19.初めての出会い




 そして、びっくりした顔で、私を見ている。


「生きていたのか。ひさみ。」


 そう言って、私を抱きしめる。


「ちょっと、まって。貴方は誰。私は貴方の事しらないわ。初めて会うわよ。」


「ごめん。ひさみかと思って。君の名前は。」


「偶然ね。私もひさみっていうのよ。如月ひさみ。」


「じゃあ、やっぱりひさみなんじゃないか。記憶喪失なのか。俺の事忘れたのか。そうだよな。しばらく会えなかったんだから、もう、忘れたんだな。」


「よくわからないこといわないで。貴方こそ名前は。」


「橘衛。」


「橘衛。そう、はじめて聞く名前だわ。」


「俺はこれでも、ちょっと前までは有名なアイドルグループの歌手だったんだぜ。それなのに知らないのか。」


「知らないわよ。そんな髭ずらな人。」


「髭を1ヵ月くらいそってないんだよ。だからだよ。今から剃るよ。剃ったら思いだしてくれるだろ。」


「よくわからないけど。やってみれば。」


 すると、衛は洗面所で髭を剃りは閉めた。山小屋でも、中は結構内装がしっかりしているようだ。


「どう。これで分かっただろ。」


 そうして、現れたその人は、ものすごくカッコよかった。


「ごめん。やっぱり、私、そんなカッコイイ知り合いなんていないわ。」


「カッコイイって、そう言ってくれるの、初めてじゃないか。」


「当たり前、貴方自体が初対面なんだから。」


「やっぱり、お前は、記憶喪失になってるんだな。」


「いいえ、違います。記憶ならしっかりしてます。ただ、ここはどこなの。私は2階の部屋の窓から落ちて、気が付いたら森の中にいたの。そして、私を探しているわけのわからないひとたちがいたから、その人たちに見つからないように、ここまで逃げてきたの。なんか、死ぬ前の如月ひさみがこっちの世界に来てるから、見つけろとか、聞こえてきて、わけがわからないから、逃げてきたのよ。」


「死ぬ前の如月ひさみだって。じゃあ、お前は別の世界から来たひさみなのか。」


「別の世界って、何いってるのよ。」


「如月ひさみは歌手で芸能人だったんだぜ。そして、俺と一緒に仕事もしてるんだ。」


「私が芸能人。っって、まさかね。私かわいくないのに。」