こんにちは!
フリーアナウンサーの三木 恵です。
仕事柄、なにかにコメントを求められることが多いです。
映画、本、食べ物、観光地、
そして、人の生き様や想いにも。
特にご本人に直接コメントさせていただく場合、
つい
「イイこと言いたい」
って気持ちが働いちゃいます。
これ、本当に危ないな、と思っていて…

お世辞を言おう!とかじゃなくて、
気持ちをしっかり伝えたいとか、
せっかく感想を求めてくださったからなにか応えたいとか、
前向きな気持ちで
「イイこと言いたい」
ってなること、ありますよね。
そうすると、
キレイで、抽象的で、
スケールの大きな言葉になりがち。
すばらしい、美しい、
深い、響く、考えさせられる…
でもね、
それだけじゃああんまり伝わらない。
なぜなら、
誰にでも言える言葉だから…。
むしろテンプレートめいた印象を与えて
逆効果になることも。
言葉の選び方のせいで、
それ本当にそう思ってるの?
なんて感じられたら悲しいですが、
抽象的な言葉ってそういう危険があります。
じゃあ、誰にでもは言えない言葉、
ってなんでしょう。
何をすばらしいと思ったのか。
すばらしいと思ってどんな行動をしたのか。
例えるなら何のように美しいと思ったのか。
具体的で個人的な感性からくるコメント。
これはやっぱり相手への届き方がちがうと、
経験から強く感じます。
具体的に・個人的に話すのって
考えるのに一手間かかるし
言い切っちゃうのは勇気が要るし
でも、せっかくわたしという個人に
感想を求めてくださったのだから
自分にしか言えないことをお伝えしたいものです。
だからわたしは
ついイイこと言いたいって思っちゃう自分に気づいたら、
危ない危ない!!
一瞬立ち止まって、自分の心を見つめます。
そこにある感覚を言葉を探すようにしています。
会話にメールにSNSに
個人の発信の量は増える一方ですが、
だからこそ、ペラリと出てくる言葉にばかり頼りたくないですね。
汚い言葉を使うとか、
赤裸々な話に頼るとか、
そういうことではなく

腹の底から出る言葉を使っていきたいな。
力のある言葉ってそういうものだと思います
