数学・化学講師 佐藤学による受験生に役立つ濃縮ポイントと…etc -13ページ目

☆化学 東京海洋大学(2019年)の理由を問う記述問題

今日は、東京海洋大学(2019年)で出題された理由を問う記述問題を紹介します。

 

挑戦してみてください!

 

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次の文章を読み,問に答えよ。

 酸化還元反応に伴って発生する化学エネルギーを電気エネルギーとして取り出す装置を,化学電池(以下,単に電池と記す)という。

 

異なる2種類の金属を導線で結び,これらの金属を電解質水溶液に浸すと,イオン化傾向の「 ア 」金属から「 イ 」金属に電子が移動する。

 

このとき,2種類の金属を電池の電極といい,導線へ電子が流れ出る電極を「 ウ 」,導線から電子が流れ込む電極を「 エ 」と呼ぶ。

 

電池の両極に回路を接続して電流を取り出すことを電池の「 オ 」といい,「 ウ 」と「 エ 」の間に生じる「 カ 」を電池の起電力という。

 

一方,電池内で酸化還元反応に直接関わる物質を「 キ 」といい,「 ウ 」で「 ク 」としてはたらく物質を「 ケ 」,「 エ 」で「 コ 」としてはたらく物質を「 サ」 という。


 1800年頃にボルタによって考案された電池は,1亜鉛板と銅板を希硫酸中に浸したものである。両者の金属板を導線で結ぶと導線に電気が流れるが,2間もなく起電力が低下して,電流は流れにくくなる

 

。この現象を電池の「 シ 」という。そこで,ダニエルは素焼き板で2つに仕切った容器に硫酸亜鉛の水溶液と硫酸銅(Ⅱ)の水溶液を分けて入れ,前者に亜鉛板を,後者に銅板を浸した電池を考案した。

 

一般にダニエル電池は「 シ 」が起こらない点で,ボルタ電池の改良型ともいえる。

 

ダニエル電池で3起電力を長時間維持させるには,水溶液中の硫酸亜鉛や硫酸銅(Ⅱ)の濃度を調整すればよい。

問1 文中の「 ア 」から「 シ 」にもっとも適切な語を,下記の語群から1つずつ選んで答えよ。なお,同じカタカナの「   」には同じ語が入る。
 

〔大きな    小さな    酸化剤    還元剤  充電     放電    分極    正極
 負極    電気分解    電気陰性度    電離度  電気素量    電位差    抗生物質    活物質
 正極活物質    負極活物質〕

問2 下線部1について,ボルタ電池の構成を表す式(電池式)を示せ。

問3 下線部2について「 シ 」が起こる原因を,「 ウ 」に着目して40字以内で述べよ。

問4 ダニエル電池において,酸化および還元された元素あるいはイオンはそれぞれ何か。元素は元素記号で,イオンはイオン式で答えよ。

問5 ダニエル電池の導線の中央部に電圧計を設置し,電圧の値が安定していることを確認してから素焼き板を取りはずして硫酸銅(Ⅱ)水溶液と硫酸亜鉛水溶液を混合した。

そのとき,亜鉛板の表面に次第に銅が付着し始め,電圧が低下した。これらの現象が生じた理由を化学反応式を使って説明せよ。


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問1

 

 ア…大きな

 イ…小さな

 ウ…負極
 エ…正極

 オ…放電

 カ…電位差
 キ…活物質

 ク…還元剤

 ケ…負極活物質
 コ…酸化剤

 サ…正極活物質

 シ…分極

 

問2 

 

(-)Zn|H2SO4aq|Cu(+)
 

 

問3

 

 負極周辺の亜鉛イオン濃度が上昇し,イオン化が起こりにくくなるため。
 

 

問4

 

 酸化…Zn

 還元…Cu2+
 

 

問5 

 

溶液を混合することにより,次の反応が起こる。
 

Cu2+ + Zn → Cu + Zn2+
 

亜鉛のイオン化傾向は銅よりも大きいので,溶液中のCu2+は亜鉛板表面で電子を受け取り銅を析出する一方で,亜鉛はZn2+となって溶液中に溶けだし,導線を通して亜鉛板から銅板に電子が移動できなくなるため。

 

 

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☆化学  電気通信大学 後期(2019年)の理由を問う記述問題

今日は、 電気通信大学 後期(2019年)で出題された理由を問う記述問題を紹介します。

 

挑戦してみてください!

 

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 10gのステアリン酸C17H35COOHをビーカーに取り,エタノールと水酸化ナトリウム水溶液を加えて,かき混ぜながら湯浴で加熱して過不足なく反応させた。


均一になった水溶液を飽和食塩水と混合したところ,物質Yが析出した。①Yを水に溶かしたときに生じるステアリン酸イオンは,水になじみにくい炭化水素基C17H35-と水になじみやすい-COO-基からなるので,Yは②界面活性剤になる。


(1) 物質Yが得られる化学反応式を書け。


(2) 下線部①の水溶液は,酸性,中性,塩基性のいずれか。その理由を,化学反応式を用いて説明せよ。


(3) 下線部②について,合成洗剤では硫酸アルキルナトリウムなどが主成分となる。

硫酸アルキルナトリウムの水溶液は,酸性,中性,塩基性のいずれか。

また,この水溶液の硬水中での泡立ちはYの水溶液と比べてよいか,悪いか,理由とともに記せ。


電気通信大学 後期(2019年) 一部改

 

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(1) C17H35COOH + NaOH → C17H35COONa + H2O

(2) 塩基性

理由…ナトリウム塩がすべて電離するが,ステアリン酸は弱酸なので次のような反応で水酸化物イオンを生成するから。

C17H35COO + H2O → C17H35COOH + OH

(3) 中性,よい,理由…Ca2+などの陽イオンとの塩が水溶性だから。
 

 

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☆化学 千葉大学(2019年)の理由を問う記述問題

今日は、千葉大学(2019年)で出題された理由を問う記述問題を紹介します。

 

挑戦してみてください!

 

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 次の文章を読み,以下の問い答えなさい。

 トリアシルグリセロール(油脂)は,1分子のグリセリン(グリセロール)に3分子の脂肪酸がエステル結合したものである。

 

1分子のグリセリンに2分子の脂肪酸がエステル結合したものはジアシルグリセロールと呼ばれ,その残りのヒドロキシ基に糖類がグリコシド結合したものをグリセロ糖脂質という。

 

グリセロ糖脂質は高等植物の葉緑体チラコイド膜に含まれ,光合成において重要な役割を担っている。
 

 炭素,水素,酸素からなるグリセロ糖脂質Aの構造決定を行った。グリセロ糖脂質Aのグリコシド結合を加水分解すると,ジアシルグリセロールBと単糖Cが生成した。

 

ラクトースにラクターゼを作用させると単糖Cを生じたが,スクロースにインベルターゼを作用させても単糖Cは生成しなかった。

 

ジアシルグリセロールBを酸化して得られる化合物Dを②フェーリング液に加えたところ,赤色沈殿が生じた。

 

ジアシルグリセロールBを完全にけん化したところ,グリセリンと脂肪酸Eのみが生成した。脂肪酸Eは直鎖状であり,ヨウ素と反応しなかった。

■問題1 下線部①から推定される単糖Cの化合物名をかきなさい。

 

■問題2 下線部②について,次の問いに答えなさい。
水溶液中におけるグルコースの鎖状構造の存在比は1%未満であるが,すべてのグルコース分子がフェーリング液と反応する。その理由を50字以内で説明しなさい

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■問題1……ガラクトース

 

 

■問題2…… 
水中では鎖状と環状が平衡状態にあり,鎖状が還元されて減少すると平衡が移動して鎖状が増えるから。

 

 

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