いまだに頭が回らない時にスペイン語が出てこないことがある。特に相棒が何故か英語で話すくせに私にはスペイン語で伝えろと言う時には、英語訳してスペイン語話す頭の回転が必要で。


だいぶ慣れたけど、今夜のようにアメリカのドラマ英語で聞いてからだと油断してえっとーとかなる。


些細な会話の中で


まだまともに話せないのか


と言われた。


その後、少し喧嘩になって就寝。


腹も立っていたので会話もせずにいたら、


明日はアニバーサリーじゃないか?


と言い出した。


またか、と思った。10年ずっと訂正している。


父の命日のことを言いたいのだ。


スペイン語でもアニベルサリオは確かに年忌を意味するけれど、おめでたの記念日という意味も持つアニバーサリーと言われると頭に中にディズニーランドのパレードが浮かぶ。


ふいに


「何度も言うようだけれど、メモリアルと言ってくれないかな


それに、


毎年アニバーサリーと言いながら何もしてくれないよね?」


と口を継いでしまった。


私は父が亡くなった次の年に嫁いで来たので、1周忌は自宅で花を買い線香をあげた。


相棒は、それを写真に撮って実家に送り、義父母に見せた。


その後実家での食事会でその時の話になったが、

彼らには大袈裟に思ったらしいのと、その時まだスペイン語が話せず、間違って造花を買ってきてしまったことを皮肉を交えて笑われた。


それからは、日本の実家でしていた式事、習慣は一切やらないことに決めた。

元日の朝日詣も、お盆もお月見も何もかも。


何をするの?と聞いてくる義母は、無神論者なため、目に見えない神様に御神酒や水を備えるのがバカバカしいそうだ。


父には申し訳ないが、明日も通常のように過ごす予定だけれど、相棒が出勤したら静かに手を合わせることにしている。