この病院に転院して3日目でやっと入浴の日が来た。

こちらは週2回の入浴と聞いている。

入浴が独りでも大丈夫と判断されれば、毎日独りで入れると聞いていいる。

そういえば先日スタッフの方から、お風呂の見守りは男性、女性どちらがいいですか、と尋ねられた。

自分は前の病院でも独りでシャワーできていたので何のことかと困惑した。

独りで入浴出来るかどうかを見守りで判断するというものなのだ。

見守りと言っても浴室の外で待機するくらいだろうと勝手に解釈し、自分は女性で、と応えてしまった。

それが本当におおっぴろげで見守りをされるとは想像していなかった

 

でも今日は普通に独りでの入浴だ。

おかしいな、週2回だろうが何回だろうが、最初こそ見守りが必要じゃないか、と思いながら夕方近くの入浴時間を待った。

スタッフの方が入浴の案内に来られ、シャンプーやせっけんがあるか確認された。

前の病院では備え付けがあったので準備していなかった自分は焦った。

持ってないです、と伝えると、今日は特別に貸し出しますとそれらを渡してくれた。

浴室まで案内され、簡単に説明を受け、入浴中の札を入り口ドアに掛けた。

ごく普通の浴室や浴槽に手すりが設けてある。

さすが病院だ。

初めて見る風呂用の椅子が重度の障害のある患者さんにも座れるその椅子は、40cmくらいの座面に、肘掛けがある。

クッションが効いており、安全な介護用の椅子だ。

自分は久しぶりのシャワーを思いっきりあびた。

気持ちいい。

ただただ気持ちいい。

借りたシャンプーやボディソープの匂いが嬉しい。

とてもいい匂いでキュンとなる。

また数日は入れない事を思うと、ついしっかり洗ってしまう。

冬なので汗をかくことはないが、院内はどこも暖かい。

真冬を忘れるくらい快適な入院生活を送れている。

リハビリしているのでクツを脱ぐ事もあり足の匂いが非常に気になっていた。

せめて足だけでも毎日洗えないものか。

自分は特に足をせっせとしっかり洗った。

きれいさっぱり洗えたのですっきりとして浴室を出た。

全身を拭き髪を乾かそうとドライヤーを手に持った。

前の病院ではこの髪を乾かす作業が一苦労だった。

右手でドライヤーを持ち左手で髪を散らす、またその逆の手でも試みるが、どちらも左手がキキープ出来ない。

すぐに左手が下がってしまうのだ。

しかし今日はこれまでより明らかにマシになっている実感がある。

しんどいがキープ出来る時間が伸びている。

これもリハビリのお陰である。

リハビリと出来るだけ自分で出来ることは自分でやり、可能な限り普通の生活を送れるようにする。

これがここの入院で最初に言われた事だ。

とても前向きになる感触を得て気持ちいい入浴を終えた。