Playing For Change | シン・メンズビギ横浜店ブログ

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さて今回は久しぶりに

私の大好きなロックの話である。

急に書こうと思ったきっかけは、

「ロビー・ロバートソン」の訃報だ。



カナダ人で先住民の血をひくロビーは、

オールドロックファンのあいだでは

ロック史に於ける最重要人物の一人である。

一般的にはロビー・ロバートソンと聞いても

ピンとこないかもしれないが、

彼はロック史上の伝説的バンド

「ザ・バンド」のリーダーで

メインソングライターギタリストだった。


ロカビリー歌手ロニー・ホーキンスの

バックバンド(ホークス)へ16歳で加入し、

1966年にはボブ・ディランが

フォークからロックへ転向した際、

ファンから猛烈な反感を買った

超過酷なワールドツアーを、

バックバンドとして支えた

5人の強者達 “ザ・ホークス” の一人である。


そしてこの無名だった5人の強者達は

音楽関係者のあいだで注目の的となり

ボブ・ディランの「 “あの” バンド」から

そのまま「ザ・バンド」と改名し、

1968年にロック史上画期的なアルバム

「Music From Big Pink」でデビューする。



当時のサイケデリックカルチャーと

反体制の真っ只中だった風潮の中で、

敢えて時代を逆行するような

伝統的な価値観を追求する

豊穣で郷愁を誘うメロディーと

物語性を重視した音楽は、

それまで誰も聴いたことがないものだった。

それはまさに温故知新である。


*ちなみに以前メンズビギでは、  この「Music From Big Pink」シーズンテーマに掲げ、その世界観をファッションで表現したことがある。


ザ・バンドの音楽は同業者…

特に英国のミュージシャン達に

強烈なインパクトを与え、

その後のロックの潮流を

大きく変えていった。

ジョージ・ハリスンはわざわざ片田舎の

ウッドストックまで彼らに会いに行き、

エリック・クラプトンはザ・バンドへの

加入を熱望したが叶わなかったという。

ビートルズほどではないにしろ、

同時代、或いはその後のシーンへの影響力は

計り知れないものがあったのは間違いない。


あ、いま自分で書いてて気づいた。

“ロック史上”とか、“伝説的”とか、

連発すればするほど胡散臭くなるが、

ロックの歴史もいまや半世紀以上…。

その歴史を振り返ってみると、

エポックメーキングな出来事が幾つかある。

これはどんな分野でもそうだが、

それまでの価値観を覆し、

新たな潮流を作り出した者こそ

真のオリジネーターであり革命児だ。

それは人気や知名度よりも

尊いものであることと信じたい。


ロビー・ロバートソン(享年80歳)の

ご冥福を心からお祈りします。



さて、ここからちょっと話は変わるが、

皆さんは “PLAYING FOR CHANGE”

というプロジェクトをこ存じだろうか。


“PLAYING FOR CHANGE”とは、国境を越え、人種や宗教も越え、音楽のチカラで世界に活気やつながり、平和をもたらすことを目的として始まった音楽プロジェクト。

このプロジェクトは、2004年の第47回グラミー賞において、ベストコンテンポラリーブルースアルバム部門の受賞経験を持つ、アメリカ人プロデューサー/エンジニアである、マーク・ジョンソン氏が立ち上げたもの。ある日カリフォルニア州サンタモニカの路上で耳にしたひとりのストリートミュージシャンの歌声がジョンソン氏の心をとらえ、その演奏に世界中のミュージシャン達を加えたい、音楽で世界をつなぎたい、そんな熱い思いが込み上げたことがきっかけだった。 

その後、彼は数年をかけて世界のさまざまな国への旅を始め、世代を超えた名曲やオリジナル楽曲の演奏を、延べ100人以上のミュージシャン達から収録した。そして、それを巧みな技術で編集し、あたかも世界中のミュージシャンが、ひとつの楽曲を一緒に演奏しているように仕上げたものが世界規模で大きな話題となり、多くの人々に感動を与える一大ムーヴメントとなったのだ。

 なお、このプロジェクトの収益の一部は、非営利団体である「PLAYING FOR CHANGE基金」を通じて、インドやネパールにおける難民への必要物資の提供など、直接的な援助のほかに、南アフリカでの音楽スクールやアートスクールの設立、子どもたちへの恒常的な指導にも役立てられ、音楽や芸術の輪を、世界に広げることに貢献している。


私はこの動画をYouTubeでよく視るのだが、

世界中の様々なミュージシャン達が

それぞれの場所とそれぞれの楽器で

世代を超えた名曲を紡いでいく様に、

得も言われぬ感動を覚えるのだ。


さらに原曲とは違ったアレンジや

意外なミュージシャンが参加してることも

見所になっているとともに、

初めてのミュージシャンとの出会いも

魅力の一つだ。


ということでせっかくだから、

私が気に入っている動画と曲を

いくつかご紹介してみたいと思う。


まずはレッド・ツェッペリンの「When The Levee Breaks」である。ジョン・ボーナムばりの迫力あるドラムはスティーヴン・パーキンス。そしてなんとベースには、あのジョン・ポール・ジョーンズ本人が参加。(ツェッペリン時代よりカッコいい!)  さらにロックファンとしては、デレク・トラックスのスライドギター、スーザン・テデスキのヴォーカルが聴き所!



続いてはピーター・ガブリエルの名曲「Bico」。これは南アフリカの反アパルトヘイト活動家スティーヴン・ビコのことを歌った曲で、第三世界のミュージシャンと共演したワールドミュージックの先駆けでもあり、「Playing For Change」の主旨と一番共鳴する曲だと思う。ヴォーカルはピーター・ガブリエル本人だが、やっぱりこの曲には彼のしゃがれた声が一番相応しいかもしれない。ヨーヨー・マのチェロが妙に合う!


こうなったらキリがないけど、続いてはドクター・ジョンの「Iko Iko」。もとはニューオーリンズのフォークソングらしい。呪文のようなアイコ!アイコ!の連呼は意味不明だが、耳から離れずとにかく楽しい。途中から在りし日のドクター・ジョン本人も登場!


そして最後はザ・バンドの「The Weight」である。ミュージシャンが集まって何か一緒に演奏しようとする時、必ず候補に挙がる名曲だ。ロビー・ロバートソンの最高傑作だと思う。公の場での演奏はこれが最期なのかもしれないが、ロビー本人が出演している貴重な動画だ。さらにドラムはなんと旧知の友のリンゴ・スター!冒頭ではスマホでロビーにキーを尋ねるリンゴの姿が激レア。さらに日本を代表する名ギタリスト「Char」が登場! 左右2分割画面では、一瞬ロビーとリンゴとの共演が実現!


いやあ、やっぱ音楽って楽しいな♪
今ごろロビーも天国で、
仲違いしたリヴォン・ヘルムと
「The Weight」演ってるかもね!


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