PPPDと診断が出て、薬を2ヶ月分処方され、飲み始めて2ヶ月が経過した。
変化はあるのか。

うーん、特に変化を感じない。

期待が大きかった分、ショックに近いような落胆だ。
残念だし、この先が全く見通せない。
期待し過ぎというのか。
1ヶ月、2ヶ月も飲めば、少しくらいの変化はあるだろうと決め込んでいた。
もちろん、以前から、めまいがキツい日もあれば、比較的ラクな日もあり、日々変化はあった。
薬を飲み続けてラクな日は、おぉ効いてきたのか、と錯覚してしまう。
少なくとも悪化はしていないと言えるので、このまま続けてみたい。

先日、めまい外来の病院で2回目の診察をしてもらった。
調子はどうですか、とめまい外来の医師。
正直に自分の感じている事を伝えた。
変化は感じない、と。
めまい外来の医師は自分の正面に体と顔を合わせ、かなり接近し、優しく話を始めた。
それはね、まだ飲み始めたばかりだから、もう少し続けないと、すぐには効いてはこないからね、うん、じゃもう2ヶ月分同じお薬を出しておきましょうね、と何とも口調の柔らかい話し方で説明された。
一歩間違えばオネェ口調のような感じだ。
ち、近過ぎる。
それは自分の唇が奪われるのではないかと思うくらいに近い距離だ。
病院なのでお互いマスクをしてはいるが、それにしても近過ぎる。
近過ぎて老眼によりめまい外来の医師の顔がボヤけて見えるし、キツい。
キツいので老眼の癖で対象物を遠ざけるか、自分が顔を後ろに引いてしまいそうになった。
でも我慢した。
寄り目になってしまいそうになりながら耐えた。
2ヶ月前に初めて診察してもらった時もそうだった。
の時は自分が意識し過ぎかと思うようにしたが、今回も同じく距離を詰めてこられた。
医師には逆らわないように、どこか自分が信者になったかのような心情になっていたのかもしれない。
一緒に着いて来てくれた妻も少し驚くほどの近さだった。
自分は、これはこの医師の診察スタイルなのだろうと思う事にした。

詳しい説明は特にされなかったが、こうしてしばらく治療を続けていく事になるのだろう。
そして数ヶ月はこの病院に通う事になるのだろう。

診察を終え薬局へ行き、処方箋を出し薬をもらう。
めまい外来の医師に言われた通り、前回と同じ2ヶ月分だ。
PPPDに処方される抗うつ剤の錠剤は半分に割ってある。
これが60袋。
漢方が3×60日分で180袋。
またまたすごい量の薬だ。
これを全部飲むのか。
うんざりするが、PPPDの治療は始まったばかりだ。