世界で誇れる日本企業エグゼクティブの英語プレゼン力とグローバルウーマン役員 | 銀座一丁目の英語発音教室「メントール」のブログ

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スイス滞在の目的の一つが、時計の祭典、バーゼルワールド訪問でした。



私は長く続いていて、高い価値創出ができている、あるいはしようとしている企業(ブランド)の研究をしていて、その一つがラグジュアリーブランドなのですが、時計と車と宝石については、ブランド価値を考察するのが難しいため、非干渉地帯と位置付けていました。


しかし、今回せっかくスイスの大学訪問の機会と会期が同じ時期で、日本の高級時計ブランドの役員がご案内くださるとのことなので、指導教授にくっついて一緒に案内していただきました。


これまでに、日本の大学生から外国の大学院生まで、様々な状況で、私がご縁のある日本企業の皆さんにお願いして、企業見学を受け入れていただきましたが、毎回毎回、それはそれは丁寧なおもてなしをいただき、訪問者が必ず感動します。


これが、日本の素晴らしい経営をしている企業のスタンダートなのだと思うと、本当に誇らしい気持ちになります。


そして、今回も丁寧にお迎えいただきました。


名前を出していいのかわからないのでイニシャルにしておきますが、日本の大手時計企業S社のGS(イニシャルです)という最高級時計ラインの新作発表がバーゼルワールドで行われ、プレスカンファレンスに潜入させていただきました。


伝統技術の有田焼とコラボした新作を含む3ラインを、それぞれの担当役員が英語で発表しました。


その前に、ホールディングスの社長からもオープニングスピーチが。


内容と、こだわりの技術が生み出す美しい高級時計に国内外から集まったプレスがやらせではなくて本当に興味を持ち、感銘を受けている様子を会場で目の当たりにして、ちょっと胸が熱くなりました。


日本のアーティストが海外でデビューした時など、現地では全然騒がれてないのに、大げさに報道したりして日本人だけが「この人は海外でもすごい反響がある」と誤解してるケースってありますよね。


そういうフェイクではないです。

本当に、現地のメディアから注目を浴びていました。


ネットで展示会やカンファレンスやショーを行うことが可能になっている現代、その開催意義が問われていますが、オーディエンスのリアルな反応は、現地でないと感じられませんから、電子本に紙の本が取って代わられることがないように、規模は縮小しても、リアルプレイスでのイベントが壊滅することはないのでは、と思います。


ただ、開催規模とか方法は従来型では通用しないでしょう。


話の筋が少しそれますが、バーゼルワールドも今年から大手時計財閥のスウォッチグループが参加取りやめを宣言して、自分達で独自の展示会を開いていて、業界に激震が走りました。


今後、どんどん離反が進み、バーゼルワールドの価値が急降下する可能性があります。



そうすると、ホテルや飲食店、印刷、什器、広告などあらゆる需要が減るため、地域経済に打撃を与えることは間違いありません。


ビッグイベントも、その地位にあぐらをかいていると、足元をすくわれます。


いつでも対価にふさわしい(出展料はバカ高いし、その時期の飛行機や宿泊料、会場の飲食費などもバカ高です)価値を提供する、公正で透明性が高いビジネスをする必要がある、という良い教訓になりますように。


S社の役員の皆さんの英語プレゼンテーションに話を戻します。


私は発音教師なので、発音が気になりますが、発音が最も重要とは思っていません。



あくまで、伝わりやすさや中身の重厚さと考えて、全体のバランスだ大事だと思っています。


色々考えても、今回拝見した社長を含む4人の日本人重役の皆さんの堂々たる素晴らしいプレゼンテーション、英語力に私は感動しました。


海外で見る、日本人の偉い人、普通の人の英語プレゼンって、目を覆いたくなるものか、通訳をつけるという恥ずかしいケースが多いのですが、S社の皆さんは本当に素晴らしいクオリティ。


↓デザイナーとして起用された奥山さんの英語が発音含めてパーフェクトに上手で、これまた感動。奥山さんはフェラーリのデザインもしていて国際的に有名です。↓






発音がすごく良いとは言いませんが、これが正統派の「日本人アクセントの英語」だと思いました。


流ちょう風で、ペラペラの「英語風だけど英語に聞こえない迷惑なニセ流暢」の英語を聞いて「かっこいい」「英語が上手」と誤解してしまう人が本当に多く、こういった価値観を持っている人たちが聞いたらこの4名の皆さんはどちらかというと、日本語発音でカッコ悪い、と思うでしょう。


しかし、それは、間違いです。


適正なスピードとピッチで、変に英語風にすることなく、しかし英語の特徴はきっちり捉えている話し方。


そして、何よりも、パブリックスピーチのルールをきっちり踏襲した素晴らしいプレゼンテーションでした。


「絶対にこの人たちは訓練を受けている」


と確信した私は、プレスカンファレンスが終わった後、案内してくださった役員の方に聞いてみました。


そうしたら、案の定、英語プレゼンの機会が多いので、社内で先生を呼んでトレーニングをしているそうです。


プロから指導を受けて、きちんとトレーニングすることの重要性を改めて実感。


そして何よりも素晴らしかったのは、4人の中に女性の役員がいて、その方が素晴らしかったこと。


目が回るほど忙しいバーゼルワールドの会期中だということは承知で、ぜひこの感動した感想をお伝えしたく、お願いしてお話しさせていただきました。


この春学期、私の指導教授のブランド論の講義にゲスト講師でご登壇いただくお願いをして、快諾していただいたので、とても楽しみです。


海外で誇らしい気持ちになれる日本人で、女性の役員。


いいものを見させていただきました。


こういった方がどんどん増えますように。