数学・化学講師 佐藤学による受験生に役立つ濃縮ポイントと…etc -109ページ目

アルコールに関する正誤問題

今日はアルコールに関する正誤問題です。

炭化水素基にヒドロキシ基(-OH)が結合したものをアルコールといい,分子中にヒドロキシ基を1個含むものを1価アルコール,2個含むものを2価アルコール,3個含むものを3価アルコールといいます。

さらに,ヒドロキシ基が結合している炭素原子に,0個または1個の炭素原子が結合しているものを第一級アルコール,2個の炭素原子が結合しているものを第二級アルコール,3個の炭素原子が結合しているものを第三級アルコールといいます。

入試で登場するアルコールは多く,様々な反応をするので,性質・反応をしっかり整理しておさえましょう!



★次の正誤を判定せよ。

■問題① プロパノールは,水によく溶ける。


■問題② エタノールの水溶液は,弱酸性である。


■問題③ エタノールは,分子量が同程度のプロパンよりも沸点が低い。


■問題④ エタノールとジメチルエーテルは,互いに構造異性体である。


■問題⑤ 一酸化炭素と水素の混合気体を,酸化亜鉛ZnOの触媒を用いて,高温・高圧下で反応させるとエタノールが生成する。 


■問題⑥ エチレンに濃硫酸の触媒下で水を付加させると,メタノールが生成する。


■問題⑦ エタノールにナトリウムを反応させると,酸素が発生する。


■問題⑧ エタノールと濃硫酸との混合物を130~140℃で加熱すると,脱水反応が起こり,ジメチルエーテルが生成する。


■問題⑨ エタノールと濃硫酸との混合物を160~170℃で加熱すると,エチレンが生成する。


■問題⑩ エタノールに硫酸酸性の二クロム酸カリウム水溶液を加え,加熱するとホルムアルデヒドが生成する。


■問題⑪ 2-ブタノールを,硫酸酸性の二クロム酸カリウム水溶液で酸化すると,アセトアルデヒドが生成する。


■問題⑫ 2-メチル-2-プロパノールを酸化すると,アセトンが生成する。


■問題⑬ ベンジルアルコールを酸化すると,ベンズアルデヒドが生成する。


■問題⑭ エタノールに少量の硫酸の存在下で,酢酸と反応させると,酢酸メチルが生成する。


■問題⑮ 油脂は,2価アルコールであるエチレングリコールと種々の高級脂肪酸とのグリセリンエステルである。



■問題⑯ エタノールにヨウ素と水酸化ナトリウム水溶液を加えて温めると,黄色沈殿が生じる。






★解答

□問題①
□解答 …… 正しい。

アルコールは,炭素数が3個のアルコールであるプロパノールC3H7OHまで,
水によく溶け,炭素原子の数が大きくなるにつれて溶けにくくなります。
理由は,炭素原子が増える=炭化水素基(疎水基)が大きくなるため,分子全体に対する親水基の割合が減るので水に溶けにくくなります。


□問題②
□解答 …… 誤り。
アルコールは,ヒドロキシ基-OHを持ちますが,水に溶かしてもH+が電離せず,
アルコールの水溶液は中性となります。よって,酸・塩基とは中和反応しません。
しかし,フェノール類の-OHは電離し,H+を放出するため弱酸性となります。


□問題③
□解答 …… 誤り。


エタノール(沸点は約78℃)は,ヒドロキシ基-OHをもち,ヒドロキシ基は極性が大きいため,分子間で水素結合を形成するため,沸点が高くなります。


□問題④
□解答 …… 正しい。

エタノールC2H5OHとジメチルエーテルCH3OCH3は,分子式はC2H6Oと同じで互いに構造異性体にあります。


□問題⑤
□解答 …… 正しい。

エタノールC2H5OHではなく,メタノールCH3OHが生成します。
この反応は,メタノールの工業的製法で,一酸化炭素と水素の混合気体を水性ガス
といいます。
メタノールは,無色で有毒な液体で,蒸気を吸うと眩暈を起こしたり,目に入ると失明する恐れがあるので,扱いには注意が必要です。


□問題⑥
□解答 …… 誤り。

メタノールではなく,エタノールが生成します。
エタノールは,アルコール飲料,殺菌・消毒薬など様々な薬品の原料として用いられます。


□問題⑦
□解答 …… 誤り。

酸素O2ではなくて,水素H2が発生します。

アルコールは,-OHを持つので金属Naと反応し,ナトリウムアルコキシドが生成し,水素が発生します。
同様に,-OHを持つフェノールも金属Naと反応し,ナトリウムフェノキシドが生成し,水素を発生します。
この反応は,有機化合物中の-OH基の検出に用いられます。


□問題⑧
□解答 …… 誤り。

ジメチルエーテルではなくて,ジエチルエーテルが生成します。この反応は分子間脱水反応です。



□問題⑨
□解答 …… 正しい。

分子内脱水反応が起こり,エチレンが生成します。

この反応はエチレンの実験的製法です。
アルコールの脱水反応には,2分子間で水1分子がとれる分子間脱水反応と1分子内で水1分子がとれる分子内脱水反応の2種類がありましたね。
温度によって,生成物が異なるので,注意してください!


□問題⑩
□解答 …… 誤り。

ホルムアルデヒドではなく,アセトアルデヒドが生成します。

エタノールのように第一級アルコールを酸化すると,H2個が取れてアルデヒドが生成し,アルデヒドをさらに酸化すると,カルボン酸が生成します。



□問題⑪
□解答 …… 誤り。

アセトアルデヒドではなくて,エチルメチルケトンが生成します。

2-ブタノールのような第二級アルコールを酸化すると,Hが2個取れて,ケトンが生成します。



□問題⑫
□解答 …… 誤り。

2-メチル-2-プロパノールは,第三級アルコールで,第三級アルコールは酸化されにくく,アセトンは生成しません。
ケトンであるアセトンは,2-プロパノールを酸化すると,生成します。


□問題⑬
□解答 …… 正しい。

ベンジルアルコールは,第一級アルコールなので,酸化すると,側鎖の-CH2OHが
アルデヒド基-CHOとなり,ベンズアルデヒドが生成します。さらに,酸化すると,
アルデヒド基-CHOがカルボキシ基-COOHになりカルボン酸である安息香酸が生成します。



□問題⑭
□解答 …… 誤り。

酢酸メチルではなく,酢酸エチルが生成します。
カルボン酸とアルコールを反応させると,分子間で水分子がとれてエステルが生成します。この反応をエステル化といいます。



□問題⑮
□解答 …… 誤り。

油脂は,エチレングリコールではなく,3価アルコールであるグリセリンと種々の高級脂肪酸とのグリセリンエステルです。


□問題⑯
□解答 …… 正しい。

エタノールにヨウ素I2と水酸化ナトリウムNaOH水溶液を加えて温めると,ヨードホルムCHI3が黄色沈殿します。この反応はヨードホルム反応といいます。

アルケンに関する正誤問題

現在,化学の参考書の執筆のため更新が滞っていました。
参考書は,校正段階に入っています。

それでは,今日はアルケンに関する正誤問題です。

分子内に1つの二重結合をもつ鎖式炭化水素をアルケンといい,一般式はCnH2nで表されます。アルケンは二重結合をもつため,アルカンとは異なり反応性に富むため,付加反応・酸化反応などを起こします。
アルケンの代表であるエチレンの性質・反応についておさえることがポイントです。



★次の正誤を判定せよ。

■問題① アルケンは,水にはよく溶けるが,有機溶媒には溶けにくい。

■問題② 構造異性体の関係にあるシス-2-ブテンとトランス-2-ブテンの沸点は同じである。

■問題③ エチレンの2個の炭素原子と4個の水素原子は,すべて同一平面上にある。

■問題④ 1-ブテンには,幾何異性体が存在する。

■問題⑤ アルケンは,アルカンに比べて一般に反応性に富む。

■問題⑥ メタノールと濃硫酸との混合物を160~170℃で加熱すると,脱水反応が起こり,エチレンが生成する。

■問題⑦ プロピレン(プロペン)に臭素を付加させると,1,1-ジブロモプロパンが生成する。

■問題⑧ エチレンに濃硫酸を触媒として水を付加させると,メタノールが生成する。

■問題⑨ エチレンをパラジウム触媒の存在下,酸素で酸化するとホルムアルデヒドが生成する。

■問題⑩ アルケンをオゾン分解させると,カルボン酸またはケトンが生成する。

■問題⑪ エチレンは,付加重合すると,ポリエチレンが生成する。






★解答

□問題①
□解答 …… 誤り。

アルケンは,アルカン同様に,極性が小さいため,水にはほとんど溶けませんが,
無極性溶媒であるベンゼンやジエチルエーテルなどの有機溶媒にはよく溶けます。


□問題②
□解答 …… 誤り。

シス-2-ブテンの方が少し沸点は高くなります。理由は,シス-2-ブテンは極性分子で,
分子間力に加えて極性引力)がはたらくため,その分だけ結合が強くなり,沸点が高くなります。


□問題③
□解答 …… 正しい。

アルケンでは,二重結合した炭素原子と,炭素原子に直接結合した4個の原子は,同一
平面上にあります。

最も簡単なアルケンであるエチレンは,無色でかすかな甘いにおいを持つ気体です。
また,植物ホルモンの1つで果実の成熟を促進させる働きをもちます。


□問題④
□解答 …… 誤り。

異性体のうち,二重結合に結合した置換基の配置が異なる立体異性体を幾何異性体
といいます。
1-ブテンではなく,2-ブテンに幾何異性体が存在します。炭素数が4以上のアルケン
には,構造異性体の他に,二重結合の位置の違いによる幾何異性体が存在します。


□問題⑤
□解答 …… 正しい。

アルケンは,二重結合をもつので,反応性に富み,主に付加反応をします。
二重結合部分C=Cの1本目の結合をσ結合,2本目の結合をπ結合といい,π結合は
弱い結合のため容易に切れて,そこにいろんな原子や原子団が付加します。


□問題⑥
□解答 …… 誤り。

メタノールではなく,エタノールと濃硫酸との混合物を160~170℃で加熱すると,
分子内脱水反応が起こり,エチレンが生成します。
上記の温度より低い,130~140℃で加熱した場合は,分子間脱水反応が起こり,
ジエチルエーテルが生成します。
温度によって生成物が変わるので,入試でもよく狙われます!

□問題⑦
□解答 …… 誤り。

1,1-ジブロモプロパンではなく,1,2-ジブロモプロパンが生成します。
アルケンに臭素水を加えると,臭素が付加し,臭素水の色(赤褐色)が消えます。
この反応は,C=C二重結合,C≡C三重結合の不飽和結合の検出に用いられます。
ベンゼンやフェノールに臭素が付加した場合も臭素水の色が消えることも
一緒におさえてください。

□問題⑧
□解答 …… 誤り。

メタノールではなくエタノールが生成します。
一般に,アルケンに,濃硫酸H2SO4かリン酸H3PO4を触媒として水を付加させると,
アルコールが生成します。

□問題⑨
□解答 …… 誤り。

ホルムアルデヒドではなく,アセトアルデヒドが生成します。この反応は
アルデヒドの工業的製法でヘキストワッカー法といいます。


□問題⑩
□解答 …… 誤り。

アルケンをオゾンO3によって分解させると,炭素原子間の二重結合が切れ,炭素-酸素の二重結合ができ,アルデヒドとケトンが生成します。
この反応は酸化反応の1つで,アルケンは,付加反応以外にも,酸化反応も受けやすく,
様々な酸化剤と反応します。
アルケンによる酸化には,主に「オゾンによる酸化」と「過マンガン酸カリウム」
による酸化の2つがあります。

オゾン分解と比較しておさえてほしいのですが,
過マンガン酸カリウムKMnO4による酸化の場合は,オゾンによる酸化と同様に,炭素原子間の二重結合が切れ,炭素-酸素の二重結合ができますが,生成した2つの
化合物は,さらに,酸化されケトンかカルボン酸になります。


□問題⑪
□解答 …… 正しい。

アルケンであるエチレンやプロピレンに適当な条件下で反応すると,二重結合が
切れて,次々に分子がつながり分子量の大きな高分子化合物が生成します。
このように,付加反応が連続して起こり,高分子化合物を生じる反応を付加重合
といいます。

ポリエチレンは,成形加工しやすく,耐薬性を持つため,ポリ袋,ポリバケツ,飲料用
ボトルなどに,利用されています。

アルカンに関する正誤問題

今日からテーマ別に分けた正誤問題を出題します。

今日は,アルカンに関する正誤問題です。

■炭素原子間の結合がすべて単結合で,鎖状に結合した炭化水素化合物をアルカン(一般式はCnH2n+2),炭素原子間の結合がすべて単結合で,環状に結合した部分を含む炭化水素化合物をシクロアルカン(一般式はCnH2n)といいます。

アルカンは,すべて単結合でできているため,反応性に乏しいのが特徴で,反応は,燃焼とハロゲンによる置換反応をおさえておけばいいでしょう。
アルカンの代表であるメタンの性質についておさえることがポイントです!



★次の正誤を判定せよ。

■問題① アルカンは,水によく溶ける。

■問題② ブタンは常温・常圧で気体である。

■問題③ アルカンの沸点は,炭素原子数が増大するにつれて低くなる。

■問題④ メタンは正方形の構造をし,H-C-Hの結合角は90°である。

■問題⑤ エタンは,C-C結合を軸として,両側のメチル基が回転できる。

■問題⑥ シクロヘキサンの環を構成している炭素原子はすべて同一平面上にある。

■問題⑦ 炭素数4のアルカンには,3種類の構造異性体がある。

■問題⑧ シクロアルカンの一般式は,アルケンの一般式と同じである。

■問題⑨ 酢酸ナトリウムと塩酸の混合物を加熱するとメタンが生成する。

■問題⑩ アルカンは,可燃性で燃料になる。

■問題⑪ シクロアルカンは,アルカンとは異なり反応性に富む。

■問題⑫ メタンと塩素の混合物に光を照射すると,四塩化炭素が生成する。






★解答

□問題①
解答 …… 誤り。

アルカンは,極性が極めて小さい分子のため,極性溶媒である水にはほとんど溶けず,無極性溶媒であるベンゼンやジエチルエーテなどの有機溶媒にはよく溶けます。


□問題②
解答 …… 正しい。

ブタンの分子式は,C4H10でアルカンの,一般式CnH2n+2 の n=4までが常温・常圧で気体,
n=5~16で液体,n =17以上で固体となります。


□問題③
□解答 …… 誤り。

炭素数が増加すると分子量も大きくなり,分子どうしの結合に働く分子間力が大きくなるので,沸点や融点は高くなります。


□問題④
□解答 …… 誤り。

炭素の4本の単結合は炭素原子を中心として正四面体の頂点の方向に向いています。
よって,メタンCH4は,正四面体の構造をし,H-C-Hの結合角は約110°くらいです。


□問題⑤
□解答 …… 正しい。
アルケンのC=C二重結合,アルキンのC≡C三重結合は回転できませんが,アルカンのC-C結合は自由に回転できます。


□問題⑥
□解答 …… 誤り。

シクロへキサンC6H126の環状構造は,ベンゼンC6H6とは異なり同一平面上には存在せず,いす形,舟形などの立体構造をとっています。


□問題⑦
□解答 …… 誤り。

分子式が同じで,性質の異なる化合物を異性体といい,原子のつながり方が異なる異性体を構造異性体といいます。アルカンは,炭素数4以降から構造異性体が存在し,炭素数4のアルカンには,
ブタン,2-メチルプロパンの2種類の構造異性体があります。


□問題⑧
□解答 …… 正しい。

一般式は,CnH2n で同じです。


□問題⑨
□解答 …… 誤り。

塩酸HClではなくて,水酸化ナトリウムNaOHまたはソーダ石灰(CaO+NaOH)で
メタンCH4が生成します。これは,CH4の実験的製法となり反応式は次のようになります。

CH3COONa + NaOH → CH4 + Na2CO3

アルカンは天然から得られる場合が多いので,製法はメタンくらいしか問われません。


□問題⑩
□解答 …… 正しい。

アルカンは反応に乏しく,メタンやプロパンC3H8のように主に燃料として用いられます。
メタンは,天然ガスの主成分で,都市ガスなどに利用されています。



□問題⑪
□解答 …… 誤り。

シクロアルカンは,アルカンと同様に,単結合のみでできた構造をもち,反応性は乏しくなります。


□問題⑫
□解答 …… 正しい。

アルカンは,塩素Cl2や臭素Br2などのハロゲンに光や紫外線を当てると置換反応をしハロゲン化水素が生成します。
例えば,メタンと塩素の混合物に光を当てると,次のように連鎖反応をします。

メタン→クロロメタン(塩化メチル)
→ジクロロメタン(塩化メチレン)
→トリクロロメタン (クロロホルム)
→テトラクロロメタン (四塩化炭素)メタン