数学・化学講師 佐藤学による受験生に役立つ濃縮ポイントと…etc -122ページ目

過●●酸、亜●●酸(酸素酸の命名法)


1つの元素がいくつかの酸素酸をつくる場合、最も普通の酸を●●酸といい
これを基準に酸素原子が1つ多いものを●●酸、
酸素原子が1つ少ないものを●●酸、
2つ少ないものを次亜●●酸といいます。

例えば、

過塩素酸 HClO4
塩素酸 HClO3
亜塩素酸 HClO2
次亜塩素酸 HClO

硫酸 H2SO4
亜硫酸 H2SO3

硝酸 HNO3
亜硝酸 HNO2

過マンガン酸
HMnO4

などがあります。

1996年~2012年度(本・追試験)で
がつく化合物が出題された問題を調べてみました。


1つが
亜硝酸アンモニウム水溶液から窒素を発生させる反応です。
NH4NO2 → N2↑+2H2O
窒素の生成法あまり出題されないのですが、1996年の追試験で出題されていました。

2つめが
有機化合物のジアゾ化反応

アニリンに希塩酸を溶かして冷氷したものに亜硝酸ナトリウム水溶液を加えると
塩化ベンゼンジアゾニウムが生成するという反応です。
2008年の追試験で出題されています。


3つめが
二酸化硫黄の生成法で
亜硫酸水素ナトリウム(亜硫酸ナトリウムでも可)に塩酸(希硫酸でも可)を加えると二酸化硫黄が生成します。
NaHSO3 + HCl → NaCl + H2O + SO2

二酸化硫黄の生成法は他にも
銅に希硫酸を加えても発生します。こちらも重要なのでまとめて覚えてください。
2010年度本試験、2008年度本試験、2003年度本試験で出題されています。

4つめが
次亜塩素酸に関する問題で

正誤問題として
次亜塩素酸酸化作用が強いので,漂白剤や殺菌剤,消毒剤として用いられている。
・塩素を水に溶かすと,次亜塩素酸が生成する。
Cl2 + H2O → HCl + HClO
※塩素は水に少し溶け,一部が水と反応して次亜塩素酸を生じます。
2011年度本試験、2010年度本試験、2004年度追試験で出題されています。

亜●●酸という化合物はあまりでてはきませんが
上記4つをつなげてまとめて覚えてくださいね。

身の回りの化学に関する問題2

今日は、身の回りの化学に関する問題の非金属・有機化合物編です。


希ガス
・希ガスは電球の封入ガスに使われる。これは希ガスは安定で他の物質と反応しにくいためである。



C
・黒鉛は炭素の単体で,黒色の光沢のある結晶で,軟らかく電気や熱をよく伝える。
 鉛筆の芯や乾電池の電極に用いられる。※同じく炭素の単体であるダイヤモンドは電気を通さない!

・黒鉛では炭素原子は他の3個の炭素原子と共有結合して,平面状の巨大分子をつくっている。
 しかし,平面状分子の間に働く分子間力は弱いので,薄片にはがれやすく柔らかい。

・閉め切った室内で炭(C)を燃やし続けると危険である。これは,酸素が少ないとCが不完全燃焼し, 有毒な一酸化炭素(CO)が生成するため。

・炭酸飲料をコップに入れて室温に放置すると,次第に発泡が弱くなる。これは,飲料中に溶解している二酸化炭素の量が減少するため。
※気体の溶解度は温度が高いほど小さい。

・ドライアイスは,二酸化炭素(CO2)の固体である。




Si
・ケイ素(Si)は周期表の14族の元素で,同じ14族の炭素(ダイヤモンド)と同様に正四面体型の共有結合の結晶をつくる。高純度のケイ素は,半導体の性質を示し,太陽電池の材料として用いられる。

・リン(P)や硫黄(S)の単体は地殻中に存在するが,ケイ素の単体は自然界には存在しない。

・水晶の主成分は,二酸化ケイ素(SiO2)である。

・二酸化ケイ素は,けい砂などとして天然に存在し,けい砂はガラス製造などのケイ酸塩工業(窯業)における原料として用いられている。

・フッ化水素(HF)の水溶液であるフッ化水素酸(HFaq)は,二酸化ケイ素を溶かす性質があり,くもりガラスの製造等に利用されている。



N
・ハーバー法によって,空気中の窒素からアンモニア(NH3)が合成できるようになった。NH3から窒素肥料が合成され,窒素肥料には尿素((NH2)2CO)や硫酸アンモニウム((NH3)2SO4)等がある。

・肥料の3要素は,窒素,リン,カリウムで,これらを含む肥料をそれぞれ窒素肥料,リン酸肥料,カリ肥料という。



P
・黄リンを大気中に放置すると自然発火して十酸化四リン(P4O10)になる。赤リンは自然発火しない。



S
・硫黄(S)は火山地帯などで単体として得られるが,ケイ素(Si)は酸化物やその塩として存在する。

・火山地帯や温泉では,卵の腐ったような臭い(腐卵臭)がすることがある。これは有毒気体である硫化水素(H2S)の臭いである。
・硫黄の酸化物(SO2)は有毒である。さらに酸化されたSO3は,硫酸(H2SO4)などの工業原料になる。



Cl2
・塩素(Cl2)は水に少し溶け,その一部が水と反応して塩化水素(HCl)と次亜塩素酸(HClO)を生じる。

・次亜塩素酸は酸化力が強く,漂白・殺菌作用を示す。

・塩素を含む漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)と酸性の洗剤を混ぜると有毒な塩素ガスを発生する。

・塩素を含むプラスチックの不完全燃焼によって,塩化水素ガスや有毒なダイオキシン類が発生する恐れがある。

・フロン(クロロフルオロカーボン)は,炭化水素の水素を塩素とフッ素(F)で置換した化合物の総称である。成層圏で,フロンガスが紫外線によって分解して塩素原子が生じ,これがオゾン層破壊の原因となる。


I2
・ヨウ素は水に溶けにくいが,ヨウ化カリウム水溶液には溶けて褐色の溶液になる。これは,ヨウ素ヨウ化カリウム水溶液(ヨウ素溶液)とよばれる。デンプンを加えると青紫色に呈色する (ヨウ素デンプン反応)ので,デンプンの検出反応に用いられる。

・うがい薬に使われるヨウ素には,その気体を冷却すると,液体にならずに固体になる性質(昇華という)がある。




・水の凍結(凝固)によって,水道管が破損することがあるのは,水の体積は,固体の方が液体より大きいため,水道管内で水が凍結し,体積が増加するため。

・お湯を沸かしたときに白く見える湯気は,水蒸気が凝縮してできた水滴である。



有機化合物
・ナフタレンを主成分とする防虫剤は,虫がナフタレンの蒸気を嫌うことによる。ナフタレンは昇華(固体から直接気体に変化する)によって,防虫剤は小さくなっていくが液体にならないので衣類に染みて傷めることはない。

・セッケン水に油を入れて振り混ぜると,セッケンの疎水基が油滴を取り囲み親水基が外側に向いてミセルを形成し,油滴を水中に分散させる。この現象をセッケンの乳化作用という。

・セッケンの洗浄力は硬水中では低下する。これはセッケンがカルシウムイオンやマグネシウムイオンと反応して,水に溶けにくい塩をつくるためである。

・エチレン(C2H2)を付加重合させて得られる高分子をポリエチレンといい,容器や袋などに用いられる。

・ポリエチレンテレフタラート(PET)は,テレフタル酸とエチレングリコールのエステル結合による縮合重合体(エステル結合を含んだ高分子化合物)であり,衣料品や容器などに用いられている。

・動植物の体内に存在している油脂は高級脂肪酸とグリセリンとのエステルである。液体の油脂に水素を付加させると固体の硬化油となり,マーガリンなどの原料に用いられる。
・皮膚をアルコールで消毒するとき,アルコールがその蒸発に伴って体から熱を奪う為,冷たく感じる。

センター試験で出題された「身の回りの化学」に関する問題

センター試験の化学では「身の回りの化学に関する問題」が近年毎年出題されています。

そこで、今日は「無機物質の金属編」についてまとめてみました。
下記は実際に出された問題or問題文にポイントを付け加えたものor誤っていた問題文を正したものです。
今後も出題される可能性があるのでしっかり覚えてください。


Li
・リチウム(Li)を使う二次電池は,小型のため携帯電話の電子機器に用いられている。


Na
・炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)は加熱すると熱分解で二酸化炭素が発生するので,ふくらし粉(ベーキングパウダー)に利用されている。

・ナトリウムは,炎色反応で黄色を呈する元素であるので,その化合物は花火に利用されている。

・ガラスの原料に使われる炭酸ナトリウム(Na2CO3)は,アンモニアソーダ法(ソルベー法)によって合成できる。アンモニアソーダ法は,塩化ナトリウム(NaCl)から炭酸ナトリウム(Na2CO3)をつくる方法である。この方法の開発により,ガラス製品が普及した。


Mg
・マグネシウム(Mg)は軽い金属なので,軽量な合金の材料として用いられ,マグネシウム合金はパソコンや電気製品のボディーの素材として利用されている。



Ca

・海苔の袋の中に乾燥剤として入っている酸化カルシウム(CaO 生石灰)を水に濡らすと高温になる。 これは,塩基性酸化物の酸化カルシウムは水と反応して,水酸化カルシウム(Ca(OH)2 消石灰)を生じ,発熱するため。

・焼きセッコウに水を加えると,発熱しながら膨張し,セッコウになって硬化する。この性質を利用して,建築材料や陶磁器の型,医療用ギプスなどに用いられる。

・大理石の主成分は炭酸カルシウム(CaCO3)であり,大理石の彫刻は酸性雨の被害を受けることがある。これは,CaCO3 は,弱酸と強塩基の塩であるので,硝酸(HNO3)のような強酸を含む酸性雨と反応して溶けだすためである。

・炭酸カルシウムは,卵の殻や貝殻の主成分でもある。


Ba
・硫酸バリウム(BaSO4)は,白色顔料やX線撮影の造影剤に用いられる。(出題されていないが、今後出題可能性あり)


Fe
・ステンレス鋼は錆びにくい合金であり,鉄を主成分としてクロム(Cr)やニッケル(Ni)を含んでいる。錆びにくい性質を利用し,台所の流し台などに用いられる。

・使い捨てカイロ内では,鉄粉が空気中の酸素によって徐々にさびている。つまり,鉄粉は酸化され,この反応熱によって,カイロは温かくなる。

・精錬は,粗金属の純度を高め精製する工程である。鉄の場合は,電気分解ではなく,銑鉄を転炉に入れて酸素を吹き込み,鉄中の炭素(C)を一酸化炭素(CO)として酸化除去して鋼にする。

・鉄を亜鉛(Zn)でめっきすると,さびにくくなる。鉄の表面を亜鉛でおおったものをトタンといい,トタンに傷がついても亜鉛は鉄よりもイオン化傾向が大きいため,亜鉛が陽イオンとなって溶けるので.鉄は腐食されにくくなる。


Cu
・銅(Cu)は赤みを帯びた金属で,熱伝導性,電気伝導性が銀(Ag)についで大きく,さらに展性・延性も,金(Au),銀についで大きいので,電線などの電気材料に多量に用いられる。

・真鍮(しんちゅう)は銅に亜鉛を混ぜた合金である。

・銅を屋外で放置すると,大気中のH2OやCO2によって緑色のさびである緑青(ろくしょう)を生じる。



Ag
・銀(Ag)は銀白色の金属で,電気と熱の伝導性が金属中で最大である。展性や延性も金の次に大きく,酸化にも比較的強い。このため,電気配線や鏡,食器や装飾品などに用いられている。

・銀のハロゲン化物は,光によって分解し,銀を析出する。このような性質を感光性といい,ごの性質を利用して写真フイルムの感光剤として用いられている。



Zn
・亜鉛(Zn)は,乾電池の電極や黄銅などの合金,トタン(亜鉛をメッキした鋼版)などに利用されている。



Pb
・鉛(Pb)は,鉛蓄電池やハンダなどの合金に利用されている。また,X線などの放射線を吸収する能力が大きく,X線遮蔽材に用いられることもある。


Al
・アルミニウム(Al)は,熱や電気をよく伝え,展性や延性に富むこので,電気材料やアルミニウム箔などの家庭用品,飲料用缶などに用いられている。

・航空機の機体に利用されている軽くて強度が大きいジュラルミンは,アルミニウムを含む合金である。ジュラルミンは,主成分がAlで,Cu,Mg,Mnを少量含む。



Hg
・水銀(Hg)は多くの金属を溶かし,合金(アマルガム)をつくる。


その他金属
・銅,鉄,アルミニウムに代表される金属は自由電子をもつので,高い電気伝導性・熱伝導性を示す。

・花火がさまざまな色を示すのは,炎色反応によるものである。