(※訪問時期が9月上旬の時間差更新です。)
北海道旭川市のソウルフードと言われる名物『新子焼き』。
手羽も含む若鶏の半身を素焼きにした、シンプルかつ豪快な焼き鳥で、戦後の旭川で誕生したそうです。
『新子焼き』という名前は、お寿司でもお馴染みの出世魚「コハダ」が由来。
コハダは成長段階に応じて呼び名が変わる出世魚で、成魚は「コノシロ」という名前。
1番小さい幼魚の頃は「新子」と呼ばれます。
それにならって、若鶏を焼くことから『新子焼き』と名付け、親鳥を焼いたものは『山賊焼き』と呼んで区別したそうです。
旭川で鶏が有名だったのかというと、実は旭川には養豚場は多かったものの養鶏場は少なく、伊達や知床など他の道内産鶏を新子焼きに使用したそうです。
戦後の頃、肉は高価な食材だったため滅多に食べることが出来なかったそうです。
しかし食料不足かつ道内でも屈指の積雪寒冷の厳しい自然環境のため、貴重なタンパク源として比較的安価な鶏肉が食べられたそうです。
新子焼きは、成長を待っている暇はなく、若鶏の段階で最大限に栄養をとる料理法として開発された料理と考えられています。
クリスマスには七面鳥やローストチキンなどの代わりに新子焼きを食べるなど、旭川市民に親しまれているようです。
今までは北海道内でもほとんど知名度が無かったそうです。
2012年に旭川市内で新子焼を提供している飲食店や食肉会社などで「旭川名物“新子焼き”の会」結成され、全国にPRを行ったことで、旭川名物としての知名度が広まっていったとか。
新子焼きの会のホームページで提供店が紹介されており、現在は10店が掲載されています。
今回訪れたのが、昭和25年創業という老舗の焼鳥専門店『ぎんねこ』。
新子焼きのお店を調べたら、必ずと言っていいほど出てくる、新子焼きを代表する有名店。
こちらのお店の新子焼きは、冷凍していない生の道産伊達鶏を炭火でじっくり焼き上げ、創業時より継ぎ足しで作る秘伝のタレで仕上げるそうです。
北海道物産展などでもお馴染みのお店という印象。
新子焼きや、お店のもう一つの名物メニューである「ちゃっぷ焼き」は、真空パックでのネット販売も行っています。
一応大阪でも食べることは出来るのですが、それでもやっぱり現地で食べてみたかった新子焼き。
今回旭山動物園に遊びに来たので、夕飯に食べに行くことにしました。
お店は旭川駅より徒歩15分ほどの距離、「5・7小路ふらりーと」内にあります。
駐車場は近隣コインパーキングを利用。
この日は土曜日、お店には20時前の訪問。
この時まだ空席があったのですんなり入れましたが、お客さんは多かったです。
小さなお店で席数もそこまで多くないものの、予約は受け付けてないそうなので、訪問前には電話で空き状況を確認することがお店より推奨されています。
メニューは名物の新子焼き、ちゃっぷ焼きの他、鶏や豚系の串もの、ご飯系や一品類はそんなに多くなく割とシンプル。
今回は2人で分けながら色々食べようと、新子焼き×1、ちゃっぷ焼き×1、豚舌×1を注文。
ドリンク1オーダーは必須なので、私はウーロン茶350円を注文。
お通しは150円で、この日はキュウリの浅漬け。
価格はいずれも税別表記です。
【新子焼き】1380円
新子焼きは30分〜1時間は焼き時間がかかるそうです。
味付けはタレと塩から選べますが、半分ずつ分けることも可能なので、それでお願いしました。
また2人で食べやすいように、細かく切り分けることも出来るそうです。
切り分ける前に写真撮られますか?と確認していただき、せっかくなので塊状態のものを撮らせてもらうことに。
それが上の写真です。
味付けの都合上、既に半分には切り分けてありましたが、半分でもなかなかのボリューム。
一応店内には本来の新子焼きのサンプルも置いてありました。
結局待ち時間は30分もかからなかった気がします。
20分ちょいでしたかね?
こんがりと香ばしく焼かれた新子焼き。
味自体は食べ馴染みがあると言いますか、想像通りの塩とタレの焼き鳥ではあります。
塩よりもタレが好みでした。
コクのある甘辛タレは、鶏の旨味を活かしつつ深みのある味わい。
シンプルに美味しいです。
値段は高いですがその分量もたっぷりで、2人で分けて丁度よかったです。
【ちゃっぷ焼き】550円
もうケチャップ味しか浮かばないネーミングですが、こちらは生の道産豚肩ロースを丁寧に手焼きし、秘伝のタレで味付けした料理。
名前の由来は、豚肉の切り落とし(ポークチョップ)を使ったことから、当時の人気のプロレスラー「力道山」の必殺技「空手チョップ」をもじって「チョップ焼き」と名付けられ、やがてなまり「ちゃっぷ焼き」となったそうです。
豚肉の濃い旨味に、新子焼きよりもタレを強く感じ、もの凄くご飯が恋しくなる美味しさでした。
【豚舌】150円
玉ねぎはしんなりと柔らかく、とても甘くて美味しいです。
豚舌は硬めで、少し砂肝が浮かぶコリコリ食感。
クセになる美味しさです。
気になっていた新子焼きが食べられて良かったです。
実はぎんねこを訪れたのは、新子焼きが食べたかったというのもありますが、ちゃっぷ焼きってなんだろう?と気になっていたのが多分1番理由です。笑
どちらも食べられて満足!
ご馳走様でした!
焼鳥専門 ぎんねこ
0166-22-4604
北海道旭川市五条通7右6 5・7小路ふらりーと