聖金曜日・受苦日: キリストはわたしたちの平和です。十字架を通して、敵意という壁を取り壊し、人々を一つの体として神と和解させたのです。 (エフェ 2:13-18)
神学生の時、テゼの金曜の夕べの祈りの中で「イエスよ、御国においでになるときにはわたしを思い出してください」という歌を聞いて、一緒に歌っていたら涙が止まらなかったことを思い出します。
この言葉は、イエスと一緒に十字架につけられた2人の強盗のうち、一同と一緒になってイエスを罵っていた人をたしなめたもう一人の人が、イエスに向かって語りかけた言葉です。
自分たちは自分のやったことの報いとして十字架につけられたのだから当然だ。なのにイエスは何も悪いことをしていないではないかと仲間を諫め、そしてイエスに「御国においでになるときにはわたしを思い出してください」と告白したのです。
これに対してイエスは、「あなたは今日、楽園にいる」と力強い言葉を残してくださいました。自分と同じように死の苦しみを味わっている中で、しかも何も悪いことをしていないはずの方が、自らの犯罪のために極刑に処せられている自分にも救いの言葉をかけてくださる。この強盗にとって、これ以上の慰めはなかったのではないでしょうか。
さて
移動祝祭日であるイースター
春分の次の満月の次の日曜にお祝いします。
ユダヤ教の過越祭が、春分を含んだユダヤ暦のニサンの月に祝われるからです。イエスが弟子たちと過越祭の食事をしたのちに捕らえられ、十字架で刑死してから三日目に復活されたことからきています。
過越祭は、春の収穫祭と出エジプトに際して、神がエジプトに下された災いをユダヤ人の家だけ犠牲の羊の血を塗った目印をつけさせてスルーしてくださったという奴隷からの解放、救いの出来事を祝う祭りとが一緒になったもの。
イエスが十字架で流された血が、わたしたちを的はずしの罪から解放してくださったという出来事ともリンクさせて、千何百年も前からこの時期に祝っているイースター。
そしてイースターの語源はというと、ゲルマン神話の春の女神の名前。ローマ教皇が春の祭りと復活祭とをうまい具合にくっつけちゃったんですね。多産で豊かな命の象徴であるウサギや新しい命の象徴である卵もシンボルとして用いられます。子どもたちがエッグハントをしたり、卵料理を囲んだり。
スーパーなんかで春の訪れを祝って家族で卵料理を囲む日なんて書かれたり、イースターの語源は春の女神の名前だからキリスト教とは何の関係もないのよ~
なんて言う人もいますけど、それって結局イースターから宗教色だけを取り除いて半分だけ説明してるって話ですからね~