(※訪問時期が7月中旬の時間差更新です。)
福岡県北九州市にある折尾(おりお)駅の名物駅弁、『かしわめし弁当』。
様々な駅弁イベントでの受賞歴があり、秘密のケンミンSHOWといったテレビなどでも名物として取り上げられる人気の駅弁。
この駅弁を販売しているのは『東筑軒(とうちくけん)』という会社。
大正初期に、国鉄の門司運転事務所所長をしていた本庄巌水(いわみ)さんが、日本各地を旅した際、駅弁が画一化していることを痛感したそうです。
そこで郷土色を生かした駅弁を作ろうと、1921年(大正10年)7月に、折尾駅で「筑紫軒」という弁当屋を始めました。
名物の鶏の水炊きなど、福岡は昔から鶏肉を好んで食べる土地柄であるため、鶏のスープの炊き込みご飯に、鶏肉と卵をあしらった「親子めし」を考案。
しかし「親子めし」を声に出してみると「おやころし(親殺し)」に聞こえてしまうため、名前を『かしわめし』に変更したとか。
筑紫軒は戦時中の1942年に、国策により折尾の「眞養亭」、「吉田弁当」、直方の「東洋軒」と企業統合を行い、これが現在の『東筑軒』になったそうです。
直営店舗はホームページに一覧が掲載されていますが、福岡県北部を中心に数多くの売店を展開。
こちらの会社は弁当の売店だけでなく、うどん店も展開しています。
直営店以外にも、小倉駅や博多駅の売店や、福岡県内のイオンモールなどで委託販売も行っているそうです。
今回は朝食としてかしわめし弁当を買いに行くことにしました。
訪れたのは折尾駅の西口すぐそばにある「折尾本社売店」。
駐車場も店舗横に2台分ありました。
本社売店は弁当の販売と冷凍うどんの持ち帰り、またうどん店も隣接した店舗になります。
こちらの会社が特に拘っていることの一つが、創業時から続く駅構内での「弁当の立ち売り」。
現在では全国的にも数が少ないという、古き良き時代の情景を残した貴重な存在。
4・5番ホームの北口階段付近で行われているそうです。
今回は駅自体の利用はないので、駅前の本社売店を利用しましたが、ちょっと気になりますね。
本社売店内は弁当屋というよりは事務所という雰囲気。
かしわめしがぎっしり詰まったシンプルなものが定番ですが、今回気になったのが、かしわめしと色んなおかずが入ったお弁当「けやき」。
むしろこちらの方がお手頃価格。
通常のかしわめし弁当に比べ、かしわめしの量自体は少なくなるようですが、色々食べたいなと思いこちらを購入。
【けやき】510円(税込)
内訳はかしわめし、からあげ、白身フライ、厚焼き卵、椎茸、花人参、スパゲッティー、たけのこ、花蒲鉾。
かしわめしのお米には九州・山口産の国産米を100%使用。
炊き込みご飯は鶏肉とガラでしっかりスープをとり、調味料を足して炊飯。
調味料の配合は創業者の奥さんが開発したもので、門外不出の一子相伝の味として、代々女性のみに受け継がれているとか。
かしわ肉は醤油などを加え、水分がなくなるまで香ばしく煮詰めてあります。
肉は普通のブロイラーより長く飼育された鶏を使用しており、硬めの肉質ながら鶏本来の旨味が濃いのが特徴。
かしわ肉は甘めの味付けで、確かにパサパサとして硬いですが、噛むほどに旨味が染み出して美味しいです。
「鶏肉以上にご飯が旨い」と定評がある炊き込みご飯は、味付け自体は優しいものの、鶏の旨味をしっかり纏った深みのある味わい。
ふわっとした錦糸卵や海苔がまた相性抜群で、一口食べると止まらない美味しさです。
ただおかずに関しては、かしわめしの美味しさに比べると、一般的なお弁当とそこまで変わらなかった印象。
唐揚げが凄く硬かったのはよく覚えています。笑
通常のかしわめし弁当がとてもシンプルなのも納得。
かしわめしがあればおかずが無くても十分満足できそうです。
美味しい朝食になりました。
ご馳走様でした!
東筑軒 本社
093-601-2345
福岡県北九州市八幡西区堀川町4-1