神よ、私たちにお与えください。
変えられないことを受け入れる冷静さを
変えるべきことを変えていく勇気を
そしてこの二つを見分ける知恵を
（ラインホルト・ニーバー）
ニーバーの祈りについて、矢野の考えをお伝えしています。
前回は
にいつてお伝えしました。
今回は、
変えるべきことを変えていく勇気
についてです。
本当は変わりたくない
「幸せになるために変化したいのだから、
勇気なんて必要ないでしょ」
そう思われた方も多いのではないでしょうか。
なぜ、変化するのに勇気が必要かというと、
変化することを本当は望んでいない
ことがあるからです。
たとえば、うつ病で休職している人は、
病気が治ったら、
またつらい職場にもどらなければなりません。
本人は、早く良くなって仕事に復帰したい
と思っているのですが、
心の奥底で、またつらい想いをするのでは
と恐れていて、病気を手放すことができない。
そんなことが起こることがあります。
なぜ慣れた不幸を選んでしまうのか
「変わらなきゃ！」
と思えば思うほど、変われなかった。
多くの人が、そんな経験をお持ちだと思います。
これは、脳の安定化志向という性質によるものです。
脳には、安定していたい
つまり変わりたくない
という性質があるのです。
なぜ、こんな性質があるのかというと、
生物にとって、今生きているだけで大成功なのです。
だから、今までと同じ生き方をしていけば、
これから先も生き延びることができる
可能性が高いわけです。
それが、変化しようとすると、
生きていける可能性が低くなってしまう、
と脳は判断します。
たとえ、今とても苦しい状況にあったとしても
生きているのですから大成功だと脳は判断して、
変化しようとすると妨害してくるわけです。
脳にとっては、今までと比べて
幸せになるのも不幸になるのも
同じ変化なのですね。
この脳の性質のため、
未経験の幸せより
慣れた不幸を選んでしまう
ことになりがちなのです。
変わる勇気を持つために
本心では変わることを恐れている。
脳には安定化志向という変化を妨害する性質がある。
でも、変わりたい！
では、どのようにしたら、
変化を恐れず
安定化志向に妨害されずに
変化することができるでしょうか？
最悪のケースに備える
変化を恐れないようにするためには、
多くの場合、
「こんなもんか」
と恐れていたほどではないことがわかって、安心できます。
そして、
最悪のケースにならないために、
今できることはなにか？
最悪のケースになった場合、
どのように対処したらいいか？
を考えます。
備えあれば憂いなし
の状態をつくるということです。
そうすれば、脳は変化を恐れなくなります。
無理なく簡単にできることだけをやる
安定化志向に妨害されないようにするには、
脳に「わたしは変わろうとなんてしてないよぉ」
と思わせる必要があります。
そのためには、
今の自分に無理なく簡単にできることだけをする。
のです。
そうすれば、安定化志向は
「ようやくあきらめたか」
と油断します。
その隙をついて、変化するのです。
「無理なく簡単にできることだけやって、
変化できるわけないじゃない！」
そう思われるかもしれません。
けれど、今のあなたに無理なく簡単にできること、
3ヶ月後のあなたに無理なく簡単にできること、
半年後、1年後……
その時の、あなたに無理なく簡単にできることは、
だんだんとレベルアップしていきます。
だから、今のあなたに無理なく簡単にできること
をするだけで、変化成長することができるのです。
今の自分に無理なく簡単にできることだけで変化できる理由は、もうひとつあります。
それは、変化の秘訣は
上手くいかないのなら、今までと違うことをする！
これにつきるからです。
多くの人が変われないのは、
「バカな鉄砲数うちゃ当たる」
とばかりに、同じ方法を続けているからです。
さあ、今こそ「変化のとき（時は今なり！）」です！
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