GMです。
またも訃報だ。
孤高のギタリスト
ジェフ・ベックが亡くなった。
同世代のミュージシャンの中でも
常に進化を厭わず
とりわけ現役感バリバリで、
袖無しシャツが最も似合う男
ジェフ・ベック…
といってもどれぐらいの人が
ジェフ・ベックをご存知だろうか?
エリック・クラプトンと比べたら
確かに知名度は低いかもしれない。
昔読んだ大崎善生の小説
「ロックンロール」(2003年)の中で、
主人公である小説家植村の
文学賞受賞パーティー3次会の帰りに、
編集者の高井とライバル出版社の新人編集者
久美子と乗り合わせたタクシーのラジオから
突然ジェフ・ベックの「哀しみの恋人達」が
流れてきたシーンがある。
「ジェフ・ベック…」と久美子は高井の言葉を無視して小さな声で言った。
「えっ?」と僕は声を上げた。
「哀しみの恋人達…」
「知ってるの?」
「ええ、大好きです」
僕は少なからず驚いた。60年代のロックはいまだに人気があって、ビートルズやストーンズやクラプトンを聴いている若者が多いだろうことは想像がつく。しかし、ジェフ・ベックはそうは聴かないだろう。ギタリストを目指すロック小僧ならともかく、久美子のような女性編集者が。
私が初めて聴いたジェフ・ベックは
中学生の頃ラジオから流れてきた
「蒼い風」だった。
ラジカセで録音して何度も聴いた。
高校生の頃だった。
野球部の部室で仲間と
誰が一番上手いギタリストか?
という他愛もない話をしてたら、
ピッチャーでエースの安達君が
「GM (あ、当時はまだGMではない)、
ジェフ・ベックのスキャッターブレインは
スゴいぞ!」と言って、
アルバム「ブロウ・バイ・ブロウ」
を後日借してもらった。
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