見栄を張ってみたものの・・・英語ができる人の愛読書と習慣 | 銀座一丁目の英語発音教室「メントール」のブログ

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「毎日、CNNを見ています」
「英字新聞やニューズウィークなどの英語ビジネス誌は必ず読みます」
「洋書で英米文学を読むのが好きです」


という人がいますが、本当に内容を理解して、楽しんでそれが
習慣になり、身になっているのであれば「スゴイなー」と
思います。

英語ができるとされている有名な人達が
「英語を上達させたいと思うなら、英字新聞やCNNが役立ちます」
的なことを言っているので、その影響のせいか、これらを使って
一生懸命英語を勉強しようとしている人が結構います。

その需要を見込んでか、新聞や雑誌などの紙媒体の人気が薄れていて、
新たな需要を見出さなければいけないせいか、英字新聞やビジネス誌
の売り文句は、「英語学習ツール」としての用途アピールが目だっている
ように感じます。

こんな風に感じてしまうのは、職業病かもしれませんが

まあ、私の職業病の話はさておき、英字新聞やビジネス誌の英語を
ちゃんと理解して読めている日本人がどれくらいいるのでしょうか?

威張れる話ではありませんが、私は英字新聞を読んでも、
日本語の新聞を読んでも、興味がない分野や背景知識が
ない分野の記事はあまり内容が頭に入ってきません。

ムリして読んでも、文の構造がわかるだけで、頭に入ってくる
のは単なる文字情報だけで、消化不良に終わってしまいます。

そんなわけで、父が購読している英字新聞が
うちに放置されているのをたまに拾い読みするくらいで、
自主的に買って読んだりはしません

でも、社会人になりたてのころは大いなる勘違いをし、
「大学を出た社会人たるもの、英字新聞くらい読めなくては 」と思って
一生懸命背伸びして毎日読んでいました。と、いうか
必死で文字をなぞっていました。

でも、あまりよくわからないので当然それは
単なる「苦行」で、長続きしませんでした。

数年たって、TOEICが900点を超えたころ、
再度チャレンジしてみましたが、状況はあまり
変わりませんでした。

「なんでだろう???」

そして、大学院の英語教授法(TESOL)で履修した
語彙研究の世界的権威、Paul Nation先生の授業で
、このナゾは解けました

ネイション先生 

Nation先生、世界的なスター教授なのに
とても気さくで愉快でいい人です。Love


Nation先生は長年の研究結果から、
「(読んで内容をちゃんと理解できたという)喜びを感じられる
くらいに理解できる本当の読書経験
をするためには、読んでいる
文章に出てくる語彙の98~99%を知っている必要がある」
と、主張しています。

「ほとんどの単語を知ってる」なんておおざっぱなレベルでは
ダメなんです。98~99%ですよ???

この数字は、まともな語学教育者であれば
誰もが知っているといってもいいくらいの常識で、
非常に重要です。でも、一般的にはほとんど知られていません

さらに、Nation先生は
95%の単語を知っている文章を読んでいる場合
(2行に1語程度の知らない単語がある)、ちゃんと内容を
理解できる人が数人はいるが、ほとんどの人はまもな内容
理解ができない


とか

80%の語彙しかわからない文章を読んでいる人で、
内容をちゃんと理解できた人は誰もいない

という結果も示しています。

どうですか?
普段読んでいる英文の、2行に1語知らない単語がある
ものだと、ちゃんとした内容理解ができるリーディング
にはならない
、ということなのです。

どんな人がどのくらいの語彙数を持っていて、
その内容(質)がどうなのかというのは、
ここで語れるほど簡単な話ではないのでまた
別口で書きますが、数だけに注目しても、
これが現実です。

仮に中・高・大で英語を学び、+で受験勉強や
TOEIC対策の勉強、英検対策の勉強などをした人でも、
英字新聞をちゃんと理解できるレベルの語彙数を
持っている人は、そんなにいません。

これ以上語ると延々と続くので、そろそろ締めに入りますが、
じゃあ、どうすればいいのかというと、

「英字新聞や英語のビジネス誌は、理解できなくても
仕方ないので、まずは背伸びしないで自分の語彙レベルに合うものを
探して読み、語彙数と質を充実させ、英語でモノを読み、理解し、
楽しむ経験を積む」

ところからはじめるのがおススメです。

 具体的には、

→Graded Readersを利用する。
 これは、限られた単語数で書かれている本のシリーズです。
Penguin Graded Readers(ペンギンシリーズ)
http://www.longmanjapan.com/penguin_j.html/

※このGraded Readersについても、長い話になるので
ここでは簡単な紹介のみにしておきます。

→英字新聞や、ビジネス誌の記事の中でも、背景知識がある
 記事を拾って読む


 デイリー読売などは、日本語版とリンクしている記事も
あるので、日本語版の力をかりながら読むことができて
いいと思います。


メントール英語発音教室でも、音読の練習の時に
Graded Reaersを使うことがありますが、今は
ボディショップの亡き創業者アニータ・ロディックさんの
ビジネス奮闘記 が人気です。

この人、自然派コスメのハシリですが、けっこうハチャメチャ
な人生で面白いんです。企業の社長から、主婦の生徒さんまで
夢中になって読んでいますよ~。音読力、語彙力ともに大幅
増強中 です。