DUEL SAVIOR ORIGINAL
「うそ・・・」
「ありえない・・・・」
「ありえまんせんよ・・・・」
「・・・・・・」
その言葉の意味は『否定』
認めたくないものがあるから人は『否定』する
今、彼女たちの前で『否定』したい現実が起こっていた
それは
新たに出現した召喚器
蒼の装飾銃
彼女たちが『否定』したい現実だった
ガリルは新たに召還した蒼い装飾銃を大河に向けて弾丸を撃った
蒼い装飾銃が撃った弾丸は氷
氷の弾丸は真っ直ぐに大河に突き進みランスによって弾丸は砕かれた
何故炎では当たらず氷では当たるのか?
それはランスによって生まれる風の流れのせいだった
大河が使うランスは中世の西洋で使われていた突撃槍
払うという行動は一切取らずただ突くとい一点に特化した槍
今回の風の流れはランスが風を切るお陰でそのランスの周囲に風が流れる
炎の弾丸に重量はまったく無い
故にランスの風切り程度でも流されてしまったのだ
しかし
氷の弾丸は違う
氷といった固形であるために重量もある
だからこそランスが起こした程度の風では流されなかったのだ
大河は頭では理解していなかったが体では理解していた
大河にとって最初の一発目は当たってでも突撃する覚悟だった
しかし、結果は違った
炎の弾丸はランスの風によって逸れていった
大河は原理は分からなくとも勘によって突き進んだ
結果は言わずとも分かること
氷の弾丸が当たることが分かると大河はランスのスピードを更に上げた
再度の接近を許すほどガリルは甘くなかった
左手の蒼い装飾銃より撃ちだす氷の弾丸はランスに当たり
右手の紅い装飾銃より撃ちだす炎の弾丸は大河が通るであろう道筋を撃ち抜く
大河とガリルの距離はおよそ15mの距離
大河は愚直なまでに突く進み
ガリルは大河の行動を阻止せんと撃ち抜く
互いの距離が後5mになると二人は今までとは違う行動を取った
ランスで突っ込んできた大河は、そのままランスを振り上げランスを振り下ろす体勢のまま先ほどまでのスピー
ド突っ込んでいく
ガリルも左右にある召還器で迎撃を辞める
本来、一般の魔術師が接近を許してしまった場合
自ら下がるという行動を取るが
ガリルはまったくの逆、前へと突き進んでいった
さすがの大河もこれには驚いたが振り下ろす体勢は変えられずそのまま突き進む
互いの距離が零になった瞬間ガリルがとった行動が示された
ランスを剣に変えて振り下ろした
剣は吸い込まれるようにガリルの体に迫っていったが
ガキンッ
硬い金属物に拒まれた
ガリルはマクスウェルを逆手に持ち替え、トンファーの様に持つと大河が次々と繰り出してくる斬戟をマクスウェ
ルで弾き、時にはマクスウェルで打撃を加える
「魔術師なのにっ・・・・・前衛にっ・・・・・でるのかよっ!!!」
「人を・・・勝手に・・・・・決め付けるなよっ!!」
互いに余裕が無いせいなのか言葉使いが荒くなってきている
大河が言うことももっともである
本来魔術師はその魔法の火力を重視されるために大体が後方支援が基本だ
極稀に魔術師が前衛に出ることもある
しかし
今話したモノは、ある前提がなければ成り立たない
それは、魔術師は他の誰かとチームを組んでいるということだ
魔術師一人で戦闘した場合はやはり、敵と距離を取りつつ殲滅するしかなのだ
これが、一般的な魔術師の戦闘スタイルだ
しかし、ガリルにはこの定義は当てはまらない
なぜなら
ガリルは【魔法戦士】だからだ
【魔法戦士】それは前衛形の魔術師
魔術師は魔法を主力とした戦い方
魔法戦士は魔法を一つの選択として戦いの中に織り込む戦い方
一見似ているようにも思うが、この二つはまったく違うのだ
魔法しか使わない
魔法も使う
この二つでどちらが厄介かというと、恐らく大体の人間が後者を取るだろう
魔法をいつ使うがまったく分からないからだ
距離が近ければ接近戦を
遠ければ魔法を
魔法騎士とは全距離に戦闘方法を持つオール・ラウンダーなのだ
ガリルは距離を取ろうとマクスウェルを地面に向け
砂塵に紛れて逃げようとする
大河は地面にマクスウェルが向けられると、即座に下からの切り上げによって妨害する
大河とガリルは十分近く打ち合っていた
互いに接近戦での戦闘を得意とするが、一時間近くも打ち合っていれば疲労も溜まってくる
その証拠にガリルはトレイターを弾ききれずに体に何回も掠めている
大河は手数が多いガリルの打撃を食らい、体中に痣を作っていた
しかし、終にその戦いにも終止符が打たれた
砂塵を作ろうと地面にマクスウェルを構えるガリル
大河は妨害のモーションに移るが、痛みと疲労によって追いつかなかった
炎の弾丸は砂塵を作り、二人の姿を隠した
(体力と残りのマナが少ない以上、遠距離戦を挑むのは得策ではないか・・・・)
ガリルは自分の体の状況を考え戦略を考える
(恐らく大河は俺の姿は見えてない、ならば賭けるか・・・)
ガリルは最後の賭けに出た
(ちくしょ~、ほんの僅かの差で阻止できなかったか~)
大河の心の中では先ほどの攻防での最後が悔やまれた
(起きちまった以上、やるしかないか)
大河は砂塵の中を走り出した
出口を求めて走り出してしばらくすると大河の目に光が映った
それは、先程までガリルが炎の弾丸を撃つ時に発生する閃光
大河は一気に距離を縮め、光が発生した場所に切りかかる
帰ってきた感触は金属を弾いたモノだった
大河は即座に周囲を警戒するが、後ろから聞こえた音に反応してトレイターで切り上げる
「どうなってんでしょうか・・・」
「私に聞かないでよ・・・・未亜、何か見えない?」
弓を使っているから視力がいいと思ったリリィの安直な考えだった
「何も見えないですよ~」
観客たちが砂塵の中が気になる中、砂塵が晴れてきた
砂塵の晴れた先には
大河の額にマクスウェルを押し付けるガリル
ガリルの心臓の位置にトレイターを向ける大河
二人は笑みを浮かべていた