですが、人材が余っていれば給与は下がり、足りなければ給与は上がる、という事です。例えば、中国の人材マーケットなどは、英語がしゃべれる人材については、需要に対して供給が追いつかない状況で、CPIやGDPを遥かに越える昇給をしないと人材が維持出来なくなっています。ですので、人材の需給バランスを考慮する、という事も、昇給率決定には重要な要素となります。
では、アベノミクスによって、昇給率決定の3要素はどう影響を受けるのでしょう?
ご承知のように、アベノミクスの要諦は、3本の矢で例えられる、『金融政策』、『財政政策』、『産業政策』の3つの政策です。アベノミクスの金融政策の要は、日銀によるインフレターゲットの設定でしょう。この部分は直球でCPIに影響します。財政政策の要は、国土強靭化計画に代表される、機動的な財政出動です。財政出動は公共事業を生み、この部分はGDPに影響を与えます。そして最後の産業政策の要は、民間投資を喚起する成長戦略です。規制緩和などにより、民間企業が投資を増やし、より多くの人を雇用するようになれば、失業率への影響は大きいはずです。
こう整理すると、アベノミクスは見事に昇給決定の3要素を網羅した、正に給料を上げる為の政策である、という事が言えるのではないでしょうか?
そろそろ紙面の限界が来てしまいました。この続きは又、次回にさせていただきます。次回は、我々が持っているデータを使いながら、昇給率について、『どの位?』という問いに対しての考察をしていきたいと思います。
ブログを最後までお読みいただきありがとうございました。
又、次回もお読みいただければ幸いです。
渡邉拝
