私は基本ビビリなので、初めての場所へ行く時はしっかり旅のしおりを作ります。

 

今回も2泊3日の予定に沿って、特にマドリッドはお初なので

念入りに訪れる地域の地図を把握してメモをとりました。

 

当初鉄道を使ってマドリッドへと計画したら、宿のオーナーさんが

 

この時期はセゴビアーマドリッドの区間は

時間が不動で、アクシデントも多いし、

急行電車の駅は遠いので、バスで行ったら?

 

というアドバイスをもらいました。

 

それは思いつかなかった!聞くとターミナルは宿の目と鼻の先。

1時間でモンクロア(首相官邸や展望台で有名)に到着するというので、

前日にチケットを買いに。

 

ところが、午前中のチケットがない!どの便も満席。

やっと7時のバスのチケットが取れました。

 

早起きをし、朝食はマドリッドで取ろう、となりました。

やっとうっすら陽が出てきた頃に出発。

この時間帯なのだけれど、通勤の人々も含めてバス満員!

おどろきました。

 

そしてモンクロアに8時過ぎに到着。

バスターミナルは地下にあるので地上に出るとすぐに

空軍の建物

玄関先に飛行機も。

 

そこからパン屋さんを見つけて朝食。

かなり時間があるので、どっか行く?

近くにスペイン広場なかったっけ?

とか言ってあてもなく彷徨う。

 

というのも、お約束のランチは13時。

待ち合わせの場所の近くに美術館があるので

行ってみよう、となったのですが時間が早すぎ。

 

なので、まだ空気も涼しいしちょっくら歩こうか、、となりました。

 

モンクロアからスペイン広場までは約15分ほど。一本道で、

広場の先はセントロとなるだけあって建物も高く、

車の行き来も多くなりました。

 

広場の中心に向かってなんだか工事中で、

中に入って見たかったのですが、なぜか相棒がどんどん地下鉄に入ってしまう。

 

写真撮りたいよぅ、、、

え?単なる広場だよ?

 

おいおい、あんたにとってはそうかも知らんが。。。

 

でも工事をしているせいか景観もあまりよくなく、

暑くもなってきたので目的地に行こうとなりました。

 

地下鉄で4駅。あっという間。

 

この時点でまだ9時台でしたが、

行きたいところの一つソローリャ美術館はすでに開館してました。

 

スペインはみなさんご存知のピカソ、ダリ、ゴヤ、ベラスケスなど

有名な芸術家を産んだ国ですが、ホアキン・ソローリャも印象派画家として

人気のある芸術家です。

 

名前はピンとこなくても、絵は見たことがある、というイメージの画家で、

私もスペインに来て初めてあの絵はスペインの画家のものだったのか、と

知ったほどです。

(写真 ネットより拝借)

 

この美術館は、ソローリャの自宅を後に開放したもので、

作品だけでなく、何部屋もある邸内と庭園も必見の美術館です。

 

相棒は公立の教師、公務員扱いで全国の美術館博物館が無料になるパスを持っています。

パスを探しているとエントランスで、

今日は月初の木曜日なので観覧無料です、と言われました。

 

入場料金は通常でも3ユーロと安いのですが、

その分でポストカードが買えて嬉しかったです。

 

(写真 ネットより拝借)

 

館内は撮影ができなかったので荷物を全てロッカーに預けて

ゆっくり見学しました。

一部屋ごとにスタッフがいて、人が少なかったこともあり少し絵の解説もしていただきました。

 

なぜか多くの作品には、美術館にはお馴染みのタイトル、制作年やサイズ、素材の説明が書かれた

プレートがない物もありました。

あとで売店でポストカードを購入するときにタイトルを知る、なんてことも。

 

それでも、彼の作風はルミニスト、と称されるだけあって光と影のコントラストが鮮明でした。

人を描いた作品が多く、肢体の立体感、服の揺れ感や人物の表情に惹かれたのですが、

なぜか私は彼の描く影に惹かれました。影なのにふんわりとした質感があるように見えたのです。

 

そして、彼は光の魔術師、印象派画家として有名だそうですが、

作品を見ると実に写実的なものもあって、特に家族、子供達を描く際には

まるで写真を撮る親のように情愛に満ちつぶさに彼らを見つめ描いたのだと感じました。

 

そのような父親に育てられた子供たちは後に皆芸術家の道を進んだそうです。

 

とにかく海の絵が多く、マドリッドも海なし県なのに?と思っていたら、彼はバレンシア出身でした。

親類もバレンシアに住んでいたため頻繁に訪れていたんでしょうね。

(ネットより拝借)

 

まさに夏の海を描く作品には、光が射す海と空のブルーが印象的なのですが、

室内を描いた作品には緑色が多く取り込まれてる気がしました。

 

空や海のブルー、そしてベルベットのような質感を持つ影には一体何色が?

 

と思ったのですが、よくわかりませんでした。

 

実はその真相がこの後のランチの席で明らかになったのです。

もうそれは今日1日の中で一番良いショックを感じた瞬間でした。

(この話は後ほど。。)

 

ゆっくり観覧をしても1時間ほど。のんびり庭のベンチで

くつろいでいるとだんだん暑くなってきました。

 

どこかで冷たいものを、と密かに楽しみにしていた

近くにあるインターコンチネンタルホテルのバーに行こう、

と相棒を誘うと、

 

日本のホテルと違って、スペインの高級ホテルは滞在者以外はラウンジは使えないんだよ

 

と言い張って聞かない。実は、ホテルに問い合わせて外部でも楽しめる、と調べてあったのに、

超プロレタリアスピリッツの相棒はもう中に入っただけでなぜか不機嫌。

 

君1人で楽しんでこいよ

 

とまで言うのでw、このプランはキャンセル。

美術館まで戻って近くのバルで一服。

 

なんだ、単にタバコ吸いたかっただけじゃん!

 

違うよ、学生時代バルセロナの高級ホテルでバイトしてて

金満客の無作法ぶりを見てきたから嫌なんだ。

ほら、僕たちが入って行ったときだってスタッフすら誰も見向きもしなかったじゃないか。

 

そんなの当たり前でしょ、、働いてる人たちに失礼だよ。

 

なんて話もしましたが、そのあとはソローリャの作品についてや

明日はセゴビアで何しようか?などと話して時間を過ごしました。

 

徐々にお約束の時間に近づき、

思っていたより時間が早く過ぎるなぁなどと言っていると、

背後の通りをモンクロア行きのバスが。

 

おお、帰りはこれに乗ってターミナルまで戻れるんじゃね?

歩かなくていいのは嬉しいねえ!

でもバス料金はどこで払うんだろう?

え?車内で払えるんじゃない?うちの地元もそうだもん。

 

など、もう2人でお上りさん丸出しでしたw。