DUEL SAVIOR ORIGINAL




二人の戦いは誰もが想像を超えていた


大河はランスを構え突撃し


ガリルは大河を近づけさせまいとマクスウェルを乱射する


ここまでなら誰もが想像した通りのモノだった


しかし


炎の弾丸は一直線に大河に向かっていくが、大河に当たる直前に急に方向を変え


始める


最初は偶然だと思ったが


向きを変える弾が二桁に入り始めると偶然だと思えなくなってくる


だが、相変わらず炎の弾は向きを変えてしまう


誰もが不自然に思った


当然ガリルにも動揺が走る


一瞬身を固まらせたガリル


一瞬されど一瞬


その一秒にも満たない時間はガリルに致命的な一撃となった


「もらったーーーーーーーー!!!」


ランスを構えたまま突っ込んでくる大河がガリルのすぐ目の前にいたのだ


とっさにガリルはマクスウェルを使ってランスを受け流した


しかし、受け流したとはいえ無傷ではすまなかった


ランスの先端がガリルの肩を切り裂いた


浅いはずなのにも関わらず大量の血が流れていく


ボロボロだったガリルの服を段々と赤く、段々と黒く染めていった


一撃で決める予定でいた大河は舌打ちしながらもう一度決めるためにランスを構え

たままガリルに突撃してくる


大河がどんどんと近づいてくるのにガリルは身動きをとらなかった


誰もがガリルが勝負を諦めたと思った


ガリルが撃ち出す炎の弾丸は全て大河に当たる直前に逸れていく


魔術師のガリルには勝ち目が無いと思ったからだ


大河も皆と同じように考えていた


故にこの一撃は決まると思っていた


だか、大河の思惑は意外な反撃によってその幻想を砕かれた


ガリルは右手に持っているマクスウェルを水平に構えて呟く


「我は二つにして一つ、一つにして二つ」


左手を大河に向けて呟く


「顕現せよ、我が半身よ」


その言葉と共に左に手に周囲のマナが集まり始めていく


マナは光に変わる


光がまるでガラスのようにひび割れていき


光全体にひびが入った瞬間、光は今まで以上の輝きを放った


光から生まれてモノは蒼の装飾銃だった


その姿は紅い装飾銃・マクスウェルと瓜二つ


違うのは色だけだった


観客達は唖然とするしかなかった


ガリルの手にマナが収束し、光の中から出てきたものが蒼の装飾銃なのだから


ガリルが起こした現象はこの場にいる皆が知っている



知っていなければおかしいのだ


なぜなら


それは救世主を救世主とたらしめるに必要なもの


その名を


『召喚器』



DUEL SAVIOR ORIGINAL







「なんでお前が相手なんだよ~」




「そんな事を言われてもな~




大河の呟きをガリルは苦笑いでしか返せなかった




闘技場の中心で二人はそんな言葉を掛け合っていた




時はほんの数分前のこと




ダリアがガリルに説明をしている後ろで未だに目線だけで喧嘩を続ける二人




二人の目線はこう語る




【絶対に負けない!!!】




二人の間には既に戦う事とは決定事項らしい




そんな二人を置いてダリアどんどん先に進んで行き




終に対戦相手を決める所まで来た




大河とリリィは未だに睨む事を辞めない




目を逸らした瞬間が負けと言わんばかりに




所が二人目線で戦いはダリアの声で幕を閉じた




「第一回戦は大河君と~、ガリル君で~す」




「「えーーーーー!!!」」




大河とリリィは又も戦う機会を失ってしまったのだ




「まったく、男のお前に勝っても俺には何の役得も無いじゃん」




「おいおい」




これから互いに戦い合うというのに二人の間の空気はなんとも和やかなものだった




しかし、そんな和やかな空気はすぐに張り詰めたモノにへと変わる




「準備はいいわね~、それじゃ~」




ダリアの間延びした声が今の闘技場には酷くもどかしかった




これから起きる試験は未だかつて起きたものがモノが無いものだからだ




男の救世主候補の戦い




本来有り得ない事象が二度も起きて生まれた産物




しかも、互いにゴーレムを一撃で倒した者同士の戦い




片方は接近戦に特化した大河




もう片方は中距離、遠距離を得意とするガリル




大河の戦闘スタイルはナックルによって相手の懐に入り込み暴れるというなとも乱暴な戦い方




ガリルの戦闘スタイルはひたすらに相手から距離を置き懐に入り込むことを許さない魔術師にとって基本の戦い方だった




互いに苦手モノが相手となる戦いだった




だからこそ、この試験は教師であるダリルすら想像がつかない物に成るだろう




「始め!!!!!」




二人は自分のパートナーを高らかに呼ぶ




「トレイター!!!!」
「マクスウェル!!!!」











DUEL SAVIOR ORIGINAL







「試験?」




「はい、救世主クラスでは定期的に試験行う習慣があります」




ガリルの疑問はベリオによって回答を得た




「試験はどういった形式で行うの?」




「救世主クラスは他の学科とは違って殆どが実践による試験です」




この回答を貰ったときにガリルは新たな疑問が浮上した




それは、召還器をもつ救世主クラスに対等に戦える相手などこの世界にはいない




極一部の人間は除いての話しだが




しかし、先ほどの考えは過信では無く事実だ




召還器を使ってる自分だからこそ分かる




召還器とは常識から並外れていることが




居るとしたらそれは同じ召還器を持つ救世主クラスの人間だけになる




しかし、ベリオは試験と言った




試験というのだからやはり試験を受ける者よりも、実力を持った者が、受ける者の力を計




それが試験という物だ




だから




救世主クラスの人間よりも実力を持ったものがこの学園に居なくては試験は成り立たない




しかし、そんな人物はガリルの知るところ居なかったのだ




「ベリオ、試験というのだから相手は教師か何かなのか?」




「いえ、試験での相手は同じ救世主クラスの生徒です」




やはり、召還器には召還器でしか勝ち得ないのだ




前の世界での自分と彼女の様に













闘技場中には既に救世主クラスのメンバーと約一名が揃っていた




今日こそ決着を着けると言い合っている大河とリリィ




大河を止めようとする未亜





三人を遠くから眺めているリコ・リス




闘技場の中心に立って喧嘩する二人を笑って眺めているダリア




そして入ってきたガリルとベリオ




入場してきた二人に気がついたダリアは喧嘩を仲裁する




仲裁された二人は渋々引き下がるが互いに牽制しあって二人の間の空気はギスギスした

ものとなる




そんな二人の間に挟まれた未亜、ベリオは苦笑いを浮かべるだけであった




二人に挟まれていないガリルも大河の隣ということで苦笑いを浮かべるしかなかった




ただ、リリィの隣にいるリコ・リスだけは平然とした顔で並んでいた




そんな救世主候補一同を眺め苦笑いを浮かべるダリアだったが




仮にも彼女は教師という立場




重たい空気の中無理やりにテンションを上げた声を上げる




「は~い注目~、いがみ合ってる二人を置いて試験を始めま~す」




ダリアが取った行動は見捨てるという選択だった




教師としてはどうかと思うが




人としては誰もが取るであろう選択だった




「せ、先生・・・・」




期待していたダリアの取った行動に呆れる救世主候補




「だって~、あんな二人何しても止まりそうに無いんだもの~。だったら放っとくしか無いで

しょ~」




ダリアの弁解は普段の二人を知っているからこそのものだった




「ま~、今回の試験の最初はガリル君に試験の説明をしなきゃいけないから別に平気よ

~」




今にも戦闘を始めそうな二人なのにダリアは気にしなかった




ダリアはガリルに試験の詳しい説明をしていく




試験は様々な場合を想定して1VS1や2VS2などのモノがある事




対戦相手はダイス決定の事




『指導』という名の罰ゲームが待っていること




『指導』の説明している時に女性陣からのガリルに対する目線は自然と冷たくなる




ガリルは男なのだから女性陣の目線が自然と冷たくなるのは仕方が無いものなのかもしれ

ない




何せ前例である大河がアレだからなのだから




「それじゃ~試験を始めるわよ~」




ダリアが声高らかに試験開始の合図を告げる