とある動画に、

 

もうトマト缶は使いません、

 

と言うものがありました。内容を読むと、

 

「ある本」によると、メーカーがトマトの原産国を改ざんしているのだ、と。

 

イタリア産と書いておいてほとんどは中国産である。そんないい加減では

内容について信頼が持てないのでトマト加工品は自家製にした

 

と言うものでした。。そして、コメントを見ると、さも

「目から鱗」状態の感嘆詞だらけで、

 

どうりで安いわけだ、怖い、私もトマト缶買うのよそうかな、、とありました。

 

私は個人的にこの現象を「羊の行列」と呼んでいます。

 

一つの「曖昧な情報」に、同意意見が連なり大きな波紋となるけれど、実は

向かう先は崖っぷち、と言う意味で。。

 

 

私がこの投稿に疑問を持ったのは、

 

・トマト缶メーカーの改ざんを告発した「ある本」とは?

・実際メーカーは意図的に、そしてなぜ原産国を改ざんしているのか?

・中国産を嫌やがる意図とは?

・子供を救うため、とあるが、自家製の安全性、信頼とは?

などなど。。。

 

よく、巷のお母さんが「添加物」と言う言葉に敏感なのはよく聞きます。

それは、昔のチクロだとか、化学物質の混合を疑ってのことだと思います。

 

しかし、私の調べたところ、また、食品会社に勤める知人に聞くと、

現在は植物性、動物性の成分を利用したものが主だと。

 

例えば「旨味」などは魚や肉などのアミノ酸を抽出して顆粒化加工をしたもの、

「着色料」は植物の自然色素を利用してたり。。

 

もちろんこれらは化学式に基づいて、科学的技術で物質だけを抽出するのであって、

必ずしも食品添加物がラボで不自然な物質を作り出しているわけではないのです。

 

さて、私はこの投稿を読んでから、ふと最近カゴメが例のウイグル問題を考慮し、

中国産のトマトの入荷をストップした、と聞いたことを思い出しました。

 

そこで、カゴメのHPを探し、原産国の分布地図を見つけました。

中国、2020年7月現在はまだ契約国となっています。

 

ありゃ、と思いましたが、日経などビジネスニュースを検索すると確かに、

「2021年中にはウイグルでのトマト使用中止」を宣言していました。

 

なのにHPに原産国に中国(ウイグル)を含めているのは、

おそらく備蓄や契約事情があるからだと思われます。

 

(と言うより、私はここでウイグル国が中国の一部として包囲されている

地図に疑問を持つのですけれどね。。)

 

中国産を忌み嫌うのは、その生産技術や農薬にも疑いがあるのでしょうが、

カゴメに至っては、現地で日本人の指導、調査が入っているので、

日本の農薬基準値を守っている、と言うことでした。

 

(ただ、カゴメ以外にもトマト缶メーカーはあるので、

そこではまだウイグルのトマトを使用しているかもしれません。

私自身国産トマト缶を使用していないのでそこまでは調べてませんが。)

 

もし、「ある本」、メーカーが原産国改ざんをしている、と記しているならば、

このような情報と実際の備蓄情報など時系列の違いをよく調べずに

問題視している可能性はないか、と感じました。

 

もし、その本によく調べて使用しましょう、の一言があれば、

もう絶対トマト缶は使わない!、とはならないと思うのです。

 

このように注意喚起、と言うより、もう危険!と宣う本の意図は?

と改めて考えました。

 

実は、この投稿をした方は本の実態、著者やタイトルは明かしません。

そこら辺は忖度するんだな、と冗談まじりに思いましたがw、

それなら、もうちょっとメーカーへ問い合わせるなど調べるべきでは?

と書き込むと、そうですね的な返事が返ってきました。

 

それもあれ?と思いましたが、そのことは別として、

とにかくなんでも見つけた情報ひとつで感情に囚われて間違った意見を

このように広げるのはどうなのか、と。

 

もし私の一つの投稿にそんな影響があるわけない、と軽い啓発の意味で

投稿しているのならば、これこそ危ないことだと思います。

 

影響する人は、はてまた口伝の意見を常識的見識として学んでしまう。

そうすると気づいたら広範囲で「添加物は全部害ある化学物質」となるのです。

 

日本では過去に化学的物質による疾病を引き起こした経験があります。そこには

メーカーの利益向上によるところで起きた公害でした。

 

それはここスペインでも同じで、儲けたい人が体に入れてはいけない種類の油を

植物油として安く売り出し、それを摂った人々は身体に異常をきたし、さてまた

生まれてきた子供たちにも障害が残る事件が起きました。

 

これは、家庭の台所を守っている母親や主婦の無知や経済的事情によって

避けられなかった事実でした。

 

現在の日本では過去の痛い経験から、人々は慎重になりました。

しかしここで誤解してはいけないのは、家庭の健康を考えているのはもはや

家庭の主婦や女性だけではないところです。

 

メーカー、ラボの職員、工場で働く人々も健康で良い食品への望みは一緒です。

だからこそ、それをきちんと開示しているメーカーがあるのです。

 

それらを選べば良いわけで、HPすら出してない会社のものを

食べなければそれでいいのです。

 

HPの情報が疑わしければ、直接問い合わせ、そこで答えに納得しなければ

初めてここのトマト缶は危険かもな、と思えば良いのです。


私たちの情報は缶のラベルしかありません

 

とも書かれてありました。この一言はよく食の影響を問う人々の

常套句となっています。しかし、本当にそうなのでしょうか、と私は問いたいです。

 

企業のHPなんて、信用ならない、とまで言うとしたら、

 

会ってもいない人の本を読んでそれを鵜呑みにする方が怖い、

 

と言いたいです。著者のバックグラウンドを調べる必要もあります。

なんの意図でこの本でトマト缶を嫌厭しているのか。。

 

現在制定が遅れて問題視されている種苗法について、

反対を訴える間違ったプロバガンダの例もありますし。。

 

子供たちを救う、

 

そのためには1つの本を完読鵜呑みにすることではなく、

多方面に渡って自己調査をすること、原産国にこだわる意図を探る、

また、自家製を選んだ場合、そのトマトがどうなのか、

も調べなくてはと考えます。

 

本当にお子さんたちを救いたいのであれば。。。